表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
“銀”の英雄  ~Revival of Andromalius~  作者: 空松蓮司@3シリーズ書籍化
第一幕 “銀”の卵

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

21/166

1-⑲ “Andromalius” その3

――『ツミキ。俺がいない間、母さんを頼むぞ』


――『ツミキ。お父さんがきっと戦争を終わらせてくれるからね』


――『俺らはここで金を溜めて、その金を使って士官学校に入るッ! そんでいつか英雄になるんだッ!』


――『嬉しい時は素直に喜べ、悲しい時は素直に泣け、そういう素直さこそ若者(きみら)の強さだ』



(父さん、任せてよ。母さんは僕が守るから)


 憎い。


(母さん、戦争は終わったよ。だからきっと、父さんもすぐに帰ってくる)


 憎い……


(カミラ。そうだよ、君なら英雄になれる。僕も最大限助けるからさ……)


 憎い――


(団長。素直さこそ強さだって言うなら、この気持ちにも素直になっていいんですよね?)



――憎い……憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎いッ!!!!!!



(駄目だ! この人はここで駆除しないと、もっと多くの人間に迷惑をかける。倒さなくてはいけない。僕の手で、僕の意思で! だから、誰でもいい……僕に力を――)


 体中が黒い霧に包まれた時、声が聞こえた。



――“望むか? 少年”



 重い、男の声。


 威圧的だがどこか心地いい。ツミキは妙な懐かしさを感じていた。



――“世界を変える力が欲しいか?”



 それが誰なのかわからない。だが、ツミキはこの謎の声に反応する。


「そんなものは――いらない」


 世界を変える力。いつかは望んだ力だ。しかし、今は必要ない。今は、もっと大切なことがある。世界よりも大切な事柄がある。


 ツミキの右目から真っ黒な血が流れる。赤い血筋が右目の瞳孔に向けて浮かび上がってくる。


 ツミキは怒りと憎悪を滲ませた声で言う。


「今はただ――」




シーザー(コイツ)をぶっ殺す力が欲しい……!!!!”




 声の主は静かにツミキの言葉を聞き届け、言い放つ。



【いいだろう。ならば呼べ、我が名を――】



 時間が元に戻る。


 シーザーは悪寒を感じ、動きを止めた。


(なんだ、このプレッシャーは!?)


 アズゥの全身から黒い霧が湧き上がる。禍々しく、狂った霧だ。その様子をサンタは遠くの一軒家の屋根の上から眺めていた。サンタは喜びを帯びた驚きの表情をしている。


「あれは……まさしく――」


 湧き上がった黒い霧はある存在を(かたど)る。


 ツミキは小さく、だけどハッキリと()の英雄の起動式()を呼ぶ。


(とも)せ。“Andromalius”」



ここでプールvsアーノルドの最後に繋がります(わかりにくくてすみません)。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ