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『Freedom Frontier』  作者: 雪沢 泉
2章.“battle of the Imperial City ”
35/45

2━10.襲撃者その2━━monster princess


場所が変わります、貴族街です






■貴族街■











時は戻り、中央噴水広場で《超暗黒傭兵団》が暴れ始めたのと同じくらいに、貴族街では突如として現れた多種多様なモンスターと、騎士達との戦いが起こっていた。



「くっ! こいつら何処から現れたんだ!?」


「分からんが、やるしかないだろ!」


「くそっ! 魔法兵はまだか!」



騎士達が相手をするモンスターは、先ほどもいった通り多種多様。


陸系、水中系、空中系。獣型、爬虫類型、人型だけでなく、アンデッドや、合成獣(キメラ)、スライムなどの粘性生命体、ゴーレムやコロッサスなどの無機物系等々………


騎士達は、様々なモンスター達に四苦八苦していた。



「魔法兵が来たぞ! これより攻勢に出る! 決して一人では戦うな!」



遅れてやって来た魔法兵とともに、騎士達は攻勢に出始める。


騎士と魔法兵、両者は協力し順調に魔物を倒していく。


そして、それを遥か上空から眺めているプレイヤーがいた。



「やっぱり、この程度じゃ倒されちゃうか~。それなら、もう少し強いのいくよー!」



華やかなドレスを着て、黄金の竜に乗ったプレイヤーが、指を鳴らすと周囲に歪みが現れ、そこから新たなモンスターが次々と現れだした。さらに、その真下………騎士達が戦う貴族街にも、次々とモンスターが現れ始めた。



「く! 新手か?」


「おい、あのモンスター地竜じゃないか!?」


「おいおい、空からは火竜まで………いったいどうなってるんだ!?」



新たに現れたのは、高レベルエリアに出てくるような、単体でもかなりの危険度を誇るモンスターだった。


それが、何百体と現れ始めたのだ。



「ハハハハハ、マジかよ………」


「こんなのありか?」



一体ならば、ファルノートの精鋭でもある彼らで、連携して倒すことが出来ただろう。


数の暴力というものがある。


今の状況が正にそうであろう。騎士達に襲いかかるのは、一体一体が街の一つを破壊出来る強さのモンスターである。


レベル300を超える彼らでも、この数を前にしては絶望するしかなかった。



「グラァァァァァァ!!!」


「くそっ!」



火竜がその口を開き、竜の息吹(ドラゴン・ブレス)を吐こうとしたその瞬間



「『メイルストローム・ストラスト』!」



突如現れた一人の騎士。


その突きだした剣から放たれた、荒れ狂う渦が、火竜を正面から貫き絶命させた。しかし、それだけでは騎士は止まらない。



「『レイン・アロー』!」



剣を振るうと水飛沫が周囲に散り、空中に暫く漂った水は鋭く尖って、下にいたモンスター達の身体を穿って致命傷を追わせた。


続いて、騎士達の間を颯爽と駆け抜けた、真っ赤なドレスに銀の胸鎧を来た女性が、華麗なステップとともに致命傷を追った地上のモンスターに迫り、燃え盛る両手の剣でもって、次々と屠っていく。



両者は、鎧にそれぞれ青と赤の薔薇が刻まれているという特徴があった。



赤薔薇(レッド)。そっちは終わったかな?」


「えぇ、勿論よ青薔薇(ブルー)。このワタクシの情熱的な炎に、皆、灰になったわ。ちょっと物足りないぐらい」


「あははは。それならいい知らせだよ、どうやら追加のようだ」



先ほど火竜を倒した騎士は、青い髪を一つに纏めた見た目だけなら男だが、女性のプレイヤーであり、その青い目はとても澄んでいる。


ドレスを来た騎士は、紅く長い髪はそのままに、その紅い瞳は切れ長でまるで誘惑しているような、挑発しているような感じになっている。



「青薔薇さん! 副団長! 先行するのは厳禁だってあれほどっ!」



二人を追うようにやって来た黄色い髪をツインテールにした騎士が、柳眉を逆立てて二人に迫る。


この騎士の鎧には黄色い薔薇が刻みこまれていた。


新たに来た騎士の言葉を聞き流した赤薔薇が、ビシッとポーズを決めて言い放つ。



「ワタクシのこの情熱を止められる者は誰もいないわ!」


「赤薔薇さん!」


「まぁまぁまぁ、そんな言い争ってる暇じゃないから。あ、騎士の皆さん! ここは私達《虹薔薇の騎士団》がなんとかするので、皆さんは避難誘導をお願いできますか?」


「分かりました! ここはお任せします!」



ファルノートの騎士達は、後のことを《虹薔薇の騎士団》に任せ、住人の避難誘導に向かった。


そして、そこに次々と新たな騎士達が参加していく。



超人的な運動能力を利用した機動力と、多彩な状態異常を駆使して戦う、橙薔薇(オレンジ)と呼ばれている、ペノ


風を纏い、驚異的な速度と圧倒的な手数でもって、周囲に鎌鼬を発生させながら戦う、緑薔薇(グリーン)と呼ばれている、翠火


燃え盛る剣を持って、踊るように攻撃を仕掛け、次々とモンスターを倒していくのは、赤薔薇(レッド)と呼ばれている、パシオン


上空に雷撃を放ち、空飛ぶモンスターの撃破と撃墜を次々と行うのは、黄薔薇(イエロー)と呼ばれている、沙紗(サシャ)


光魔法を駆使して、敵の撃破と仲間達の回復を行う、ふわふわの白い髪をし、鎧に白い薔薇が刻みこまれた、白薔薇(ホワイト)と呼ばれている、リリー


バフとデバフを使い、仲間達の強化とモンスター達の弱体化で、戦闘を有利に進めるのは、ピンク色のミディアムヘアーをし、鎧にピンクの薔薇が刻まれた、桃薔薇(ピンク)と呼ばれている、ノーレ


水による攻撃と防御を巧みに使い分け、敵を翻弄し、着実にモンスターの数を減らしていくのは、この騎士団のナンバー2である副団長にして、青薔薇(ブルー)と呼ばれている、アスル



彼女らは、《虹薔薇の騎士団》の幹部七人にして、七色騎士(カラーズ)と呼ばれている。


モンスター達は、七色騎士(カラーズ)によって瞬く間に倒されていく。


そして、それを上空から見ていたドレスのプレイヤーは、面白くなさそうな顔をしていた。



「あれが例の………ふふ。泣き叫んで命乞いをする姿を見て、動画にしてアップしなきゃ」



彼女はの名は、織姫。ガルガンシアに所属し、プレイヤー住人問わずちやほやされており、それに調子にのっている。そして、ファン(下僕ともいう)のプレイヤー達に協力してもらい手に入れた、大量のモンスターを利用した、物量で倒す方法で、ガルガンシアではトップの一人となっていた。



「よぉーし! さらに追加ー!」



織姫によって、さらに大量のモンスターが追加された。


さらに増えたモンスターを見て、副団長のアスルが何かに気づいたように微笑む。



「ガルガンシアで、この数というと、織姫ってプレイヤーかな? もしかして、アルティマの真似事? まぁ、彼女はもっとえげつないけどね」



誰にも聞こえないような声の大きさで呟いたアスルは、再びモンスターの群れに向かっていく


こうして、モンスターを率いた織姫と、七色騎士(カラーズ)の戦いが始まった。







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