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a D.<<アニマ・ドライブ>>  作者: 時田和治
日本が荒廃してから3年後
2/17

来訪者

国内で稼働する唯一の空港、前橋空港へ向かう途中で急にあたりが暗くなる。

彼が上空を移すモニターを確認すると、弩級(どきゅう)貨物機ホープ J-81、彼が向かいに行く彼女が乗っている飛行機がちょうど彼の上を飛んでいたのだ。


「おっ時間通り、さすがだなベヒーモス」

『現時点では褒めるのはマクスウェル財団のほうでは?マスター。先日定めましたスケジュールでは乗降口に10分後到着し、マリ様を誤差+0分でお迎えできるでしょう。』

「マスターは何もせず、私の自動運転に任せて下さい」

「ああ…頼りにするよ」


操縦をAIに任せ、自分は眼下に広がる景色を眺めた。GFED(ジェフェド)(Generation-Fuel station-Emotion-Drive)から同心円状に広がっていた街並みが前橋空港に向かっていくにつれて、整地された平原に変わっていき、最短距離でこの2点を結んだような舗装された一本道しか人工物が無くなっていった。

(唯一にして最大規模の被爆国――かつての面影が無い。いつ見ても胸が締め付けられる)

「マスター?まもなく目的地に着きます。…大丈夫ですか?」

「考え事をしていただけ。よし…着地の体勢を取ろうか」

人間用の乗降口の、降り口のから少し離れた所でホバリングして緩やかに着地する。

彼を覆っていたE.D.(エモーション・ドライブ)“ベヒーモス”を解除すると、小気味よい稼働音と共に割れるように生身の彼が表れる。頭のデバイスを除いて彼の後ろへと収まってしまった。


「さてっと」

軽く身だしなみを整えると恩人の娘を待った。事前に多少前だが写真を見ているので間違える訳ないし、こんな危ない所に普通の人が訪れるはずがない。

コツコツと乗降口を下る音がする。恩人の娘が今に来ると思うと少し緊張する。スタンバイ状態のベヒーモスに従って気持ちを落ち着かせた。

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