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『Freedom Frontier』  作者: 雪沢 泉
2章.“battle of the Imperial City ”
26/45

2━1.妹とその友達






「一つください」


「105(エラ)になります」


「はい」


「毎度ありっ!」



現在俺は、屋台で焼き鳥を売っている。


隣には、たこ焼き屋とドーナツ屋。そして、たこ焼き屋の隣に焼きそば屋。


はい、この四つが今の屋台です



「千夜くん。ボクにも一つ」


「あ、俺も」


「私もー!」


「………105Eになります」



けちーと言う屋台メンバーを無視して、金を払うまで待つ。


何故か、金額分の各屋台で売っている物を渡されたので、こちらも焼き鳥を渡す。



「かぁー! うまいわー! 千夜くん、千夜くん、そろそろボクに作り方、教えてくれてもええやろ?」


「ダメです」



隣のたこ焼き屋には、胡散臭い顔をした糸目の青年の見た目の、神坂(ミサカ)さん。ちなみに、自称大阪出身。


自称なのは、本当は大阪が好きな関東の人で、「もしかしたら訛りが間違ってるかもしれないけど、気にせんといて!」と言っていたからだ。



「くぅー! うまい! 千夜ビール!」


「ないです」



焼きそば屋台をやっている、モロコシさん。簡単に言うと、おっさん。


誰がなんと言おうと、おっさん。



「美味しいー。甘いものが一番だけど、千夜くんの焼き鳥はたこ焼き、焼きそばを凌駕するね!」


「ありがとうございます」



ドーナツ屋台を開いているのは、三つ編みにそばかす、バンダナを着けてとエプロンをしたアリーさん。


ヨーロッパ出身で、甘い物ならだいたい作れる。ドーナツ屋台だけれど、たまにチュロスやらジェラートやらが並んでいる時がある。



「ひどいわー! ボクの作ったたこ焼きなんかな! 本番でならったんやで? 焼き鳥には負けんわ!」


「俺だってなぁ!…………あ、趣味だったわ」


「趣味なんかぁーい! 知っとったけどな」



神坂さんとモロコシさんは、よくこんなやり取りをする。そして、アリーさんはそれをスルー。


道行く人たちは、またやってるよという表情。



あ、最近の日常だが、ログインして直ぐに大きな石を背負って、王都の外壁を千周する。


やり始めた当初は、プレイヤー住民とわず引かれたが、最近ではとある有名クランのクランマスターや、ムキムキ鍛冶師やら、ムキムキ武闘家やらな人達も一緒に走っている。



「塵も積もれば山となる、だ」



とか言っていた。



さて、修行したり、屋台をやったり、狩りをしたり、薬草採集をしたりしている最近だが、我が妹の茗がこのゲームに参戦したということで、王都の中央の噴水広場にいる。



霧羽と一緒に



「なんで俺も?」


「まぁまぁ、いいだろ? 今日は暇だって聞いたぞ?」


「まぁ、そうだけど………」



妹の茗は、友達三人と一緒に少し前からこのゲームをやり始め、寄り道をしていて来る予定だった日より大分過ぎて………今日、今から来るらしい。


そして、霧羽を呼んだ理由だが、澪ちゃんも茗と一緒だからだ。



「それにしても、千夜の妹か………」


「なんだ?」


「いや、なんの職業選択したのか気になってな」


「“画家”ですよ」


「うおっ!?」



突然後ろから話しかけて来たのは、ベレー帽に白と黒の可愛らしい衣装を着た、銀髪ツインテールの美少女がいた。右手にはGペン、左手にはスケッチブックを持っている。


霧羽はかなり驚いているが、俺はなんとなく気づいていたので驚いていない。


しかし、画家なんてあったか?



「ハズレ職業を選択するなんて………流石茗ちゃん?」


「ちっちっち。職業に画家があったから、漫画家になるかもと思って。後悔するより使える方法を探す!」


「だよな」


「何そのトンでも理論……」



霧羽が戦慄しているが、そんなことをしている暇はないぞ、茗の友達は濃い人物が多い。


ほら、来たぞ。



「遅れて申し訳ありません」



丁寧に腰を折って謝る艶やかな黒髪ロングに、十二単のような着物を着ているのは、おそらく澪ちゃんだろう。周りの男達の目線を独占している。



「フフフフフフ」



そして、澪ちゃんとは違う意味で目立ってる人が……


含み笑いを続けるフード付き黒マントで、フードを目深に被って顔が見えないのは、引きこもりの(スイ)ちゃんだろう。人に話しかけられたくないからといって、その不審者まがいの格好はどうなのか………




「千夜さん! 千夜さん! そのカッコいいコートもっとよく見せてください! とっても、とっても、興味深いです!」



ちっちゃな身体に、純白のワンピースを着てぴょんぴょん跳び跳ねているのは、小学生によく間違えられる(クウ)ちゃんだろう。ちなみに、裁縫が得意で、衣装をよく作っている。何の衣装かは察してくれ。



「よし! それじゃあ、自己紹介だね! 私はメイリ!」


「シンリです」


「フフフフフフ………ニコ………」


「あっ! チーネです!」



茗は、メイリ。澪ちゃんは、シンリ。翠ちゃんは、ニコ。宮ちゃんは、チーネ。



「ふっふっふ。この四人で、この世界に二次元の素晴らしさを伝えるのだ!」


「頑張りましょう!」


「フフフフフフ………そろそろこもれるところ行かない?(震え声)」


「このコートどこで手にいれたんですか?」



なんというか、相変わらずのメンバーだな。しかし、一部だけだったのは良かった。妹の濃い友達はもっといる。全員来たら、かなりカオスなことになっていただろう。


とりあえず、その場の全員でフレンド登録を済ませ、本日は解散。また機会があれば一緒にクエスト行ったりしよう。ということになった。


そういえば、画家ってどうやって戦うんだ?






初期職業の中には、ネタ職業っぽいのもあります。いずれ化けますけどね

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