ショッピング帰宅
洋服屋を出あたし達は、王都の公園に寄ることにした。
噴水広場の近くで、チョコンと腰を下ろす。
「ほらっ。ホットドッグ」
「ありがとう」
あたしはバッカスが出店で買ってきてくれたホットドッグを食べる。
パクパク
うーん。
中々美味しいなー。
パンと野菜が絶妙にマッチしている。
天気も良いしー。
良い日だなー。
ニコニコだ。
バッカスも笑顔だし。
『スラも日向ぼっこスラー』
スラちゃんもどこにいるか分からないけど。
近くでお休み中みたい。
日光に当たりながら休憩中~。
ピヨピヨと鳥の声が聞こえると思ったら。
あっ。
頭の上の木に鳥の巣を発見。
雛たちがピーチクパーチク頭を揺らしている。
かわいいなー。
ユサユサ頭だけ小刻みに動かしている。
でも・・・
ちょっと可笑しいかも。
なんだかとっても叫んでいる。
どうしたんだろう・・・
雛たちの視線の先を見てみると・・・
あっ。
なんてことっ!
一匹の雛が地面に落ちていた。
チョコチョコと木を上ろうとしているけど・・・上手くいっていないみたい。
コテッと木の幹にぶつかって逆さまにひっくり返っている。
すぐに助けなきゃ。
「ほら、雛ちゃん。よーしよーし」
あたしは雛を手で掬う。
小さな鳥足が手の中でバタバタステップを踏む。
「落ち着いて、雛ちゃん。あたしは味方だからね」
「くぅ~くぅ~」
雛ちゃんはかわいらしい顔であたしを数秒見た後。
あたしの手の中でまったり腰をおろす。
どうやら意図が通じたみたい。
そして・・・
背伸びをして、雛ちゃんを木の上の巣にもどしてやろうとするけど・・・
くぅ・・・背が足りない。
背伸びをしても全然無理・・・
つま先立ちしてもちょぴっとしか伸びない。
はるか先の鳥の巣。
うぐぅううううう・・・
あたしって小さい。
子供になったことが悔やまれる。
「おやおや、マリア。ちょっとまってな」
んん?
後ろからバッカスの声。
振り返ろうとしたら。
「きゃっ」
うわっ。
ふわっと持ち上げられた。
バッカスがあたしの腰をもって頭上に掲げてくれた。
ビックリしたけど・・・
目の前には雛ちゃんたち。
これで鳥の巣に近づけた。
あたしは雛ちゃんを巣に返すと、雛たちの鳴き声は止まった。
ふぅー。
よかった。
雛たちは安心したみたい。
雛ちゃんたちは落ちた雛をつついている。
きっと心配していたんだと思う。
『ご主人しゃまは優しいスラねー』
「マリアはよく気が効くね」
「大したことじゃないわ。誰だって同じ事をしたと思うわ」
そう・・・
当然の事をしたまでだから。
何か特別なことをしたわけじゃないの。
雛鳥が困っていたから助けただけ。
「ささっ。もうそろそろ移動しましょうか。十分休憩はすんだのだから」
「そうだな。そうしよう」
『スラスラー』
あたし達は公園を後にした。
◇
宿に戻ると・・・
あたしは滝の傍の椅子に座った。
スラちゃんとバッカスには、先に部屋に戻ってもらった。
少し一人になりたかったから。
パクパク。
水面ではお魚さんが口をパクパクと開けている。
あたしは売店で買ってきた木の実をなげる。
ヒョイ
パクッ
お魚さんが木の実をホクホク顔で食べる。
だいぶエサやりが上手くなったと思う。
絶対安静生活中は、基本最上階しか移動できなかった。
常にスラちゃんとバッカスにガードされていた。
でもっ。
時々この滝傍にきていた。
椅子に座り、滝をまじかで眺めながら気分を癒していたの。
ヒョイ
エサをポイっと投げると。
お魚さんがパクッとほうばる。
口をパクパク動かして、「もっとくれー」「もっとくれー」と催促してくる。
食いしん坊なお魚さんだ。
ヒョイ ヒョイ
あたしは続いてポイポイ投げる。
パクッ パクッ
パクパク食べるお魚さん。
あっ。
気づくとエサがなくなっていた。
エサ袋が空になった。
今日はこの変にしておこうかな。
十分にリラックスできたから。
滝を見ながら、無心でエサやりをしていると心が落ち着くの。
あたしは階段を上って部屋に戻ることにした。
部屋に戻ると。
ベッドで休憩~。
ゴロゴロする。
歩き回って疲れちゃった。
天使の羽衣のような布団に包まれていると・・・癒される。
今日買った服を着てみようかと思ったけど。
やっぱりやめた。
アイテムボックス入っているからいつでもいいかな。
今はゴロンしたい気分。
スースー。
あたしは気づくと寝ていた。
zzzzzzzz
zzzzzzzz
zzzzzzzz