第9話 弓の経験
投稿遅くなってしまってごめんなさい。
リアルがすごく多忙だったため、遅れてしまいました。
また週末になると多忙になってしまいますが幼少期完結を目指してどんどん投稿をしていこうと思います。
ノクトは朝早く目を覚まし居間へ向かう。レイアは朝飯の準備をしており、ダインは仕事の支度をしている。
「おはよ、今日の朝ごはん何?」
「あら、ノクト早いのね。
今日はパンにソーセージ、あとは野菜ジュースね
卵も付ける?」
「んー、いやいいや!食べ過ぎても動くの辛いしね」
「分かったわ。それじゃお父さんとユメアを呼んできてもらえる?」
「分かった。ユメアはまだ部屋?」
「多分そうよ。それじゃよろしくね」
ユメアを起こしに行く前に居間と部屋を行き来しているダインにそろそろ朝食だと伝える。
ダインは分かったと言い、部屋に走っていった。恐らくキリのいいところまでは終わらせたいのだろう。
ユメアの部屋の前に着きドアをノックする。
しかし部屋の中から返事がなくまだ寝てるのだろうと扉を開けながら声をかける。
「ユメア起きろー。そろそろ朝ごはんだぞー。」
扉を開けきり部屋の中に視線を向ける。
すると下着姿のユメアがズボンを履き書けながらノクトを見て固まってる。
「お、お兄ちゃんのバカー!」
「ごめん、着替え中だったのか」
「入るならノックくらいしてよ」
「いや、したぞ?けど返事がなかったし寝てるのかと思った」
「そんなの知らない!もっと大きな音でして!
すぐ行くからとりあえず出てって!」
ズボンを履き切ったユメアが手当り次第ものを投げてノクトが出ていくのを促す。
ノクトは避けるのは余裕だったがそれではユメアが落ち着かないと思い居間へ戻る。
「あら、ノクト大きな音がしたけど何かあったの?」
「部屋のドアをノックしたんだけど返事がなくて寝てるのかと思ったらユメアは着替え中だったんだよ」
「あらあら、それは朝から大変ね」
レイアはそう答えるとクスクスと笑いながらテーブルに朝食を並べる。
ノクトも手を洗いそれを手伝う。
並び終えた時にはダインは席に着いており、ユメアは顔を赤くしながら居間に入ってくる。
「ユメアさっきはごめんな?悪気があったわけじゃないんだよ」
「もうそれはいいから思い出さないで!」
「分かったよ、次からは気をつける」
ユメアに謝り許しを得る。
今日の午後の事を話しながら朝食を食べ終わる。
午後の事を話すと言ってもただダインがノクトにどういう所を判断基準にするか説明した程度である。
「それじゃ、修練頑張ってくるんだぞ。
午後の事があるからって修練で手を抜かないように」
「分かってるよ、それじゃ行ってくる」
今日も少し早いが家を出る。
鬼熊戦以来の久々の修練であるため、ワクワクが抑えきれなかった。
修練場に向かっていると銀翼亭の今日の日替わりメニューの看板を出しているノルンを見かける。
ノルンもノクトに気づき手を振り、近づいてくる。
「ノクト君、おはようございます」
「おはよう、ノルン
朝からお店の手伝いなんて偉いね」
「いいえ、日課みたいなものですからね
それに、今日はお客様が多いんですよ
冒険者の方が3組も泊まっていらっしゃるので」
村長が鬼熊の話を聞き、ノクトが撃退したとはいえ念の為鬼熊の調査を依頼したようである。
その為この村に依頼を受けた冒険者が銀翼亭に泊まっていた。
「なるほどね、それじゃ大忙しだ
それで何か鬼熊の事を話していたりしたかい?」
「夜は食堂の方の給仕をしていましたが、特にそれらしい話はしてませんでしたね。
ノクト君はやっぱり気になりますか?
でもダメですよ?2日も寝込むほどだったんですし次は…」
途中で言葉を切り心配そうな顔をしてノクトを見つめる。
ノクトは笑顔を向けながらノルンに答える。
「いや、もう無茶はしないよ。
けどやっぱり村の近くにいたら危険だからね。
このあと修練だし何かあったならゴルドー教官に言っておこうと思ってね」
「なるほど、そういうことでしたのね」
ノルンは安心した様に微笑む。
ノクトはノルンの微笑みを見て顔が少し赤くなったがノルンはそれを気づくことはなかった。
-----ただそのノルンの笑顔を見ているのはノクトだけではなかった。
修練場に向かうとゴルドーが修練の準備をしていた。
様子を見るに今日の修練は投擲の練習の様だった。
「教官、おはようございます。今日は投擲の修練ですか?」
「ノクトか、早いな。
いや、今日は投擲ではないんだ、楽しみにしてな。
とは言ってもお前には特に問題ないと思うけどな」
「そんな事ないですよ、アレがあっても俺にできないことはできないと思いますし」
「そういうもんなのか?まぁもう少し準備に時間がかかると思うがそろそろ次の荷物を持った衛兵達が来るはずだ。
そしたら何をするか分かるし準備を手伝ってもらえるか?」
「はい、教官!分かりました」
話をしていると4.5人の衛兵が弓と矢を持って現れた。
ノクトはそれを見て目を輝かせる。いつかは使ってみたいと思っていたがまだ1度も使った事がなかった。
そもそも修練で弓を使った訓練があるとは聞いていなかった。
「教官!もしかして今日は弓ですか!」
「ああ、鬼熊が出たことで最近森の魔物が活発化しててな前線で戦うのは大人達だが子供達も弓が使えたら援護できるかもしれないと村長と話し、今日は弓の訓練をする事にした。
ただ俺は腕が片方無いからな今回は衛兵達に手伝ってもらって指導をしてもらうことになった」
「なるほど、それで的なんですね!今から楽しみです。それでは手伝ってきますね」
ノクトは1人の衛兵に近寄り手伝う事を伝える。
衛兵はノクトに弓を渡し武器掛けに並べるように指示をした。
準備を終え修練の時間になった。
「それでは今から修練を始める
今回は弓を扱う訓練だ。ポールこっちに来い」
「はい」
「いいか?ポールをよく見ておけ
ポールは臆病で前線に出ることは苦手だが弓に関しては恐らく衛兵の中では1番優れている。
よく見て学ぶように」
「隊長、そんな言い方ないですよ…
それに衛兵の中で1番なんて有り得ません。
そんなにプレッシャーを与えないでください…」
ポールは弱音を吐きながら弓を構える。
言われた通りノクトは目に意識を集中させポールを見る。するとポールの目が変わる。気づいた人が何人いるか分からないが先程までのポールとはうって変わり的をしっかりと目で捕らえ一点を鋭く見つめている。
放たれた矢は的の真ん中に当たり、続けて2射3射と正確に的の真ん中付近を射抜いていく。
3射目を撃ち終えたポールはいつもの雰囲気に戻り、ゴルドーに 終わりましたと告げる。
ゴルドーは結果を見て笑いつつ修練生に話し始める。
「ポールは異常的に弓が上手い。
あそこまで素早く正確に撃てるやつは恐らく王都の騎士団でもそうそう多くはないだろう。
ポールを見習えとは言わないが撃ち方、姿勢とかは参考になる。
では、先日外に出たメンバーで今回の修練を始めてくれ
今回は的に引かれている線から10本矢が当たったものから終わりにしていい。
では、始め!」
ゴルドーの掛け声と共に各自先日お世話になった衛兵の下へ向かう、ノクトもポールの立つ的の近くに行き指示を待つ。
ダンとガイウスが少し遅れてポールの所に辿り着きポールが指示を出す。
「よし、みんな集まったね
それじゃまずは弓に慣れてみようか!
的に近づいていいからとりあえず矢を真っ直ぐ思ったところに飛ばしてみよう!」
3人はポールの指示通り各々矢が的に当たりそうな場所まで移動し撃ってみる。
3人共的から外れてしまった。
ノクトは身体強化を使ってポールの姿はよく見ていたが外れた事に少し残念に思った。
「ダンとガイウス君はまずは姿勢からだね。
背筋から頭の先まで真っ直ぐに伸ばしてもっと肩をおろしてみてごらん。
ノクト君は姿勢は綺麗だったよ。
ただ力の加減が良くなさそうな印象かな?
弦を引く事で多分矢を撃とうとしたのかな?
矢を放つ時は弓を持った手で弓を押す力と弦を引く力を同じにするように意識してみてほしいかな。
後は弓を放った時身体がぶれない様に意識すること。
これはぶれると放った後の矢に影響する事があるからね」
ポールの指示を受けながら弓の練習は続いた。
ノクトはポールの指示を身体強化を使ってどんどん正確なものにし最終的にはポールの放っていた位置と同じ立ち位置で的に当てられるようになっていた。
ダンとガイウスも然程時間がかかることなくノルマを終え修練場で1番最初に終わった組として他の組に羨ましがられていた。
終わったノクトにゴルドーは近づき声をかける。
「いや、まさかこの短時間でポールと同じ距離を当てるとはな… アレを使ったのか?」
「はい、特にただ姿勢の安定や力の分配を意識しただけなので矢の威力等は決して上がってないはずです。
上達が早くなるように促しているんですけどね…
ただここまで早く習得できたのは確実にポールさんのおかげですね」
「あいつは弓になると凄いからな…
やはりポールをノクトに付けて正解だったな
これで今日の午後の幅も広がるだろう」
「やはり意図的だったんですね。教官、ありがとうございます」
「ノクトを心配するのは何も親だけではない。
俺だってかなり悩んだ末に今回の結論を出している。
弓の技術を得る事で戦闘に幅が出るならより出やすく安全になるだろ?」
ゴルドーはニカッと笑いノクトの背中を叩く。
ノクトは感謝をし今日のことを話し始める。
今回の修練をノルマ達成で解散にしたのは衛兵達に任せられるかららしい。
ノクトはここまでやってくれるのかと思ったがゴルドーに感謝だけを述べ昼食が終わり次第ゴルドーの家へ訪ねると伝えた。
修練場を離れる前に最後に1発弓を放つ事だけを意識して放った矢はしっかりと真ん中を捕らえていた。
お読みいただきありがとうございました。
次回、ノクトの外での試験?となります。
そしてノルン
一体誰に見られていたんでしょうか…
もしかしたら小説の題名が変わる可能性がありますが変わった時は前書きにも書くので今後ともよろしくお願いします。