絶対安静生活~魔力制御特訓
どうも、勇者パーティーのマリアです。
一部の人からは、「掃除屋のマリア」と呼ばれています。
そんなあたしは現在は絶対安静生活中。
ベッドの上で日がなゴロンゴロンしています。
最近になって手は動かせるようになったので食事は自分でとれます。
ほんのちょっとなら散歩も出来ます。
でも、直ぐに体が痛むのでササっとベッドに戻る生活です。
ベッドの上で。
右にゴロンゴロン。
左にゴロンゴロン。
ゴロンゴロンしています。
あたし・・・本当にお豚さんになっちゃうかも・・・
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「ご主人しゃま、魔法の特訓するスラ」
ベッドで寝ていると。
スラちゃんが布団の上でピョコピョコ跳ねていた。
「特訓?」
「そうスラよ~。ご主人しゃまならできるスラ。魔力は回復してるよ」
体に魔力を通すと・・・
あっ。
確かに。
戻っているみたい。
魔力を感じる・・・
しかも・・・ちょっとこれ・・・増えてる?
魔力量が上がっている気がするんだけど。
あたしの気のせい?
「スラちゃん。あたしの魔力量あがってない?」
「スラッ。本来の力をちょっとづつ発揮しだしただけスラよ。
ご主人しゃまの本当の姿の何十分の一スラ」
確か前にも言ってたっけ。
あたしの力は何かにふさがれていて上手く出ていないって。
なら、あたしの本当の魔力って・・・
想像が付かないなー。
ちょっと怖いぐらい。
「ご主人しゃま。光魔法の特訓をするスラ。
まずはこんな風に、光の弾を10個ぐらいだすスラ」
スラちゃんの周りに浮かぶ光の弾。
全部が同じ大きさで・・・
なんだろう・・・とってもキレイ。
見てるだけで楽しい。
だめだめ・・・
見とれている場合じゃなかった。
今は魔力特訓中なんだから。
しゃきっとしないと。
あたしもスラちゃんをマネて光の弾を出す。
頭の中にある魔法式を思い出し、周囲に浮かべる。
今までは5個しかできなかったはずだけど・・・
なんだか倍の数でもできる気がする。
よーし。
10個に挑戦してみよ。
「これで・・・どうかな?」
恐る恐るスラちゃんに聞くと。
「さすがご主人しゃま。大丈夫でスラ」
よかった~。
なんだか倍の数の光の球を出せるようになったみたい。
スラちゃんの影響かも。
まずは第一関門突破。
いきなり「ダメ」って一刀両断されたら心が折れちゃうところだった。
「次は、こうするスラ。一つ一つの光の弾を、まったく別の動きをさせるスラ」
スラちゃんはとっても簡単そうに行う。
でも、これはかなり難しい訓練だったはず。
他の人がやっているところをみたことあるけど・・・
10個操っている人はいなかった。
細かい魔法コントロールには適正がいるの。
あたしは集中して、光の弾を一個一個動かしていく。
一つ一つ動かして、10個まで動かす。
頭の中で魔法式を読み込み、しっかりと動かす。
ど、どうだろう・・・
上手く出来てるかな?
ちゃんとできてるかな?
「スラッ、惜しいスラ。
6個は上手く動いてるスラけど、4つが同じ動きをしてるよ」
やっぱりな・・・
中々難しいー。
すぐに出来るわけもないか。
でも、頑張らないと。
どんな人でも最初は出来ないんだから。
うーん。
むーん。
うーん。
むーん。
集中して光の弾を動かす。
「ご主人しゃま。コツはあまり頭を使わないことスラ。
動かしている感覚で覚えてしまった方が楽スラよ。
数が増えるに連れて、一個一個計算していたら間に合わないスラ」
スラちゃんの言葉を胸に、意識を集中させる。
感覚・・・
感覚ね・・・
頭で考えずに。
魔法式を感覚でとらえる。
「そうスラッ。頭の中をマス目の様に分割し、一つの穴に一つのイメージをいれていくスラ」
マス目。
とりあえず5x5で25個用意。
その穴に一つ一つの光の弾の魔法式をいれていく。
いいえ、違うわ。
魔法式ではなくイメージ、感覚をいれないと。
頭がこんがらがってきちゃう。
「スラ~スラ~。ご主人しゃま。その調子スラよ~」
あたしは頭の中にマス目に一つづ感覚を流し込む。
1・・・2・・・3。
4・・・5・・・6。
ここまでは上手くっていると思う。
続きをこの調子で。
集中してゆっくりと。
7・・・8・・・9。
あと一つ。
一つのマスに魔法式を入れるだけ。
それで終わり。
・・・10。
やったー。
できた。
できたよ。
あたしやったよ。
「さすがご主人しゃまスラ。コツを掴むのが上手いスラ」
「違うよ。スラちゃんの教え方がうまいんだよ」
「スラッ~。謙遜するご主人しゃまスラ。
では、さっそく次ぎスラ。数を倍の20にするスラよ」
えっ・・・
いきなりそんな数。
一個一個増やしていく方がいいんじゃないかな。
あたしは地道派なのに。
「スラちゃん、さすがに上げすぎじゃない」
「ご主人しゃまの実力なら、十分達成可能スラよ」
そうかな~。
でもやってみよう。
頑張って実力つけなくちゃ。
勇者パーティーの皆に追いつけるぐらい。
あたしはスラちゃんと魔法特訓に励んだ。