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『Freedom Frontier』  作者: 雪沢 泉
2章.“battle of the Imperial City ”
31/45

2━6.忍ぶ者


桂月視点です






千夜とゲームデート………なのかな?


まぁ、デートだと思えばデートだから、良しとしよう。


でも、今は一緒にいない。


早く合流したいから、さっさと屋敷にいる怪しい奴をどうにかしよう。


千夜には話してないけど、『極翔龍・空鏡天眼』で見てみた結果、屋敷内には屋敷中を見回っているプレイヤーが四人、一ヶ所に二十人ほど、地下には百人(・・)ぐらいいる。



しかも、プレイヤー全員、所属がガルガンシアになっている。


まぁ、一人(・・)全然違う人いるけど



とりあえず、潜入するための準備。


人のいない場所に移動し、スキルを発動させる。



「【気配消失】、【光学迷彩】、【消臭】、【消音】、【視線拒絶】、【自動隠蔽】」



潜入は得意。


盗賊系、忍系、その他隠蔽に特化した職業についたり、隠蔽系スキルを沢山持っているので、人に気づかれずに行動するのは得意。



「【影潜り】、【影渡り】」



影に入り込むスキルと、影から影へ移動するスキルを利用して、屋敷に素早く、かつ、気づかれずに入り込む。


さて、とりあえず、一人二人始末しておこう。



「おい、もう一人はまだ出ないのか?」


「幽霊系は平気らしい」



見つけた。


素早く倒すために、先日手にいれたあの武器を使おう。



『暗殺兎の死狩刀』



私意外に認識されないこの短刀を、首、心臓なんかの弱点部員に当てることで、耐性系、無効系のスキルやら称号なんかを無視して、相手を即死できる凄い武器。


気に入ってるんだけど、他の場所に当ててもダメージを与えられないのが難点。


しかも、一日三時間を越えて使用出来ないから、ここぞって時しか使えない。



「じゃ、どうする?」


「計画はもう最終段階だから、倒してもいいんじゃないか?」


「だな、そうしよう」


「それじゃ、連絡するか」



させないよ?


後ろから片方のプレイヤーの心臓を貫き殺す。



「━━━ぁ?」


「どうし━━」



もう一人は、振り向いた所を首を撫でるように斬って殺す。


さて、見回っているのはあと二人だけど、流石に怪しまれる可能性があるから、一ヶ所に集まっている二十人のほうに行こう。



屋敷を最短ルートで、音もたてずに移動する。



ここかな? 扉を開けないように、【影潜り】と【影渡り】で中に侵入し、気づかれないように天井の隅に移動。聞き耳をたてる。



「ハハハハハ!! にしても、上手くいったなぁ、おい」


「本当だな!」


「ボス、やりましたね!」


「あぁ、帝国の連中はいけすかないが、こんなに美味しい仕事もないしな。あぁ、手を出すなよ」


「少しぐらい、いいんじゃないですかい?」


「駄目だ。連中には、手を出すなと言われてる、守らなかったら、面倒なことになりそうだろ?」



どうやら、あの巨漢の男がボスのようだ。というか、ボスって呼ばれてるし。


それにしても、PKクラン《血濡れの狩人》は、王国のクランだったハズだけど、帝国に鞍替えしたのかな? これで帝国に入れるんだから、PKにとっては最高の国なのかな?


まぁ、どうでもいいことは置いといて………



「へへへ、残念だったな王女サマ、助けは来ないみたいだぜ?」


「んーー!」


「ハハハハハ! いくら叫ぼうとしても、そんなんじゃ意味ねぇし、こんなところに助けに来る奴もいねぇからなぁ!」



部屋の男達が笑う。


この部屋には、何故かこの国(ファルノート)の第四王女がいる。


猿轡をされてるし、誘拐されたのかな?



助けよう。


千夜に事情を話す。



『ふんふん。成る程な………あ、地下にいる最高レベルのプレイヤーはどのくらいの強さだ?』


『レベル548』


『魔法系で一番レベルが高いのは?』


『403。それが?』


『じゃ、地下のほうはなんとかするよ』



なんとかって? と、聞こうと思ったらフレンドトークを切られて、次の瞬間轟音とともに屋敷が揺れた。



「な、何が起こった!?」


「襲撃かっ!?」


「ボス! 屋敷に入り込んでた奴が、床を破壊して地下に侵入しやした!」


「なにっ!?」



『極翔龍・空鏡天眼』で地下を見てみると、PKプレイヤー達をギャグマンガみたいに吹き飛ばしてる千夜が見えた。


………とりあえず、千夜のほうは大丈夫そうだけど、さっさと王女様を助けて応援に行こう。



「水、風、複合……『霧遁:濃霧吐息』」



“水遁”と“風遁”の複合である、“霧遁”を使って、口から霧を吐き出して、部屋の中を満たす。



「なんだこれは!?」


「煙幕かっ!?」



驚いてる。驚いてる。いい感じ



「忍法『霧隠れ』」



霧に紛れて、一人づつ確実に倒していく。



「━━ぁ?」


「ぐぁっ!?」


「ぁぐ━━」


「なんだ! どうした!?」



だいたい倒した所で、ボスと呼ばれた男が斧を薙いで広範囲技を出してきたので、天井を利用した三角飛びで避けつつ、忍法『影分身』で、分身をボスと呼ばれた男の前に出しておく。



「ん? 女か? なかなかやるようだが、終わりだ!」



残っていたプレイヤー達によって、“影分身”が捕らえられる。



「へへへ、ボス! こいつは好きにしていいんですよね?」


「まあまて、俺も参加する」



影分身を取り囲んで騒ぐPK達を無視して、最終準備を終わらせる。


よし



「『火遁:分身大爆発』!」



私の言葉を起点に、分身が大爆発を起こす。


ちなみに、PK達の周りに『闇遁:黒蝕結界』を張っておいたので、周囲には被害は無い。



「んー? んーー!!」



王女様の猿轡を取って、縛られていた手足もほどく。



「ぷはっ! 助かったー!!」


「ん」


「ありがとう! 私は、ファルノートの第四王女、リュエーナ=ファルノート!」


「桂月」


「そっか、じゃあ桂月! お礼をするから、私をお城までおくって!」



その前に行く所がある。


王女様を抱えて、千夜が空けた穴から地下に入り込む。


怖がるかと思ってたけど、大きな声てはしゃいでいた。



「あれ? ここどこ?」


「……さぁ?」



地下に降りたのはいいけど、千夜の姿も見えない。まぁ、探そう。


私は、王女様の手をひいて、千夜と合流するために地下を歩きだした。






次回は、千夜視点に戻ります

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