表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
“銀”の英雄  ~Revival of Andromalius~  作者: 空松蓮司@3シリーズ書籍化
第六幕 美術都市“アート・キングダム”
150/166

6‐④ 集う精鋭達

「嘘だ……嘘だ……!」


 気づくと、ツミキは彼女を抱きしめていた。

 瞳から流れた涙が少女の頬に落ちる。少女は温かい涙を感じて、突き出そうとした手を引っ込めた。


「ずっと……あの写真が送られてからずっと、思っていた。もしかしたら君が、君が居るんじゃないかって……!」


「――君は、ツミキ?」


「当たり前じゃないか! 僕はツミキ・クライム、君の――親友だ。君は、アレン・マルシュだろう?」


「……うん。私の名前はアレン。ツミキ、ちょっと苦しいかも」


 ツミキはハッと我に帰り、顔を赤くしながらアレンから距離を取る。


「ご、ごめん! つい嬉しくって……あっはは、夢みたいだ。君が、生きてるなんて――って、アレン?」


 アレンはツミキに近づき、ツミキの胸に顔を(うず)めた。


「私も嬉しい、君に会えて」


「アレン……なんだか、雰囲気が変わったね。――無理もないか。僕も以前とは変わったから。君がどういう経緯で生き延びたにせよ、苦境の中に居たのは間違いない。アレン、本当にありがとう。生きていてくれて……」


 アレンはツミキの体温を感じて、後ろめたそうに顔をツミキから離した。


「……ねぇツミキ、積もる話もあるし――デートしよ」


「えっ!? 話があるのは僕も同じだけど、で、デートって言い方はちょっと照れくさいかな……」


「……。」


「わ、わかったよ! デートしよ、デート! ――本当に雰囲気変わったね、アレン……」





―――――――――





 アート・キングダム軍事用玄関。

 そこに一台のキャンピングカーが訪れていた。


『入場許可書確認! ナルミ・ハルトマン、ピスケス・トーエン、アーノルド・ミラージ、エルフ・エイド、フリップ・メルク、カミラ・ユリハ。以下六名の入場を許可する!』

『許可する!』


『いらっしゃいませ!』

『いらっしゃいませ!』


 人形たちに頭を下げられながらキャンピングカーはアート・キングダムへ入った。

 Tシャツを着た少女、カミラ・ユリハはポニーテールを揺らしながらソファーの上を跳ねる。


「うるさいぞ下民! なにをバタバタしている?」


「だってだって、見ろよアーノルド! 人形が喋ってるぜ! うわ、あっちにめっちゃカッコいい銅像ある! 見ろって、ほら!」


「カミラ……私たちは観光で来たわけじゃないんだから」


「エルフの言う通りだぜ。ここは義竜の領地だが、アウェーであることは間違いない。下手なことすると火傷するぞ」


「あっはっは、ピスケスもエルフちゃんもかったいね~。もっと肩の力抜いてこうよ、――フリップ君、君も一度運転は機械に預けて、こっち来て景色を眺めたらどうだい?」


 ナルミに言葉を掛けられ、キャンピングカーの運転手フリップ・メルクはめんどくさそうに返事する。


「遠慮しときます、運転席からでも景色は見えますから」


 テンションを上げながら窓に釘付けのカミラ、紅茶を嗜むアーノルド、鎮座するエルフ、運転に集中するフリップ、拳銃の手入れをするピスケス。


 それぞれ別のことをやりながら一行(いっこう)は美術の園へと右腕を追ってやってきた。


「まずどこへ向かうんだ? すぐに捜索開始とはいかねぇだろ」


「そりゃ、まずはあの人に挨拶しないとね。この都市の領主、人形師様に……」

互いのチーム戦力一覧


~盗人チーム~


ツミキ (リーダー?)

プール (戦闘員)

サンタ (軍師)

テンオウ (戦闘員)

ネット (諜報員)


~追跡チーム~


カミラ (戦闘員)

ナルミ (リーダー)

アーノルド (戦闘員)

エルフ (戦闘員&諜報員)

ピスケス (戦闘員&副リーダー)

フリップ (運転手)


~美術都市~


人形師 (リーダー)

アレン (戦闘員)

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ