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a D.<<アニマ・ドライブ>>  作者: 時田和治
日本が荒廃してから3年後
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BF8 研究員居住区

エレベーターが到着し、扉が開いた。

これもまた大型トラックが一台ごと入れる広さに、昇は中に入ってボタンを操作し目的の階へ降りていく。

「GFEDは地上1階、地下11階まで1階1階が広いから迷わないように…専用のPDがキミの部屋に用意してあるから肌身離さず持って欲しい」

「…わかったわ」

エレベーターが目的の地下6階についた。開いた扉の先に広がる光景は、再現された青空に爽やかな空気の流れ、とても地下の室内とは思えないものだった。室内というよりは一つの住宅街がそのまま入っている印象を与える。そう、部屋というよりも家を与えられているのだ。

「まぁ、及第点って所かしら。これなら最低限の設備は期待できるわね」

彼女は特に気にもせず、彼が案内するのを待っていた。


エレベータの柱を中心に同心円状に広がった町は、一軒一軒の間隔がそれこそ一軒分のゆとりがあり木々やモニュメントで仕切られている。中には時計台やちょっとした公園のような常識的な物もあるが、良く分からないオブジェや密度の濃い鬱蒼とした小さな森林と化した所もある。時折、周囲に目を配る彼女は物珍しさから歩みを若干遅くする。短くもぐるっと回って案内した。

「ここがマリさんの住む所だね。外見はともかく、内装は自由に変えられるから気にいるといいのだけど」

「そこまでは求めていないわ。今日はこれでお終いかしら?」

まじまじと邸宅を眺めていた彼女は彼の方を振り返って尋ねる。まんざらでない様子に彼は安堵して答えた。

「今日の晩、20:00時からBF6、レクレーションフロアⅡでキミの歓迎会を催すんだ。ゲスト組…いや、各国からいらっしゃった若手天才研究者同士と博士の交流の面があるからぜひ来てほしい。時間になったら迎えに行くので、その時までに決めてくれると」

「そうね。期待にそぐわないことはしないわ…案内ご苦労様。機会があればまたよろしくてよ」

「こちらこそ」

一礼してから彼女は玄関に向かった。インターホンの隣にあるパネルに手をかざし、中に入れたことを確認してからこの場を後にした。

「ベヒーモス。今日のタスクは?」

「発電ノルマがまだ残っていたかと」


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