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“銀”の英雄  ~Revival of Andromalius~  作者: 空松蓮司@3シリーズ書籍化
第四幕 “ゲフェングニス”の罠

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4‐⑮ 一方その頃。

 ミソロジア南方“ニシルガン高原”。

 そこで賊軍“アロス兵団”と義竜軍“ナルミ小隊”が戦闘を繰り広げていた。


『持ちこたえろ! ここを突破すれば振り切れる!!』


 アロス兵団の前に立ちふさがるは紅蓮の騎士。


「ふはははははははっ! 下民にも劣る下郎共め! 我が剣の錆となる幸福を与えてやろう!!」


『っち! アーノルド・ミラージ、紅蓮の騎士か!! さがれ! ガンナーを中心に弾幕を張るんだ!!』


 アロス兵団の小隊長が言うと同時に、ガンナー部隊の量産機が撃ち抜かれた。


『なに!?』


 七百メートル離れた高台で、ナルミ小隊のスナイパーは溜息を漏らす。


「なんだか虐めみたいで気乗りしねぇな。ったく、早く降伏しろっての」


 ガンナーがやられたことを受けて、アロス兵団側のスナイパーもアーノルドを足止めさせるために引き金に触れる。だが、そのすぐそばに矢が一つ落ちて来た。


『なんだこりゃ? 弓矢?』


 矢には鈴のような物が付いており、音波を周囲に流す。

 矢を放った赤髪の弓兵は、音波センサーの反応を見てスナイパーに告げる。


「ピスケスさん、相手の狙撃手を捕捉しました。データを送ります」


「あいよ了解」


 ガンッ!! とアロス兵団のスナイパー機が一機撃ち抜かれると、それを拍子にエルフとピスケスの連携でアロス兵団の狙撃ポイントは次々と潰されていった。


『隊長! 増援部隊の居た狙撃ポイントが一つ残さず潰されました!!』


『ぬっ!? ――ここまでか。仕方あるまい。ここで使うのはもったいないが、電磁煙幕を張るぞ!』


『了解!』


 残った十六機のアロス兵団のチェイスは一斉に背中に乗せた長方形の機器の栓を抜いた。すると、その機器から緑色の煙と煌めく白銀の粉末が噴出された。


「なんだこれは? センサーが不具合を起こしている……エルフ! なんだこれは!?」


「知らない。ピスケスさん、なにかわかりますか?」


「敵の新型兵器だろう。まぁほっといていいんじゃねぇか? 逃走経路は読めている。二つある逃走経路の内、片方はナルミが、もう片方には――アイツが居る」


 アーノルド、エルフ、ピスケスの三角形から逃げたアロス兵団は森の中で出会った。黄金のチェイスに。


『右手に黒の大盾、左手に“輝光剣(きこうけん)”を持つ片手剣スタイル。そして、黄金のボディ――あれはまさか……』


 多種多様な武器を持つ黄金色の高性能型(ビショップ級)

 アロス兵団は知っている、その悪魔を。


(我々の本部を単独で撃破した、金色(こんじき)の悪魔――! カミラ・ユリハか!!!)


「降伏しろ。無意味な戦いを続けることは無いぜ」


 カミラの言う通りにアロス兵団は降伏し、戦いは終わった。

 事後処理を終え、キャンピングカーに一同が戻ると、一足早く戻っていたナルミがクラッカーを鳴らして出迎えてきた。


「お疲れ様ー! 完勝だったねー。出番無くて僕は暇だったよ」


 クラッカーの糸くずを頭に浴びたカミラは苛立ちながらナルミに言う。


「おいナルミ……俺らはアンドロマリウスの右腕を追跡するためにチームを組んだんだろ!? なんでこんな雑用ばっかやらされるんだ!」


「いやカミラ。アナタはわからないかもだけど、アロス兵団を一部隊で相手するってかなりの大事(おおごと)なんだよ?」


「あはは! だって右腕が全く動かないんだから仕方ないじゃないか。そりゃ銀腕を見つければすぐに追跡を始めるよ。――でも今はとにかく待つしかない。この間にできる限りチームのコンビネーション力を高めて、いずれ来る争奪戦に備えよう」




―――――――――――




 美術都市“アート・キングダム”。

 その端に位置する研究所で、少女は培養器の中で眠っていた。培養器の前には白衣を着た丸刈りの男が立っている。


「どうだい? ツミキ君にカミラちゃんのデータ、ちゃんとインプットできたかい?」


 培養器の中に居る少女はうっすらと瞼を開き、答える。


「はい。お父様」


「よかった。これで君は晴れてツミキ君の親友だよ、――アレン」

カミラ愛機〈アウルム〉武装内訳



内蔵バルカン砲×2……頭部左右に付いている某ロボットのお約束的武装。

エネギストβ……βは射程を表す。火薬と同時に輝光を噴射し、弾丸の速度と射程をアップさせたライフル。

ネットベストβ……投擲大盾。普段は防御に使う普通の大盾だが投げると手裏剣の如く回転し、盾の末端から輝光刃を出し、敵を切り裂く。

輝光剣×2……柄型端末から輝光で構築された光の刃を出す。刃全てが黄金の輝きを放つ輝光エネルギー。間合い自在、刃の形も自在。切れ味に特化した実体剣シージストαより斬れて、射程に特化した実体剣シージストβより射程が出て、軽さを追求した実体剣シージストγより軽い。但し高燃費で大体一分使ったらチェイスの内蔵充電器に繋いで三分待たなければいけない。

ハンドガン……奥の手。通常のハンドガンと違い赤い。

投擲槍〈ロンヒ〉……通常時は折りたたんで右脚のホルダーに装着されており、使う時はホルダーから抜いて組み立て、一本の長槍にする。近接戦闘にも使えるが本質は投擲にある。ロンヒは投擲されると刃の部分に火薬液が染み出し、対象にぶつかることで起爆する。殺傷力は高く、発展型の装甲も易々突破できる。



:戦闘スタイル:

基本はネットベストβを右手に持ち、左手に輝光剣を持つ片手剣スタイル。それから状況に合わせて武器を変えていく。近~中距離に強く、遠距離も戦えないことは無いがエネギストβだけでは心もとない。

赤いハンドガンは特別製で、カミラの心能を発揮するための仕掛けがしてある。

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