2━19.反撃開始
久し振りの千夜視点。
「あっぶねぇー!」
巨大兵器の中で、俺はほっと一息ついていた。
いやー。【空前絶後の生還者】と、【瀕死覚醒】が無かったら死んでたな、うん。復活したおかげかは分からないけど、左腕も元に戻っている。
「さてと、こっからどうするかな」
とりあえず、桂月に無事な事と、巨大兵器に侵入出来たことをメールで伝える。
とりあえず、重要そうな所……機械の心臓かな? そこを破壊すればこの機械も止まるだろう。
あれ? 以外と簡単じゃないか
「と、思ってたけど……」
いざ目の前にして思い出したことがある。こういうところを破壊すると、大爆発するんだよな。
うーん。こういうのに詳しければ、一部だけ壊して、機能出来なくさせることも出来るんだろうけど、俺には無理です。
「………あ! 砲台とか足を破壊すればいいんじゃないか?」
砲台を破壊すれば攻撃出来なくなるし、足を破壊すれば動けなく出来るし、王都の破壊も出来なくなるだろう。うん。我ながら、ナイスなアイデアだ。
いや、よっぽどの馬鹿じゃない限り、思いつくかな? あ、でも、あの山波とかいう奴を何とかする方が早いか………
「でも、何処にいるか分からないしな……」
よし。とりあえず、砲台と足の破壊をしていって、それに気づいて山波が妨害してくるだろうから、それで居場所を特定してなんとかしよう。
通路を上に進んでいく。
多分こっちだと思うけど━━━お?
「あそこか?」
角の向こう側に、ロボットらしき奴らが弾のようなものを、幾つもある部屋の中に運んでいく。
さて、機械系だから遠距離が多いと思うが、多分行けると思う。破壊属性は機械にかなり効くと思う。ま、とにもかくにも倒しますか
『ピピッ』
『ピポパ?』
『ピポポ!』
よし。サクサク行こう。
威圧系は効かないと思うので、素早く一撃か、いっても三撃くらいで破壊しよう。
破壊属性を纏って、一番前にいたロボットを殴り飛ばす。バラバラになりながら吹っ飛んでいった。
もろっ!?
思ったより簡単に倒せそうだな。抵抗らしき抵抗もしないロボット達を、見つけ次第破壊していく。というか、これだけやっても気づかないのか?
結構マヌケな奴らしい。
「それじゃ、いっちょ派手にいきますか」
ビンゴだったようで、大砲の弾を入れる部屋に入った俺は、破壊のために、弾ではなく拳を叩き込むことにする。
「【剛】、『爆拳』!」
拳を叩き込むと、拳を起点にして爆発が起きる。そして、それとは別の爆発が起きる。とりあえずら爆風のほうは『廻放』で無効化しておく。
爆風のこと考えてなかったな、次からはこの辺の瓦礫とか弾を使って破壊するか。
落ちていた弾を拾っておく。
『なっ!? アナタ………なんでそこに━━━』
あれかな?
声がしていた場所に瓦礫を投げつけておく、鬱陶しい声がしなくなったので、次の奴を破壊しにいく。
「【破壊撃】っと!」
【破壊撃】は武器にも適応されるらしい。
何が言いたいかというと、【投擲】スキルで投げる物は、武器として扱われるらしく、【破壊撃】も適応し、砲弾がかなりの威力を生み出す。
これ、大砲で撃ち出すより、俺が投げるほうが効果が出るな………
危険だから全部没収しますね~
『いい加減にしなさいよ貴方ぁぁぁぁ!! このままじゃ攻撃出来なくなるでしょうがぁぁぁぁ!!』
「いや、それを止めるためにやってんだよ」
『…………ですよねー』
なんだコイツ………ま、いいや。無視してどんどん破壊しよー
『ふっふっふ。残念ながら、戦闘用ロボをそちらに向かわせたした。直ぐに貴方は神殿送りです!』
あ、ほんとだなんかゴツいロボットが現れた。とりあえず、【破壊撃】を発動させた砲弾を、戦闘用ロボに投げつける。
爆発音とともに出た煙が晴れると、ぶち壊れたロボットがそこにいた。
「スクラップになったな」
『いやぁぁぁぁぁ!!? なんでそんな威力出るんですか!? 大砲で撃ち出すより、投げるほうが威力あるって、科学の否定してやがる!!』
「まぁ、ゲームだから」
『…………確かにー』
本当なんなんだコイツ。戦闘用ロボットは次々やって来るが、回収した砲弾はまだまだあるので、サクサク倒していく。
あ、レベル上がった。これでもレベル上がるのか
途中落ちてる砲弾を拾いつつ、戦闘用ロボを破壊していく。
『ぐぬぬぬ。まぁ、貴方がそうこうしている間に、王都は戦闘用ロボが破壊しますけどね………って、なんで三強いるの!?』
三強って、“黒轟”のグレイマンさん、“氷麗の騎士”ネル、“八無刀”華天の三人か? それなら、王都のほうは大丈夫だな。
おそらく全ての大砲を破壊し終わったので、大砲を破壊した場所が空いて外が見えるので、そこから外に出る。
「おぉ、やってる。やってる」
側面を破壊しながら登っていく。
さて、この巨大兵器どうするかな?
あ、見つけた。
『ちょ、ええええ!? そんなのありぃっ!?』
なんか知らんが、一番上にコクピットらしきものがあり、そこに例の三波がいた。
『くっ! こうなったら、最強のロボ行けぇぇぇぇぇぇ!!』
『ピガガ』
うわぁ。かなりゴツいのが出て来たな。
よし、出し惜しみ無しで破壊しよう。
「【竜血活性】」
身体から溢れ出す力。
さて、一撃で倒せるかな?
「【破壊撃】、『竜の爪撃』!」
『ピガグガ!?』
ロボットが驚いとる。って、ノーモーションでレーザーっぽいの撃ってくるなよ。撃ち出す所が光らなかったら、絶対に避けられなかったぞ、たく。
とりあえず、一撃じゃ倒せなかったので、破壊属性を纏わせた一撃を与えて離れ、一撃与えて離れのヒットアンドアウェイで攻めていく。
『無茶苦茶ですね、よし、自爆!』
「自爆命令出すの早すぎだろっ!!」
身体が光出したロボの後ろに周り込んで、全力で回し蹴りを放って吹っ飛ばす。飛んでいって空中で爆発した。
よし。なんとかなったな。
『うぇぇぇぇ』
「『竜の爪撃』」
【溜め】を発動させておいた左足で、『竜の爪撃』を発動させ、コクピットごと三波を消し飛ばす。
最後に「あんまりだー!」とか叫んでいたけど、因果応報、自業自得だと思う。
さて、後はこれをどうするかだな
次回は、途中から千夜視点です




