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『Freedom Frontier』  作者: 雪沢 泉
2章.“battle of the Imperial City ”
32/45

2━7.潜むモノ






桂月からのフレンドトークを切り、地下に入る方法を考える。



……………………



地下への道を探すのは時間がかかりそうだし、ここは強行突破で行こう。


床をノックして強度を確認━━って、こんなことしなくても、壊せるか。


右手に破壊属性を纏わせて、床を殴る。



「『氣弾』!」



床は木造だったけど、その下は石で届いてなかったので、『氣弾』を放って石床も破壊して、地下に侵入する。


地下はかなり広い空洞になっており、桂月が言っていたように、うじゃうじゃとPKがいた。さて、俺は魔法系には弱いが、魔法をなんとか出来ないわけではないので、油断しなければ大丈夫だろう。



「誰だ!」



答えるのが面倒くさかったので、適当に殴って吹き飛ばしておく。



「なっ!?」


「レベル通りの強さじゃねぇ!」


「ステータス隠蔽系のスキル、もしくは称号持ちだ! 油断するな!」



さて、流石に数が多い気がするが、暫くは本気を出さずに…………あ、そういえば………


忘れていたが、先日入手したあれはこういう大人数の時に使えるんじゃないか? あ、レベルにかなりの差があるのか………



「『クリムゾン・バースト』!」


「『ライトニング・ボルト』!」



いきなりですか。


しかし、魔法使いのいる場所が分かったのは、好都合だ。魔法を打ち消しつつ、倒しますか。



「【破壊撃】、『竜の爪撃(ドラゴン・クロー)』」



三つの斬撃が魔法をかき消し、放ったほうにいたプレイヤーの殆どを倒しながら、二人? の魔法使いを斬り刻んだ。


さて、とにもかくにも、倒していきますか



「また会ったなぁ、今度は前みた━━げぶぁっ!?」


「とったぁぁぁぁぁ!!! あぶらっ!?」


「げぶほ!?」


「ひでぶ!?」



なんか意味深なこと言ってたような、言ってなかったような奴いたけど、直ぐに退場したからまぁいいか。


その後も、鎧袖一触でPK達を倒していく。



「うわぁぁぁ!?!?」


「ひぃっ!?」


「に、逃げなきゃ!」



お? これはいけるかな?


殺気とともに、【覇王圧】を発動させる。



「ひぃあっ!?」


「あぁ、ああぁぁああ」


「た、助け━━」



【覇王圧】に【威風堂々】で、広範囲にいる相手を恐怖、萎縮効果を与えた。さらに、ステータスも下げられただろう。そして━━



「━━ぇ?」


「なっ!?」


「………嘘だろ?」


「な、何が起こった? 何をしたんだ!?」



おおう。


【処刑の厳】凄いな。


残っていたPKのうちの半分が、指輪のスキルによって即死したようだ。


格上とはいえ、殆どが恐怖、萎縮状態に加え、ステータスも下がっているし、【格上殺し(ジャイアントキリング)】や、【竜帝の友】で破格である素のステータスさえ上昇しているので、後のPK達はサクサク倒すことが出来た。



「全員倒したけど、どうするか━━━ん?」



周りを見渡してみたら、どこかに続く通路を発見した。


地下は任せろと桂月に言ったし、先に進んでみますか。


警戒しつつも、通路の先へ進んで行く。一応壁にランタンみたいな物がかかっているので、明かりの心配はしなくていいようだ。



「にしても長いな━━━お」



暫く長い通路を歩いていると、前方からかなりの明かりが差し込んでいるのが見えてきた。


慎重に進み、通路の出口から先を覗いてみると



「嘘だろ………」



思わず小さく呟いてしまうほど、その先にあるものはおかしかった。


全長は30メートル━━いや、もっとあるかもしれない巨大な生き物? 機械? なんというか、巨大な亀に沢山の砲台のようなものが着いたソレは、この国(ファルノート)には不釣り合いな見た目をしていた。



「“対城塞兵器No.04 MCTメカニック・カノン・タートル”?」



鑑定結果に疑問を抱く。モンスター表記になっていないのだ。しかも、種別が生体機械となっている。後は、状態が使役と停止になっている。


確か、こんなモンスターというか、生き物というかの情報を聞いたことがあったな。


あれは━━━



「━━っ!」



嫌な予感にその場から急いで離れると、さっきまでいた場所に鉄球のようなモノが直撃した。



「おや? 外れてしまいましたか」


「任せておけと言ったのに、何をやっている?」


「いやいや、発射時の音を無音にしたうえ、無臭にして、魔力的な発動予兆まで出来る限り少なくしたんですよ? なのに回避するあっちがおかしいんです」


「どうだか」



さっき通って来た通路のほうに、白衣を着たひょろっとした男と、重厚そうでギミックがありそうな金属鎧を着た人物の、二人組がいた。


ひょろっとした男の隣に、大砲のようなものがあるので、先ほどの鉄球はあれから飛んできたのだろう。



「あれが何か知ってそうだな」



後ろの機械の亀を指差しながら言うと、ひょろっとした男が嬉しそうに説明を始めた。



「どうです? 素晴らしいでしょう! 我がクランのマスターが作りあげた、対城塞兵器の四番目なんですが、遅いかわりに物理防御と魔法防御が恐ろしく高く、砲撃の威力もかなりのものです。あれさえあれば、この王都を落とすなど造作も━━」


「喋りすぎだ、それに脅すだけだ」


「おっと、そうでした。そうでした」


「まぁいい、邪魔されないうちに排除する」



どうやら、向こうはやる気満々みたいだ━━というか、ここで俺を倒しても知らせに行かれると思ったのか、俺を死なない程度に捕まえる作戦のようだ。


まぁ、もうことの次第を桂月に説明しといたので、なんとかしてくれると思う。



「ここに来た、自分の運の悪さを呪うんだな」


「さぁ、どうだか」



とりあえず、この二人をなんとかして、あの巨大兵器を破壊出来ないか試してみますか。





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