優雅なる猫の日々、
初老の男と愛猫レオ君の日常的、冒険、ファンタジー、色々な物語集です。
瀬戸内の夜海
船のエンジンが止まった・・・・・
私は久しぶりに愛猫のレオ君と航海に出る
愛艇はベイライナー2556改、船は古いが私は気に入っている
今日の瀬戸内の夜は満天の星空だ
街の灯りが段々と小さくなってゆく・・・・・
私はギャレーの小さな冷蔵庫から缶ビールを握りタラップを上がりコマンドブリッジに座りビールをゴクゴクと喉に流し込む、初夏の潮風かビールも塩辛く感じる
そう言えば・・・スマホ、車に忘れた・・・
レオ君は隣に座り伸び伸びしている、レオ君はコマンドブリッジの少し高い位置から見える景色が好きなようだ
私はそれを見て微笑む。
遠くなる街の灯りを見ながらふと昔を想い出す
過ぎ去りし青春の日々、
今は亡き友との思い出、
そして、愛していた女たち、
・・・・・結局、彼女は私に真実を言わず国家間の陰謀に巻き込まれロシアで死んだ・・・・
・・・今の私には関係ない話しだ・・・
そんな事より明日のライジンの試合結果のほうが気掛かりだ。
あれから何時間たったろうか・・・・
レオ君が夜空に向かい鳴いている
その鳴き声が夜の渚の海に透けていく・・・
私はエンジンルームで手も顔も黒い油まみれだ・・・エンジンは動かない・・・
・・・・そう、いわゆる、私は、遭難していた・・・・・・
皆様、読んで下さりありがとうございます。