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剣術世界の魔法剣士  作者: れお
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第2話 初めての狩り

第2話の投稿です


楽しく読んでいただけたら幸いです


ノクトは修練が終わると家へとすぐに帰った。

模擬戦だけだったとはいえソウマとの試合はとても疲れるものであり、お風呂に入りたい気分であったからである。


「ただいま〜」


「あら、おかえりなさい。 今日は早く終わったのね。」


帰ると母レイアが驚いた様子で出迎えてくれた。


「うん、今日は模擬戦だけだったんだ。だけど相手の人が強くてめちゃくちゃ疲れたよ…。」


「そうだったの。ならお昼の準備をするからお風呂入った後お父さんとユメアを呼んできてくれる?」


「分かったよ。それじゃ行ってくるね。」


そう言ってレイアとの会話を終わりにしお風呂へと向かう。

流石に夜ではないためお湯に浸かるまではせずお湯で汗を流すだけだったが、とてもさっぱりとし午後も頑張れる気になる。


風呂から出た後は部屋着を身に纏い父ダインと妹のユメアを呼びに畑に行った。


「父さん、ユメア、そろそろお昼にしようって」


「あ、お兄ちゃん! おかえりなさーい」


そう言いながらテトテトと走り寄ってくるユメアを受け止め抱き上げた。

ユメアは一つ下の7歳でもう父の畑仕事の手伝いをしている。

見た目は黒髪のポニーテールで赤いリボンで縛っている。身内贔屓と言われるかもしれないがとても可愛い顔をしており、黒髪に映える赤眼がとても特徴的である。


「今日、ユメアは何を手伝ってたの?」


「今日はねー、虫さんが付かないようにいっぱい霧吹きを吹きかけてたー!」


「えらいねー」と褒めながらユメア撫でていると仕事に一段落を付けたダインが近づいてきた。


「ノクト、修練お疲れ。 ユメアのお陰で今日は畑仕事に一段落が着いたから今日は午後からは外に出てみようか。」


「分かった、お昼食べ終わったら準備してくる。」


そうダインに告げられ、内心凄くワクワクが止まらなかった。


『外に出る』これは即ち村の外に出て獣や魔物を狩ることの事である。


ある程度修練を受けるとゴルドーから許可を得た人は保護者同伴で外に出て狩りを行うことが出来るようになる。

魔物の肉は美味しくないが皮や爪、牙といった素材は村の外から来る商人にそれなりの値段で取引ができるため村の男の人は度々村の外に狩りに行く。

畑仕事が忙しい時期だったのもあり、修練後は畑仕事が多かったが遂にノクトも狩りに行くことができる。


「俺が付いているからといって、無茶はダメだぞ?

それと油断も禁物だ。」


浮かれているのを察したダインは軽く注意をしてくる。

確かに初めてとはいえ命のやり取りをするのである。

油断していいわけがないのを自覚し


「分かった。気を引き締めるよ。」


とノクトは気を引き締め直した。


お昼にはレイアがスタミナのつく料理を沢山作って待っていた。

今日は朝から畑仕事に一段落付けられると思っていた様で午後は外に出るのは決まっていたらしい。


「ユメアのお陰で午前中で片付いたよ。ありがとう、ユメア」


そう言いながらダインはユメアを撫でている。


「暗くなる前には帰ってきてね?夜になると魔物が凶暴化するんだから。」


「分かってる。絶対に危険な目には合わせないように注意するし2人で帰ってくるよ。」


そんなやり取りをレイアとダインが食べながらしていた。


食べ終わった俺は準備をする為に部屋に戻っていた。


「薬草よし、包帯よし、松明よし、あとは…」


松明は暗い洞窟や夜に使う事が多い為明るいうちに帰る今回は要らないと思ったのだが魔物は火に弱いから牽制に使えるから準備しておくようにダインに言われていた。


コンコン…


「お兄ちゃん…」


心配そうな顔をしてユメア近づいてきて抱きついてくる。


「どうしたの?」


優しく声をかけてユメアの顔を見て聞いてみる。


「今からお外行くの…? ケガしちゃ嫌だよ? 絶対帰ってきてね…?」


初めて狩りに出かける事もあってユメアまで心配してくれているようだった。


「大丈夫、父さんの言うことをしっかり聞くし必ず帰ってくるよ。」


そう言いうるうるしていたユメアの目から涙を拭い頭を撫でた。


「ノクトー。準備できたか? そろそろ出発するぞ。」


「分かった。すぐ行くよ。」


ダインが出発を促してきたため受け答えをし、ユメアに行ってきますを伝える。


「気をつけて行ってらっしゃいね。」

「行ってらっしゃい…絶対帰ってきてね…」


レイアとユメアに見送られ初めての外へと向かった。



魔物とは動物が魔素を体内に取り込むことで進化した姿である。

見た目の変化が起こる生物や見た目に変化はないが普通の個体より大きい生物、見た目も大きさも変化はさほど無いが身体能力が著しく高い生物といった様々な変化がある。

この村の周りに居るのは見た目の変化が起こるものが多いため見た目で魔物か動物かで判断することが多い。


「いたな、角兎(ホーンラビット)だ」


ダインにそう言われ前方を注視してみる。


角兎3匹が狐を狩っておりそれを食べていた。


魔物は元の生物が草食であったとしても雑食、しかも肉食寄りになる。角兎は額に生えた角を使って獲物に飛びかかりその跳躍力をもって突き刺す。よってなるべく直線上に位置取りをしなければ討伐難易度はさほど高くないのだが、群れで行動することが多いため、子供一人では危ないのである。


「俺が2匹を相手するから1人で1匹を仕留めてみろ。」


俺が頷くのを見たダインは角兎の群れに近寄っていく。


ダインが1匹目に仕掛けた瞬間、1番離れていた角兎に石を投げつける。


«キュキュッー!?»


石を投げつけられたことでノクトに気づいた角兎はすかさず突進をしてきた。


ノクトはその突進してきた角兎にデジャブ的なものを感じたが、それを難なく避ける。


「なんだろう今の違和感… それより今は…」


何か感じたものがあったが、今は戦いの最中なので再度集中し直す。


再度切り返しをして突進してきた角兎を最小限の横の動きだけで避け首元にナイフを突き刺す。


«キュキュキュッ!!»


突き刺したと思われたナイフの剣先を角兎は身を捻って躱す。


「そう簡単にはいかないよね。」


そこから何度も突進されては避け続け角兎の突進の速さに慣れてきた頃ナイフが段々当たるようになってきた。


「これで終わりだ。」


«キ、キュー…»


深々とナイフが突き刺さりそれによって角兎は絶命した。


パチパチパチ


「お疲れ、初めてにしては上出来すぎるな。よくやった。」


ダインは2匹を難なく仕留めノクトと角兎の攻防を見届けていた。


「魔物相手はもうキツイだろうからあとは夕飯のため普通に何かを狩って帰ろう。」


「うん、初めてだったしもうヘトヘトだよ…」


そう言いながら手頃な兎の群れを見つけ2羽仕留めて村へと帰った。


ケガもなく帰ってこれた為、ダインが一緒に解体しようと提案してきた。


「失敗したら売れなくなっちゃうんじゃない?」


「大丈夫、初の魔物討伐なんだしそんなこと気にせず何事も経験だ。」


ダインは豪快に笑いながらそう言った。


「今日はノクトのお祝いだな。母さんまた豪勢な料理を頼むよ。」


「はーい、腕によりをかけて作るわね。ユメア手伝ってくれる?」


「わかったー!」


そう言い、レイアとユメアが台所へと向かっていく。


「じゃあ、俺らも解体を始めようか。」


そしてダインの指導の下自分で倒した角兎を解体していった。


「父さん、この角の部分固くて切り離せない…」


「ここは周りの肉をお湯につけると綺麗に取れるぞ。」


言われた通りお湯を張った桶の中に額の部分をつけると角が簡単に引き抜けた。


「この角は記念の品だな。」


ダインがそう言いこれは売らずに大切にしようと木の箱を持ってきてくれた。


「ありがとう。父さん」


「ご飯できたわよー」


解体もほぼ終わっていたので片付けをし夕飯のため食卓についた。


兎を使ったシチュー、ポテトサラダ、兎肉のステーキ、焼きたてパン、果実ジュースととても美味しそうなものが並んでおり、見た目通り美味しかった。


再度お風呂へと入り、色々とあった一日を終え眠りにつくのであった。

お読みいただきありがとうございました。


第2話いかがでしたでしょうか


転生ものとジャンルにあるのに未だ主人公は転生したことに気づいてない!笑


そろそろ気づいくれるんでしょうかねぇ…


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