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剣術世界の魔法剣士  作者: れお
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第6話 戦いを終えて


第6話です。


鬼熊戦を終えての後日談となります。

数話の間ゆるーく進みますがお付き合いしていただけると嬉しいです。


「……ト、……クト。

鬼熊(オーガベア)戦、お疲…で…。

そ…子で…からも頑張っ…下さ…ね?」


微かに声が聞こえてきたがほとんど聞き取れず、またノクトは意識を手放した。


目を覚ますと見慣れた天井が目に入ってくる。


「あれ?いつの間に寝たんだっけ?」


記憶を辿ってみる事にした。

昨日は実践訓練を行い、ソウマと衛兵を助けるためゴルドーと救出に向かい鬼熊と交戦、そして撃退をしたのだった。


(あれ?けどその後の記憶が…)


考えていると桶を持ったユメアが静かに部屋に入ってくる。


「ユメアおはよう。」

「え、お、お兄ちゃん… 起きて… 良がっだよぉ…」


ノクトが起きている事に気がついたユメアは目に一杯の涙を溜めながら抱きついてきた。

ノクトはユメアを受け止めると頭を撫でながら尋ねた。


「どうしたの?ユメア」

「だって…。だってお兄ちゃん2日も目を覚まざながっだんだよ…?」


ユメアに衝撃の事実を伝えられる。

どうやらあの後2日も寝てしまっていたらしい。

ゴルドーがどうなったかソウマ達は逃げ帰ってこれたのか、様々な事を聞きたかったがまずは泣いているユメアを慰めることにした。


「大丈夫だよユメア、お兄ちゃんはこうしてちゃんと生きてるよ」

「う、うん…。でも今度はこんな無茶しちゃダメだよ?」

「……」


言葉に詰まってしまい目を泳がす。

すると先程まで泣いていたユメアは頬を膨らませた。


「お·に·い·ちゃ·ん?」

「は、はい…善処します…」


言質を取ったユメアはクスクスと笑いながら離れみんなに伝えてくると部屋を駆け出していった。

ノクトはお風呂に入りたかったため着替えを持ち部屋を出る。


「おはよう。なんか2日も寝ちゃってたみたいで…心配かけてごめんなさい。」

ノクトは居間に入りながらそう言う。

レイアとダインが安心した顔でノクトを見つめる。

「おはようノクト。どこか具合の悪い所はないか?

何かあったらすぐ言うんだぞ?」

「起きてよかったわ。今日は美味しいものを食べましょう。なにか希望があったら言ってね。」

「どこも悪い所はないかな?むしろ身体が軽いくらいだよ。ハンバーグが食べたい。後それとお風呂入ってきていい?」

ダインとレイアは微笑みながら頷き、それぞれ準備を始める。

ノクトも風呂場に歩き出した。

レイアはふと思い出しもう部屋にはいないノクトに話しかけた。

「ノクト、そういえばタニアちゃんとノルンちゃんが毎日お見舞いに来てくれてたわよ?」

その声がノクトに届くことは無かった。


ノクトはお風呂場に行きシャワーを浴びる。

(ふぅー。色々と流されてく気がしてくる)

鬼熊戦はとても長い時間に感じていた。

角兎(ホーンラビット)とは違い本当に命のやり取りをしていた。

しかし撃退なのだ。討伐は出来ていない。

(倒せてはないんだよな…もっと強くならなきゃ…)

次現れるまでに強くなろうと決心をする。

(お風呂出たらゴルドー教官の所に行かなきゃな)

すると突然風呂場の扉が勢いよく開かれ人影がノクトに飛びついてきた。

咄嗟のことで身構えることも受け止める事も出来なかったノクトは開かれた扉の方へ向いた瞬間飛びついてきた人によって押し倒される。


「良かった…生きてた… 本当によかった…」

「タ、タニアさん…?」

泣きながら飛びついてきたタニアに動揺を隠せず動こうとした。

『むにっ』

ノクトの手が丁度ノクトとタニアの体に挟まれる位置にありタニアの膨らみかけの胸を触る。

「こ、これは、不可抗力…!!」

「ノ、ノクトの馬鹿ー!!!」

先程まで泣いていたタニアの顔が頬を膨らませ顔を赤くしながら、振り上げたその手をノクトの頬に打ちつけた。

『パチーン』

その光景を風呂場の外から面白そうにしながらユメアが見ており、その後ろで口に手を当てたノルンがいた。


タニアが乱入してから数分後ノクトは風呂から出る。

顔には綺麗なモミジ模様が刻まれていた。


居間に戻るとタニア、ノルン、ユメアが楽しそうに話していた。

ノクトが戻ってきた事に気がついたタニアは顔を赤くして俯く。


「さっきはごめん、私が悪かったよ…」

「いや、不可抗力とはいえこっちこそごめん」

「そ、そうだよね!触ったノクトも悪いよね!」


タニアはいつもの調子に戻り、見ていたユメアとノルンはくすくす笑う。

レイアがお茶とお菓子を出してくれ4人で楽しく話をする。先日起こったことをメインに話すことになったが、3人はよく生きてたねと驚きながら聞いている。


「そろそろゴルドー教官の所に行こうかな」

「ゴルドーさんも心配してたよ、早く行ってあげよ」

「そうですね、私達もご一緒しても宜しいですか?」


タニアから心配してもらっていた事を教えられノルンが一緒に行こうと言う。

一緒に行くことを了承し、行く支度を始める。


「それじゃあ、母さん行ってきます」

「行ってらっしゃい。ゴルドーさんがあの日ここまで送ってくださったんだから、しっかりお礼を伝えてくるのよ。」

「うん、分かったよ。」


こうして3人でゴルドーの下へ向かうのであった。


お読みいただきありがとうございました


次回はゴルドーさんに会いに行きます!

ゴルドーさん片腕なくなっちゃったけど大丈夫かな…?

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