初クエスト
受付のお姉さんの前に向かい。
「ギルドカードお願いします」
「は、はい・・・」
さっきの騒動を見ていたためか。
お姉さんはちょっと緊張しているみたい。
「こちらに必要事項の記入をお願いします。登録費は5ゴールドです」
あたしは書類はさっと書き。
アイテムボックスからお金を取り出して渡す。
因みに、そこそこお金は持っている。
オークの巣から失敬してきたのだ。
姫様生活をしていたお部屋 (多分、オークの宝物庫)にはいくらかのお金もあったから。
ささっといれておいた。
「ではっ、こちらがギルドカードです。
クエストをこなしていくと階級が上がっていきます。
それから~」
お姉さんの説明をきいた。
要約するとこんな感じ。
・冒険者はクエストを受ける事が出来る。
・クエストをこなすとお金や褒章が貰える。
・新人冒険者はF級から始まり、クエストをこなしていくと、
F→E→D→C→B→A→S級と階級が上がっていく。
・各階級の昇級条件は異なっている。
・降格条件もある。クエストの失敗回数などが条件
・カードをなくすと再発行に10Gかかる。
・犯罪行為にかかわると、冒険者登録が抹消される等々
中々細かいルールがあるみたい。
お姉さんが一つ一つ説明してくれた。
あたしが小さな女の子だからかもしれない。
「ではっ、頑張ってくださいね」
「はいっ」
あたしは受付を離れた。
後ろで暇そうに待っていたバッカスがある場所を指差す。
「マリア、さっそくクエストを受けてみなよ。ほら、あの板にはってあるから」
「そうですね」
あたしは板の前に移動し、F級でも受けられそうなクエストを探す。
えっと・・・
今あるのは・・・
薬草集めと、スライム狩りかな。
スラちゃん師匠のこともあるから。
あたしは薬草集めのクエストを受ける事にした。
紙をもって再び受付のお姉さん元に行く。
「薬草集め、お願いします」
「わかりました。ではっ、薬草がとれましたら、こちらにどうぞ」
「はいっ」
「よしっ。じゃあいくか。薬草なら近くにあるだろ。直ぐに終わる」
『そうスラ~スラが見つけるスラ~』
あたしは冒険者ギルドを出た。
初クエストに向って歩みだす。
バッカスとスラちゃんについて行ったのは。
王都近くの森。
ここに薬草があるとスラちゃん情報だ。
『スラ~スラ~こっちスラよ~』
透明化を解除し、ピョンピョン跳ね回るスラちゃん。
元気一杯だ。
野生の空気が心地よいのかもしれない。
暫く進むと・・・
あっ。
あったー。
薬草を発見。
「これだよねー」
『そうスラ~』
「あぁ、間違いない」
薬草を摘む。
緑の葉っぱが柔らかい。
太陽にかざしても、新鮮なのが分かる。
アイテムボックスにしまう。
クエストで必要な薬草は10個。
残りは後9個。
この調子で見つけよ。
ここまではスラちゃんに案内してもらったけど。
残りは自分の力で。
「スラちゃん。ここからは自分で探してみるね」
『スラ~いいすら?スラならすぐ見つけられるスラよ』
「ううん。いいの。自分でやってみるから」
「さすがマリア。でも、1個君のためにとってきたから、これどうぞ」
バッカスがいつのまにか薬草をもっていた。
いつのまに・・・
「ありがとう」
あたしは薬草を受け取ってアイテムボックスにしまう。
残りは8個。
薬草探しを始めよう。
【薬草探し中】
木の根元に3つ。
川の傍で3つ。
草原で2つ見つけた。
これでクエスト条件の10個達成。
「やったなーマリア」
『スラ~マリアは見つけるの上手いスラ~』
「そんなことないよ。偶々だよ」
うん。
偶々。
森の中を歩いていると上手く見つけられた。
多分、こっちの方にあるかなーって思ったところにあっただけ。
運がよかったのかもしれない。
「それじゃ。ギルドに提出しにいくね」
「だな」
『そうスラね』
あたし達は冒険者ギルドに戻り、薬草を提出した。
「確認しました。クエスト達成です。こちらは褒賞になります」
あたしは少しのお金を貰った。
初めての報酬だ。
嬉しくなっちゃう。
「クエスト達成を続ければ、階級もあがりますので頑張ってください」
「はいっ」
説明では、F級→E級にあがるにはクエストを20個達成する必要があるとのことだった。
少しづつコツコツやっていこうかな。
あたし達は冒険者ギルドを後にした。