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『Freedom Frontier』  作者: 雪沢 泉
2章.“battle of the Imperial City ”
43/45

2━18.私は■■■■


桂月視点です






■王城■











キィィン、キィィンと、弾丸とクナイがぶつかって音を立てる。


向こうが連射してくるのを走って避けながら、クナイを投げつけるけれど、弾丸で撃ち落とされてしまう。



「『水遁:鉄砲水』」



私のすぐ横から水が溢れ出して、シャクナゲに向かって鉄砲水となって向かっていく。


シャクナゲは避けたけど、それは予想通り、クナイを投げつけていくが、やはり撃ち落とされてしまう。



「『風遁:鎌鼬之陣』」



着地地点を狙って、風遁を発動させる。これは、多分避けきれないハズ。



「やだわ。服が切れたらどうするの? 『ストーンウォール』」



魔法を使われて、土の壁で防御された。


むぅ。もっと威力が高いのを使うべきだった。まぁ、向こうの視界が遮られてるのをいいことに、ちょっと準備しておこう。



「さ、そろそろ行くわよ」



そんな声とともに、手榴弾のようなものが土壁の奥から飛んで来た。とりあえず距離を取っておく。


手榴弾ではなく、煙幕だった。まぁ、『極翔龍・空鏡天眼』があるから、そんなもの使われても何の問題も無いけど



「ふふふ。これで見えないでしょ? まぁ、私は問題なく見えるけどね」



この人たいしたことないのかな? もう少し疑ってもいいと思うけど……


まぁ、とにもかくにもさっさと終わらせるために、一気に仕掛けに行こう。


シャクナゲに向かって一直線に突撃していき、忍者刀を突き出す。



「っ! 見えてるの!?」


「………」



短剣でガードされた……まぁ、見えてるみたいだし当然だとは思うけど……驚き方がわざとらしい気がする。


ここは少し警戒しよう。名前と姿は知ってるけど、この人戦い方までは知らない。けど、銃での暗殺だろうから、近接戦はそこまででも━━━



「っ!?」


「あら? どうしたの?」



騙された。


奥歯に仕込んでいる薬を飲み込み、シャクナゲから………煙幕の外に出る。


これは煙幕じゃない、毒煙だ。それにしても、毒には忍関係で慣れているけど、何の毒か分からないからさっさと終わらせないと……



「ふふ。もしかして気づいた? さぁて、何の毒でしょう?」


「『火遁:火龍線』」



口から放たれた火の龍が、私が仕掛けた糸を伝って進んでいく。



「? 何をしてるの?」


「【影潜り】」



問いには答えず、スキルを発動させて安全な場所に逃げ込む。


『影分身』を使って周囲に被害が出ないような仕掛けをしておいた。倒せればいいけど、駄目だったら別の手使わなきゃ



「どうかな?」


「酷いことするわねぇ」



服が破けているけど、ダメージは受けていないみたいだ。火薬を仕掛けて、次々と爆発させたんだけど、どうやって耐えたんだろう?


仕方ない。なんとか隙を見つけて一撃入れよう。



「毒が効かないなんて、面倒な子ね」


「そうでもない」



ふむ。毒は無効化出来なかったのかな? でも、もしかしたら嘘の可能性があるから、油断せずにさっさと終わらせよう。


とりあえず、バレないように分身を生み出す。



「また何かするつもりね。でも、こっちもさっさと終わらせることにするわ」


「出来るの?」


「出来るわよ。毒での暗殺は得意なの。『ヘブンズ・スノウ』」



室内なのに、雪が降り始めた。なんか嫌な予感がする。とりあえず、火遁を使って溶かしておく。まぁ、どんどん降ってくるから、当たらないようにどんどん溶かさないとだけど



「ふふふ。正解よ、この雪は肌を溶かして対象の身体に神経や、血液、骨、とにかく人体を破壊する毒を流し込むの」


「ふーん」


「ふふふ。それとね、超強力毒爆弾をこの銃から撃たせてもらうわね。これで詰みよ」



うーん。もうちょっとかな?



「それじゃあ、始めるわよ」


「『火遁:分身大爆発』」



シャクナゲの後ろに移動させておいた分身を爆発させる。まぁ、簡単に避けられるけど、注意をそらすことは出来る。


とりあえず、銃を撃たせないようにしよう。



「『火遁:炎雷爆符』、解放」



部屋に仕掛けておいた符が、次々と爆発する。とりあえず、これで雪は殆ど吹き飛んだ。



「いい加減にしなさい!」


「忍法『空蝉』」



飛んで来た毒爆弾を利用して、カウンター技の『空蝉』を発動させる。


一瞬でシャクナゲの後方に移動した私は、首もと目掛けて『暗殺兎の死狩刀』を振るう。



「残念」


「っ!?」



脇腹に痛みを感じると思ったら、短剣で刺されていた。


ぐっ。なんだか目眩がする。これは、毒? かなり強力みたい。



「うーん。保険を幾つも用意しておいて良かったわ」


「ぐ……ぅ」


「ふふ。無駄よ、色々ブレンドさせた強力な毒だから。あ、そんな所で踞ってたら、雪が当たるわよ」



雪が肌に当たって、肌を、肉を、骨を溶かしていく。かなり痛いし、酷い姿になっている。二度と食らいたくない技。


まだかな? 後もう少し



「うふふ。これで私の勝ちね、黒薔薇(ブラック)さん」


「二つ訂正」


「? 何かしら?」



間違ったことを二つ言ったシャクナゲに、私は正しいことを言う。



「私は、黒薔薇じゃない。私は■■■■」


「?」



もう必要のない名前だけど、それでも私は■■■■だ。黒薔薇じゃない。



「それと、勝つのは私」


「往生際が悪いわねぇ、第一、そこからどうやっ━━━っ!?」



シャクナゲが喉を抑えて崩れ落ちる。


ふぅ。やっと酸素(・・)が無くなってきたかな?



「“風遁:絶空域”、指定空間から、空気を時間をかけて無くす技。貴女は、十分もせずに死ぬ」


「それは貴女もよっ!」


「これは分身」


「!? なんですって!?」


「影に潜った時に交代した、さっき仕留められなかったから、この方法を使わせてもらったの」


「く……こんなハズじゃ……」



隣の部屋から、シャクナゲが気絶したのを確認した私は、分身を出してシャクナゲの側に行かせる。無酸素状態にしたから、そのうち死ぬと思うけど、念には念をいれて



「『火遁:分身大爆発』」



よし、これで終わり。後は、部屋を元通りにしよう。巨大兵器のほうは、千夜が上手くやってくれるみたいだし。


巨大兵器のことは千夜に任せることにした私は、王族を守ることに専念することにした。






次回は久し振りの千夜です

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