第三王女様と謁見
お城の人に案内され。
あたし達は王城の一室に通される。
部屋の奥には・・・
豪華な椅子に第三王女、アイリス様が座っている。
最後に会ったのは・・・
あたしに赤ワインをかけた舞踏会。
あたし達は第三王女様に一定距離まで近づき。
ひざまづいて頭を下げる。
「よくお越しくださりました。勇者パーティーの皆様」
「ははっ。お招きいただきありがとうございます」
メギドが代表して答える。
第三王女様はあたし達を見回し・・・
あたしで視線を止める。
「おやっ」といった顔だ。
だが、直ぐに表所を消して
「皆様のご活躍は常々伺っています。
我が王国のために常に尽くしてくださり・・・」
勇者パーティーへの感謝の言葉を述べる。
型どおりの祝辞みたい。
それが終わると・・・
「皆様に一つ質問があるのですが、宜しいでしょうか?」
「はいっ。なんなりと」
第三王女はあたしを見つめる。
「スカーフを被っています、彼女?は誰でしょうか?」
「はい。彼女は最近私達の仲間になった魔法使いの少女になります。
不吉といわれます赤髪のため、姿を隠させていただいております」
「まぁ、そうですか」
メギドの答えに・・・
第三王女様は考えるそぶりを見せる。
「彼女の名はなんというのですか?」
「赤髪の光姫と呼んでおります」
「光姫・・・ですか・・とすると、光属性魔法を使うのでしょうね?」
「はい」
「うんうん」と頷く第三王女様。
彼女は椅子から立ち上がり・・・歩き出す。
皆の前を横切り・・・
一番端っこにいるあたしの前で止まる。
不安に思ったのか。
メギドが・・・
「どうされたのですか?第三王女様」
「いえっ。少々少女に興味がありまして。お顔を拝見したいのです」
「しかし・・・王族の方に赤髪をお見せするのは・・・」
「大丈夫ですわ。私は気にしませんことよ」
メギドから視線をあたしに戻す第三王女様。
あたしはドキドキしっぱなしだ。
心臓が爆発しそうなぐらい高鳴っている。
だって目と鼻の先に・・・
あたしを魔物で襲った第三王女様がいるんだもん。
ドッキドキだよー。
「光姫さん。かわいいお顔を見せてくださる」
王女の声が響く。
でも・・・
大丈夫。
顔を見られてもあたしだってバレルことはないはず。
うんうん。
そうだよー。
絶対に大丈夫なはず。
ミハエルにだってばれなかったんだから。
第三王女様がきづくはずがない。
「分かりました」
あたしは、自分でスカーフを持ち上げ。
第三王女様と対面する。
彼女はあたしの顔を見てから・・・
「まぁっ!本当に髪が赤いのですね」
「・・・はい」
第三王女はあたしをじっくりと見た後。
「あなた、お名前はなんていうのかしら?」
「・・・赤髪の光姫です」
「そちらではなく・・・本当の名前の方ですわ」
「・・・マリアです」
「そうですか。マリア・・・ですか・・・行方不明になった聖女様と同じ名前ですのね」
「・・・はい」
彼女はニタっと笑い。
満足したようにあたしを見てから。
「もう結構ですよ。スカーフを下ろしになっても」
「はい」
あたしはスカーフを下ろし。
第三王女様は自分の椅子に戻っていく。
「勇者パーティーの皆様。お目見えできて嬉しく思います。
ではっ、王城の滞在を楽しんでください」
「「「「ははっ」」」」
あたし達は無事に第三王女との面会を終えた。
ふぅー。
はぁー。
なんとか無事に済んだみたい。
良かった。
多分、第三王女様には多分あたしの正体はばれてないんじゃないかな。
もし、ばれていたら色々大変なことになっていたと思うし。
ドキドキしたけど。
あたしはほっとした。
短編投稿しました。
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タイトル:「なろうテンプレが滅びる日」
なろうテンプレが、「小説化になろう」から消えるまでの日々。未来予想です。
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