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オークさんの姫になりました

 オークさん達を治療した後。


 今あたしはオークさん達に崇められている。

 様々な馬車や家から奪ったであろう、盗品だらけの豪華な部屋の中で。

 謎の石像も置いてある。

 どこかで見たことあると思ったら・・・第二王子の像だった。

 こんなものどうするのかな?


「姫様。取立ての宝石です」

「姫様。こちらは今朝狩ったばかりの獲物です」


 オークがあたしの前で頭を下げ、物を差し出す。

 先程からオーク達に貢がれている。

 多くの者を回復魔法で救ったためか、救世主扱いされている。

 宝石 (多分盗品)や生肉 (狩ったばかりの何かの肉)を、あたしの前にある大きな皿に載せられる。

 一応、そこが献上台ということになっている。

 因みに、あたしの部屋は「姫の間」 と呼ばれている。



 あたしはチョコンとソファに座って訪問者の相手をする。

 既に何人ものオークさんがあたしの元を訪れた。

 同じようなやり取りを繰り返す。


「ありがとうございます。

 このような物、あたしには勿体無いぐらいですわ。

 宝石については後でじっくり見させていただきます。

 宝石の様にあなたは素晴らしい瞳をしていますね。

 生肉は食べられませんので、申し訳ないのですがお引取りを。

 ですが、この肉をとった狩りの腕前は素晴らしいのではないでしょうか」


 宝石を持ってきたオークは喜び歓喜に震える。

 生肉を持ってきたオークは落ち込む。


 彼らが部屋を出て行く時に、開いたドアから外を見ると・・・ 

 何人もの献上者が並んでいた。

 ざっと10人以上はいた。


 皆、毛並みを意識したり、身支度を整えているようだった。

 まるで謁見会場だ。


 はぁー。

 ふぅー。

 まだまだ物を献上させられるのかもしれないなぁー。

 それに必ず何か一つ見つけて褒めないといけない。


 献上者を仕切っているオークがいるのだけど、彼からお願いされたんだ。

 どこでもいいから、一つ褒めほしいと。

 彼らにはそれが重要だと。


 あたしにはオークの区別すらつかないのに・・・

 もぅーかなり無謀。

 でもなんとかひねり出して、被らないように褒めるようにした。

 後でオーク達の間で・・・

 「えっ、俺もそれ言われた」「俺も俺も」「じゃあ、嘘だったのか・・・」ってなると可哀相だもん。


 しかし・・・今日はもう無理そうね。

 回復治療もしたことだし。

 疲れちゃった。

 もぅ・・・クタクタだよ・・・あたし。

 今日は頑張ったかな。



 仕切り役&世話役のオークに告げる。


「少し疲れましたわ。横になりますので、下がってくださるようにお願いします」

「はっ、分かりました姫様。そのように取り計らいますじゃ」


 彼は扉の外に出て行くと。

 扉の向こうから声が聞こえてくる。



『姫様はお休みになられる。今日はさっさと去れ。面会は終了じゃ』


『ちぇっ』

『俺も姫様から御言葉を貰いたかったぜ』

『生肉もってきたのに。新鮮さが命なのにな』

『俺も生肉だ』

『俺もだ』

『俺も俺も』

『やっぱり献上品は生肉に限るな』


『文句を言わずにさっさとさらんかっ!』


『オークじいが吠えてるるから帰ろうぜ』

『だな』

『生肉を食べるか。日持ちしないし』

『だな』




 不平を言いながらも去っていったオーク達。

 足音が遠ざかっていくのが聞こえる。


 

 ふぅー。 

 やれやれかな。

 姫様というのは、中々大変なのかも。

 貢がれるのも楽ではありません。

 生肉をたくさん持ち込まれたから・・・血の匂いがするしね。

 オークさんは生肉好きなのでしょうか・・・


 しかーし。

 思ったよりも良い生活をできているなぁーあたし。

 一時は陵辱腹ボテエンドが頭をよぎったけど、上手く順応できたみたい。

 

 本当によかった。

 それにこのベッドもどっから盗ってきたのかわからないけど。

 ふわふわで寝心地は良いんだもん。 

 オークの洞窟にあるものが、実家のベッドより高級なのはどうなんだろう・・・

 それって喜ぶことなのかな・・・

 

 まぁ、今日は寝ましょうか。

 疲れました。

 健康に睡眠は必須なのです。

 

 では、お休みなさいませ。


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