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『Freedom Frontier』  作者: 雪沢 泉
1章.“死狩兎の踊る森”
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1━5.依頼






黄昏の灰トワイライト・アッシュ》のクランハウスから出て、いざ王都の散策です。


ちなみに、オリハルコン含む鉱石を《黄昏の灰》にいくつか売った。


グレイマンさんがめっちゃ喜んでたな。


ヨーロッパ風の町並みを見ながら、旅行気分で歩いていく。


しかしプレイヤーよ、この町並みでたこ焼きと焼きそばを隣り合わせて売るのは止めろ。なんというか、凄くミスマッチです。



「いやまぁ、美味いんだけどさ……」



たこ焼き屋台の人に尋ねた所、屋台は結構簡単に出せるらしい。詳しくは、商業ギルドに行けばいいと親切に教えてくれた、関西弁で


屋台か………出してみようかな? 焼き鳥なら結構自信がある。


うーん。一通り見て回ったが、次はどうしようかな? よし、冒険者ギルドになんか面白い依頼があるか見に行こう。



「あの! 組んでください!」


「悪いけど、スライムはちょっと」


「あ、すみません」



冒険者ギルドに入ると、上のようなやり取りがあった。


見た感じ、初心者かな?


スライムを肩に乗せた少年が、周りのプレイヤーにパーティーの申請を頼み込んでいる。


ああいうのもあるんだな。



「ええっと、なんかないかな~」



とりあえずスルーする。知らない人に強さを知られたら面倒だからだ。


という訳で、暫くはソロプレイでいくつもりです。


さーてと、なんか良さげな依頼は~お?



「これいいんじゃないか?」



手に取ったのは、薬草採取の依頼だ。町の薬屋からの依頼のようで、詳細はお店のほうでと書いてある。


とりあえず、メニューの依頼に添付してあった地図を頼りに、表通りから少し外れた道を歩いていく。


えーと、リコノス薬店は………と、お、あった。あった。



「お姉ちゃん待ってよ!」


「もう! 冒険者ギルドになんて依頼したら、ギルドから優先して貰ってるアイツらにもっと嫌み言われるでしょ! 今から取り消してきて、そのまま私が取りに行くから!」


「駄目だよ! あの辺は最近怖いモンスターが出るって噂があるし……きっと誰か受けてくれるよ」


「誰かって誰よ! 依頼料は割りにあってるんでしょうね?」


「そ、それは……」


「あってないんでしょ? そんな依頼受ける奴いるわけないじゃない!」



あ、依頼料見とくの忘れてた。見てみると、確かに他の薬草採取の依頼よりは安い気がする。まぁ、困ってるみたいだし、金は鉱石を適正価格で買ってくれたおかげで潤沢なので、気にしなくていいだろう。



「いちゃ悪いのか?」


「「え?」」


「リコノス薬店はここだよな? 依頼を受けに来た」



依頼書をヒラヒラさせながら言う。


話を聞くからと、店の奥に案内された。



「で、受けてくれるって、本当なの?」



茶髪のツインテールの勝ち気そうな住人の少女……名前はシェリーというらしいが、疑っているのか尋ねてきた。



「あぁ、そう言ってるだろ」


「どうぞ」


「ありがとう」



シェリーの妹で、ポニーテールのシュシュがお茶を持ってきてくれた。一口飲んでみると、紅茶にちかいかな? しかし、なんか他のお茶を混ぜたような………なんだろこれ? まぁ、美味しいのでいいとしよう。



「で、あの依頼料で受けてくれるの?」


「いいぞ。金が目的じゃないからな」



欲しいのは、薬草の知識です。後、他のこのゲーム特有のアイテムの情報とか……一々鑑定をかけるのもね、分からないのあるし



「ま、信じるわ。それで、探してきて欲しい薬草なんだけど━━」



提示されたのは、4つの薬草。


カヒリ草、マナ草、ユヤノ草、胡蝶花


以上の4つだ。いずれも、西門の先にある“ガナ森林”にあるという。



「よし、それじゃあ行ってくる。薬草はここに持ってくればいいんだな?」


「そう。宜しくね」


「おう」


「あ、あの!」


「ん?」


「“ガナ森林”に最近怖いモンスターが出るそうなので、気をつけてください」


「分かった」



忠告してくれたシュシュに礼を言って、店から出て西門に向かう。


西門から出ると、目の前には暫く丈の低い草が生えた大地が続き、途中から広葉樹の木が生えた森林になっている。


“ガナ森林”


ここファルノートのプレイヤーが所属した後、だいたいは、ここと俺が前に通った北の草原でレベル上げをする。


それと、今回頼まれたような薬草が沢山生えているらしい。



「さてと、立ち止まってても仕方ないし、行きますか」



そうして、俺は薬草を求めて森の中に入ろうとすると……



「千夜!」


「ん? 霧羽? 他の皆もどうしたんだ?」


「報告も終わったので、もう一度レイカさんのレベル上げに……でも、さっきの場所はあれなので、ここに来たんですよ」


「成る程」



確かに、PKに襲われたフィールドでまたレベル上げは微妙だな



「ところで~、千夜くんはなんでここに~?」


「薬草採りだ」


「あんた調薬もやるの?」


「いや、依頼」


「ギルドのか、まぁ、頑張れよ」


「おう」


「頑張ってくださいね」


「ありがとな」



目的が違うので、霧羽達とは別れて森の中を進んでいく。


さてと、薬草探して頑張りますか





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