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事件の匂い

 王都の公園。

 その中にある林の中に入っていく・・・


「フラーフラー、そっちフラー」


 花ちゃんのナビゲーションで進んでいく。

 王都の中にある公園なのに。

 中々本格的な林。

 少し奥に入ると、通路からは見えなくなっている。


「フラーフラー、匂いが強くなってきたフラ」


 あたしは先に進んでいくと。

 あっ。

 何かあった。

 少し開けた場所に・・・小さな花壇?

 石垣で覆われた花壇を発見。

 中では奇麗な青い花がたくさん咲いている。


 うわぁ~。

 奇麗~。

 素敵っ!

 林の中に現れたオアシス。

 あたしが花に近づこうとすると。


「フラッ、危険フラ、これは毒薬フラよー!」

「え!?」


 思わず。

 ザっと手を引っ込める。

 ふぅー危なかった。

 まさかねー。

 毒薬ときたもんよ。

 奇麗なものには毒があると聞くけど・・・

 もう少しで大変なことになっていたのかもしれない。


「花ちゃん、毒薬って本当?こんなに奇麗な花なのに?」

「本当フラ。かなりの猛毒フラよー」


 そうなんだー。

 でも不思議。

 王都の公園に毒薬が生えているなんて。


「自然には生えない花フラ。きっと、誰かが植えて育てているフラよ」


 な、本当っ?

 こんな所で毒薬を育てているなんて・・・

 でも、逆に盲点なのかもしれない。

 ここには誰もこないだろうし。

 まさか、こんな所で毒薬を育てているなんて思わないだろうから。

  

「皆に知らせた方が良いかしれないね」

「そうフラー」


 あたしはこの場を離れようとしたが。

 その前に。

 毒薬を放置しておくのは良くないだろう。

 誰かが知らずに触れて大変な事になるかもしれないから。


 あたしは魔力込めて、光魔法を行使する。

 サクッ サクッ パーン

 過剰に生命力を増大させる事によって。

 毒草を爆発させた。

 

 よーし。

 これでよし。

 毒草は木っ端微塵になった。


「花ちゃん、これで毒の脅威はない?」

「大丈夫フラ、ここまで粉々になれば、効果はないフラ」

 

 よかった。

 後はホテルには帰って皆に知らせるだけ。


「じゃあ、花ちゃん。戻ろうか」

「フラ~」


 あたしは花ちゃんと、その場を後にしようとした所。





 スタスタ スタスタ

 こちらに向って歩いてくる足音。

 誰かがここに向っている。


 まっ、まずい。

 誰か来たみたい。

 こんなところにまっすぐ来る人・・・

 多分、この花壇に関係ある人だ。

 きっと、よくない人だと思う。


「花ちゃん、隠れよ」

「フラ、フラ」


 あたしはざっと素早く動き。

 木の陰に隠れた。





 すると。

 男の人が二人。

 花壇に到着する。

 粉々に砕け散った青い花を見て呆然としている。


「なぁ・・・・なんてこった。折角ここまで育てたのに・・・」

「なんでこんなことに・・・」


 ポカーンとしている。

 ぼーっと花壇を見ている。

 暫く固まったまま動かない。


「まずいな・・・・納品まじかだぞ」

「取引が無効になっちまうなー」


「それより誰だ。こんなことした奴は。まさか騎士団か冒険者ギルドにでも見つかったのか?」

「分からない。今のところそんな報告はないはずだ」


「とりあえず、無事な花が探そう」

「だな」


 二人の男は花壇を捜索するが・・・


「一本もないな。内部から爆発しているようだ」

「ということは・・・魔法使いの仕業か」

「だろうな・・・」

「っち、ここはダメだな。他の所も見て回ろう。もしかしたらここと同じになっているかもしれない」

「だな」


 男二人は花壇から立ち去った。

 あたしはヒヤヒヤだった。

 見つかるんじゃないかとドキドキした。

 どう見てもあの二人。

 悪い人みたいだったから。

 騎士団や冒険者ギルドから隠れがたっているようだし。


「フラ、まだ毒薬がありそうフラねー。二人を追うフラ?」


 うーん。

 迷うところ。

 二人を追って、全ての場所を把握した方が良いと思うけど。

 ちょっと危ないかもしれない。

 でも・・・ 

 あたしも勇者パーティーの一員。

 お花屋さんの一件も解決できたんだから。

 多分、大丈夫かな。


「うん。花ちゃん、二人を追うね」

「フラ、二人の匂いは覚えたフラ。かなりの距離を離れても大丈夫フラよ」


 よかった。

 これで尾行も上手く行きそう。

 尾行なんてしたことなかったらから。

 ちょっと不安だったのだ。


「ありがとね、花ちゃん」

「フラ~フラ~」


 あたしと花ちゃんは、毒薬を育てている二人組みを追うことにした。

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