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『Freedom Frontier』  作者: 雪沢 泉
1章.“死狩兎の踊る森”
13/45

1━8.ウサギノ狩リ






ユニーク個体と呼ばれるモンスター達がいる。



それは単体であり、集団であり、大きいモノ、小さいモノ、空を飛ぶモノ、地を潜るモノ、海を泳ぐモノ


見た目は普通のモンスターと変わりなかったり、能力値がレベルより低いものがいるが、総じて共通している部分がある。



唯一無二の能力



似通った能力を持っているモノもいるが、だいたいは他のユニーク個体とは別の特別な能力を持っている。



そんなユニーク個体の出現場所だが、色々ある


出現地域が一ヶ所なモノ、決まった所を周回するモノ、神出鬼没で出現場所が決まっていないモノ等々


今回“ガナ森林”に出現したのは、神出鬼没のユニーク個体である。



さらに、ユニーク個体には推奨レベルというものがあり、その推奨レベルと同等のプレイヤーが戦える強さに設定されている。



そして、今回“ガナ森林”に出現したのは、推奨レベル780が一体。



そして━━











『襲撃兎はアナタの後ろ♪ 今日も首を狩り取った』



とある吟遊詩人の歌の一節である。



「キュイ!」


「━━ぁ?」



その兎は、森の中を縦横無尽に駆けていた、獲物を見つけては、その背後に移動して、頭部を蹴りで吹き飛ばし倒していた。



「キュイ!」


「ッ!? 何処行っ━━ぁ」



次々と、エモノの首を狩っていく黒兎。


その名は



【襲撃近衛兎 ヴォーパル・アセイラント】



対象に気づかれる(・・・・・)ことなく、対象の首を狩りとる皇帝の近衛兵。


そう、対象から気づかれることはないのだ。



「くそっ! なんで【気配察知】に反応がないんだよ!」


「キュイ!」


「うわぁーーー!?」



襲撃の近衛兎は、止まることなく首を狩っていく、首を狩る相手がいなくなるまで━━











『追跡兎をアナタは見れない♪ 今日も身体を消し飛ばした』



とある吟遊詩人の歌の一節である。



「はぁ、はぁ、なんなんだよアレ!」


「知るか! 兎に角逃げろ!」



“ガナ森林”の一角、この周辺にいるプレイヤー達は、あるモノに追われていた。


その全てのプレイヤーが、乾いた音の後に身体に軽い衝撃を受けて、追われることになった。



「!」


「!?!?」


「!!」


「♪!」



プレイヤー達を追うのは、黒い兎の耳と足を生やした、真っ黒な卵だ。


その卵が沢山、沢山、プレイヤー達を追っている。そして、その卵は━━



「なっ!?」


「前からっ!」



プレイヤーに当たると、大爆発を起こし、頭部だけを残して後は消し飛ばした。


これをなすのは、一匹の兎。


プレイヤー達の見えない場所に隠れて、凶悪な追跡爆弾を生み出していく。


その名は



【追跡近衛兎 ヴォーパル・チェイサー】



ターゲットが消えるまで追い続ける爆弾を製造する、皇帝の近衛兵。



「うわぁ!?」


「く、来るなー!」



追跡の近衛兎は、止まることなく爆弾を作り続ける、追うものがいなくなるまで━━











『叛逆兎はアナタの正面♪ 抗い逆らい生き続ける』



とある吟遊詩人の歌の一節である。



「『メガ・スラッシュ』!」


「バカやめ!」


「キュイ!」


「━━ぁ!?」


「━━ぁ」



剣士の男の渾身の一撃を、首につけたマントで受け止めた黒い兎は、そのままマントを振るう。すると、マントから莫大なエネルギーの塊が放たれ、剣士の男と、一緒にいた聖騎士の男を消し飛ばした。



「キュイ………」



我が物顔で歩く黒い兎。


先ほどから一切攻撃することはなく、相手の攻撃を待ち、攻撃してきたところに反撃の一撃を食らわせたり、魔法を跳ね返したりして戦っている。


物理、魔法、ありとあらゆる攻撃を弾き返すマントを持ったその兎の名は



【叛逆近衛兎 ヴォーパル・リべリオン】



皇帝に従わず、ただついていって敵と戦い、己の攻撃の正しさを証明しようとする近衛兵。


止まることはしない。自分が満足するまで











『最後の兎は闇の中♪ 皇帝の影で笑ってる』



とある吟遊詩人の歌の一節であり、神出鬼没の死狩帝兎の最後の近衛兵の、正体を暗示した歌である。


そう、未だに最後の近衛兎だけは、誰も見たことがないのだった。






という訳で、近衛兎の紹介話でした

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