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『Freedom Frontier』  作者: 雪沢 泉
2章.“battle of the Imperial City ”
30/45

2━5.幽霊屋敷






「ここがそうか?」


「うん。そうみたい」



幽霊屋敷の調査の依頼を受けた俺達は、街の外れにある屋敷に到着した。


屋敷の外観は、そこまでぼろぼろというわけでもないが、屋根からは草が生えているし、蔦がかかってもいる。後は、蜘蛛の巣もついていたりするし、まんま廃屋……まぁ、幽霊屋敷な見た目をしていた。



それにしても、街中にもモンスターっているんだな、気を付けないと


というわけで、桂月に街中によく出るモンスターがいないか聞いてみたのだが……



「基本出ないよ」


「え? でも、幽霊は出るんだろ?」


「……あぁ。ここに出るとしても、モンスターのゴーストだとかじゃなくて、普通の幽霊だと思うよ」


「普通の幽霊って、幽霊?」


「そう」



つまり、死んだ人(この場合は住人など)の魂が、何らかの理由で未練を残したりしていると、幽霊になるらしい。この場合、【霊感】やらのスキルがないと見えないそうだ。


幽霊にも強さのようなものがあり、中にはポルターガイストを起こしたり、呪いをかけたりしてくる奴もいるらしい。ちなみに、未練の強さ……基本は憎しみとか怒りが大きいほど強いそうだ。



「倒しかたとかあるのか? やっぱりお祓いとか?」


「モンスターより楽だったり、大変だったり、めんどくさかったりする」



なんでも、未練を解消させて成仏させる方法なら誰でも出来るが、さじ加減が微妙過ぎて、この方法をやる人は少ないらしい。


続いては、普通に祓う。といっても、危険な幽霊の場合のみで、特に害のない幽霊は放置らしい。


さて



「……【霊感】スキル持ってる?」


「ないよ」


「えっ!?」


「でも、別の方法がある」



そう言うと、桂月は右耳についたヘッドホンらしきものをトントンと叩く。すると、右目の前に眼鏡のレンズのようなものが現れた。



「新しいタイプの眼鏡?」


「違う。装備品」



話を聞くと、『極翔龍・空鏡天眼』という装備らしく、望遠、透視、看破、完全視という能力が備わっているらしい。


そして、完全視で幽霊を視ることができるらしい。



「どうだ? いたか?」


「ん~?」



中に人がいるのは分かったそうだが、視れるようになるだけであり、それが幽霊なのか人なのかは、実際に見えないほうの左目で見ないといけないそうだ。


というわけで、幽霊屋敷に入ることになりました。



「中は………普通なのか?」


「微妙」



床がギシギシいうし、内部は外よりぼろぼろな気がする。


築何年なんだか


とりあえず、桂月に誘導されて進む。



「幽霊屋敷の調査って、そういえばどうすればいいんだ?」



人間が二人かな? スキルレベルが低いからまだよく分からないんだよな。とにかく、ここにいるのは幽霊でないかもしれない。



「幽霊がいるかどうかの確認だけでいいみたい」


「ふーん。あ、なんで幽霊がいるって言われてるんだったっけ?」


「変な音とかするけど、人がいた痕跡がないからだって」


「成る程」



それ幽霊じゃなくて、後ろから着いてきてる奴じゃないか? 桂月も気付いているようだが、一先ず泳がしておく。


桂月の案内で暫く進むと、何か物音というか、声が聞こえてきた。



「ん? 幽霊か?」


「………多分」



と、何故か桂月からフレンドトークがきた。聞かれたくないことがあるようだ。



『多分だけど、幽霊はいない』


『そうなのか?』


『ん。死霊術士(ネクロマンサー)かも』



死霊術士の中には、普通の幽霊に協力してもらえる奴がいるらしい。というか、桂月のフレンドに沢山の幽霊の友達がいる死霊術士がいるらしい。



『面白くて、いい人』


『男の人?』


『? 女の人』


『そっか』



良かった。


さて、それにしても幽霊のふりとは………俺達にここにいてほしくないのか?


どうやら、幽霊よりもっと厄介なのがいるようだ。


しかし、どうするかな?



『どうする桂月?』


『ん~。いったん外に出るね』


『どういうことだ?』


『私が適当な理由で屋敷から出て、気づかれないように潜入する。千夜は、適当に屋敷の中を捜索して』


『了解』



というわけで、一芝居うつための打ち合わせを少々行う。しかし、俺もそうだけど、桂月に出来るかね? ま、とにもかくにもやってみることに



「いやっ!」



桂月が突然叫んで、首を振りながらいやいや言う。しかも、涙目で


演技うまっ!?



「まぁまぁ、俺がついてるからさ」


「無理っ! 怖いもん!」



もんって………後で追及するのはやめておこう。



「けどさ、後少しだろうから」


「いやっ! もう帰る!」


「あ、おい!」



桂月が涙を流しながら、屋敷の出口に向けて走って行ってしまった。にしても、本当にうまいな。役者になれるぞ、あれ



「さて、探索を続けますか」



忍者な桂月ならうまくやるだろうし、当初の目的通り適当に探索しますかね






次回は、桂月視点の予定です

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