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TALE4:ランディ、ケンカを売る

「さっ、海でとことん泳ぐわよっ!」

 張りきってルヴィアは街道を行く。

 ランディの頭には構図ができあがっていた。海=水着=ビキニ。ルヴィアのビキニ姿が見られる!

 興奮して顔がニヤけた。

 まさかルヴィアが地味と言っちゃ失礼だが無難なワンピース水着を着る訳がない。絶対ビキニ、しかもきわどいビキニと決めつけたランディは妄想で顔がデレデレだ。だってルヴィアの水着姿なんて、もうどれくらい見ていないだろうか。海に誘ってもいつも断られていたし。

 そんなランディの妄想など知らずルヴィアは鼻歌まじりに軽快に歩く。

 すると通りすがりの男の子がルヴィア達に気づき駆け寄ってきた。

「ねぇねぇおねーちゃん!」

「ん? なーに?」

 ルヴィアが男の子に顔を向ける。

 子供がナンパか? と顔をしかめるランディ。んなアホな。

「おねーちゃん、この前火をゴーッと出してたでしょ?」

「ああ、精霊術のコトね」

「あれかっこよかったー! ボクもやってみたいんだ! 教えてー?」

「えッ」

 それを聞いたルヴィアは困り顔になる。

「うーん、ちょっとムリかしら。魔法ってゆーのはね、ダレでも使えるワケじゃないのよ」

「えー、じゃあどんなやつなら使えるのさ」

 男の子が尋ねるとルヴィアは得意気に腰に手を当て胸を張る。

「しかたないわね、セツメーしてあげるわ。耳の穴かっぽじってよく聞きなさいよ」

「う、うん」

「あのね、魔法ってゆーのは妖精族のエルフと、その血ィ引くアイルーン・キングダムのプリンセスしか使えないのよ。たしかそーだったわよね?」

 レーシアに顔を向ける。

「え、ええ。そのとおりよ。よく知っていたわね」


 『魔法』と一言でいっても種類は4つある。

 邪悪な『魔力』で扱う『魔術』。神聖な『法力』で扱う『法術』。中間的な『魔法力』で扱う『精霊術』、『妖精術』だ。『精霊術』はその名のとおり精霊に力を借り主に攻撃、『妖精術』は妖精に力を借り援助を目的とする。『魔術』は呪詛じゅそや洗脳、『法術』は回復や防御を目的とする。


「やーねェバカにしないでよ。とにかくそーゆーワケなの。わかった?」

 ルヴィアが男の子に向き直った。

「よくわかんないけど、ボクじゃダメなんだ」

「そーゆーコト。ちなみにエルフから受け継いだのは魔法だけじゃないわ」

「えっ!? なに!?」

「このゼッセーのビボーよ」

 薔薇の花びらを散らして色っぽい流し目を送るルヴィアに男の子はポッと顔を赤らめる。

 そんなルヴィアにランディとレーシアは冷や汗を垂らす。

「この人間離れしたビボーで男どもはみーんなあたしのトリコよ。あたしってツミな女ねぇ……」

 ふぅとため息をつきルヴィアのナルシストが発揮された。

「おねーちゃん! おねーちゃん!!」

 いまだに自己陶酔に浸っているルヴィアに男の子が声をかけた。

 ルヴィアは邪魔しないでよ、と言いたげな目つきで男の子を見る。

「なによ」

「マホー使ってみせてよ。もう1回見てみたいんだ!」

「えー、んー。でもヒツヨーないのに使うワケにいかないしー。こまったわね……」

 その時ルヴィア達の横を猛ダッシュで通り過ぎる男がいた。

「ダメなのー?」

 悲しそうに言う男の子。

「誰か――。その男を捕まえて――。ひったくりよ――」

 遠くから女の声が聞こえランディとレーシアは振り向く。

「ひったくりだってッ!?」

「大変!」

 ルヴィアは小さくなっていく男の後ろ姿を睨んでいた。

「アイツね……。そーだわっ! あんたよく見てなさいっ! もっかい精霊術見せてあげるっ!」

 ウィンクすると男の子は喜ぶ。

「やったー!」

 ルヴィアは右手を頭上にかざす。

『燃え盛る炎の精霊よ…我が意の全てを焼き尽くせ』

 体が淡く輝き瞳は淡く輝きながらルビーレッドに染まる。

 髪はうねり手の平に炎がゴォッと燃え上がった。

「わあー! すごーい!」

 男の子が嬉しそうな表情でルヴィアを見つめた。

「『ファイア・ブレイズ』ッ!!」

 ルヴィアが炎を地面に投げつけた。

 『ファイア・フレイム』より明るい閃光のような火炎がもの凄い速さで帯状に地面を走りだす。


「ん? 何だ?」

 走っている男が背後から迫ってくる火炎音に肩越しに振り返る。

「ウワァァー!!!」

 悲鳴も空しく火炎に飲み込まれ黒コゲになった男は倒れていた。



「本当にどうもありがとうございました」

 バッグを取り戻した女性がルヴィア達に深々とお辞儀をする。

「少なくて申し訳ありませんが、どうかお礼を……」

 女性がルヴィアにお金を差し出す。

「いーのよ、これからは気おつけなさいよ」

「は、はい! ありがとうございました」



 ルヴィア達は精霊術『レビテイト』で空から海へ向かう。例のごとくルヴィアはランディの片腕を掴みながらだ。

 蒼碧あおみどり色に広がる美しい海を眺めたルヴィアは感激の声を上げる。

「きゃーっ!! 見て見てっ!! 海よっ!! キレイねーっ!!」

「今さらはしゃぐなよ。海なら何度も見てるだろうが」

 ぶら下がっているランディが呆れて言うとルヴィアの額に青筋がピキッと立つ。

「きゃっほぉ――ッ!!!」

「ドワァァ――ッッ!!!」

 突然ルヴィアがビーチに向かって猛スピードでスッ飛ばした。

 ビーチの寸前で止まりランディを振り落として着地する。

「うっぷッ」

 顔からビーチに突っ込むランディ。その様子に周囲の人々は驚きギョッとする。

 ルヴィアは波打ち際まで走りだしレーシアはランディの側に着地する。

「ランディさん、大丈夫ですか!?」

「あ、うん……」

 顔が今度は砂まみれだ。

 ランディが顔の砂を払っているとルヴィアは戻った。

「いつもはキャッスル所有のダーレもいないビーチだけど、こーゆー人のタクサンいるビーチもにぎやかでいーわね」

「あのなァルヴィア、どうせなら最後までちゃんと面倒みてくれよッ!!」

「ウッサイッッ!!!」

 牙をクワッと剥き出したルヴィアがランディに一喝した。

「さーてと、泳ぎましょーか?」

「ええ、行ってらっしゃい」

 レーシアがそう言うとルヴィアは目を丸くする。

「えっ!? あんた泳がないのっ!?」

「私はいいわ。お姉さまとランディさんで泳いできて」

 何故レーシアがそんな事を言うのかルヴィアは解らない。

「どーして? あんた泳ぐの好きじゃない。ウキワつきだけどさ。あたしが誘うといつもすぐオッケーすんのに」

「そういえば、ルヴィアはレーシアちゃんと2人でよく泳ぎに行ってたよな。僕をのけ者にして」

 過去を思い出したランディが不満そうに言った。

「アンタはジャマだからね」

 ルヴィアが冷たく言い放ちランディはムッとする。

「ねーレーシア泳ぎましょーよ」

「私、今日はそういう気分じゃないから」

「どーしてェー? あっ、もしかしてアレ?」

 唐突なルヴィアの発言にレーシアの顔は赤くなる。

「ち、違うわよ」

「えっ? あれって?」

「アンタにカンケーないのよッ!!」

「なんだよその言い方」

 再びランディがムッとした。

「私は本当にいいから。2人で泳いできて」

 なんて言うレーシアの断る理由がルヴィアは解った気がした。

「ねーレーシア、あたしとふたりならオッケーなのにィ、ランディがいるとなんでヤなのォー?」

 ルヴィアが意地悪く言うとレーシアはビックリして再び顔が赤くなる。

「えっ、僕がいるとレーシアちゃん嫌なの?」

「そ、そういうわけじゃないです……」

 赤い顔を見られないように伏せて言った。

「あらちがうの? だったらいーじゃない」

「でも、なんだか気分がよくなくて……」

 今度は仮病を使った。

「…………」

 冷や汗を垂らしたルヴィアはしらけていたがランディは本気にした。

「気分がよくない? 大丈夫? レーシアちゃん」

「はい……」

「もーいーわ。好きにしなさいよ。あたし泳ぐから」

 振り返りビーチを歩きだすルヴィアにランディは慌てる。

「えっ、おいっ! 待てよっ!!」

「ランディさんも泳いできたらどうですか? 私はここにいますから」

「うーん……。でもレーシアちゃんが気分悪いのにほっとけないよ。それにナンパ男が寄ってきたら、な?」

「ランディさん……」

 ランディの心優しい言葉に嬉しくなり頬をポッと赤らめるレーシアだった。



 次々と目をハートにする男共。その視線の先にはビキニ姿の美女。勿論ルヴィアだ。

 ランディの妄想どおりのきわどいラインのビキニ。

 そのまぶしいビキニ姿に中には鼻血を垂らす間抜けな男もいる。絶世の美女が1人、しかもセクシーなビキニ姿となれば男共が放っておくはずがない。


「そこの彼女めっちゃイケてるねー! 1人!? 俺らと一緒に泳がない!?」

 早速3人の海パン姿の若い男がデレデレした顔で声をかけルヴィアはイヤーな顔をする。

「来たわね」

 3人に囲まれウンザリしてため息をつく。

「もーちょーうっとーしーったらありゃしないわ。ランディがいれば、あんなヤツでもチョットは役に立つのかしら」

「おいおいシカトかよぉ」

「ジャマよッ!! さっさとどかないとブッ飛ばすわよッ!!」

 ルヴィアがキッと睨みつけると1人はビビッた。

「おー怖ぇー」

「ハハハ、そんなつれなくしないでよぉ。ここで会えたのも何かの縁だしー」

「ウッサイわねッ!! このあたしがアンタ達みたいなカス相手にすると思ってんのッ!!?」

 それを聞いた3人はムッとする。

「なッ! カスだって!?」

「かわいい顔して言ってくれるな」



「レーシアちゃん、気分はどう?」

 ビーチから離れた日陰で座っているランディがレーシアを見て言った。

「あ、はい。だいぶよくなりました。すいません、心配していただいて」

「本当に大丈夫?」

「はい」

「そうか。じゃあルヴィアを捜しに行ってもいいかな?」

「はい、そうですね」

 2人は立ち上がった。



「ここでヤッてやろうか!!」

「なッ! なんですってッ!?」

 男の発言にルヴィアがビックリした。

「おい」

「オーケー」

 2人がルヴィアの腕をそれぞれ掴む。

「チョット!!」

 ルヴィアをビーチに押し倒す。

「キャッ!!」

 もう1人はルヴィアの上に四つんばいになる。

「ナニすんのよーッッ!!!」

「しっかり押さえてろよ」

「いいけどちゃんと回せよな」

「俺も」

「わーってるよ」



 ルヴィアを捜してビーチを歩くランディとレーシアは遠目にしゃがみ込んだ3人の男に気づく。



「それじゃいいことしようか」

 ニヤけた男がルヴィアに迫った。

「こんなコトしてタダじゃすまないわよッ!!」

 額に青筋を立てたルヴィアが睨みつける。

「金取る気かよ。でも俺金ないんだよね。残念でしたぁー」

「そーゆーイミじゃないわよバカッッ!!!」

「ルヴィアッ!?」

「!?」

 聞こえた声に3人が振り向く。そこに血相を変えたランディとレーシアが居た。

「ランディッ!?」

 怒りでランディは体を震わせる。

「お、おまえら僕のルヴィアに何してるんだ。ルヴィアを押し倒していいのは僕だけだぞッ!!」

「ナニ言ってんのよバカッ!!」

 ルヴィアが声を上げた。

「なんだテメエは」

 四つんばいの男が言う。

「僕はルヴィアのフィアンセだ」

「はあ? ビーチでそんなもん着こんじまってよぉ、頭おかしいんじゃねぇの?」

 3人がランディを馬鹿にしてあざ笑った。

「この野郎〜〜」

「やんのかテメエ」

「とにかくルヴィアを離せッ!!」

「テメエよぉ、すでに女連れてるだろうが。だったらほっといてくれねぇかなぁ」

 1人がそう言うとランディはムカッとして額に青筋が立つ。

「ふざけるなッッ!!! 僕の女はルヴィアだけだッ!!」

「だったらそのはいらねぇの?」

 男の発言にレーシアはビクッとすくむ。

「お、おまえらレーシアちゃんまで」

 怒りが募り体をワナワナと震わせて男を睨みつけるランディ。

「『ファイア・フレイム』ッ!!」

 突然ルヴィアの右腕を押さえ付けていた男が炎に包まれた。

「ウギャアアッ!!!」

 火ダルマになりのたうち回る。

「なんだ!!?」

 他2人が驚愕した。

 起き上がったルヴィアは拳を握る。

 ルヴィア・パンチで四つんばいになっていた男を殴り飛ばした。

「ねーチョットォ、さっきからあたし目立ってないわよー? 忘れられちゃこまんのよねェ。あたしがヒロインなんだからっ♪」

 立ち上がりルヴィアが可愛くウィンクした。

「ルヴィアッ!!」

「お姉さま!」

「ルヴィア素敵だぁ〜〜」

 期待どおりのビキニ姿に見惚れたランディが目をハートにしてルヴィアの腰に抱き付いた。

「キャア――ッッ!!! ナニすんのよヘンタ――イッッ!!!」

 ルヴィア・パンチをランディのあごに繰り出しブッ飛ばした。

 ランディは目をハートにしたまま吹っ飛んでいった。と思ったらダッシュで戻ってきた。

「ルヴィア大丈夫だったかっ!? 何もされなかったかっ!?」

「トーゼンでしょ」

 ルヴィアがそう言うとランディはホッとする。

「よかった。ごめん、1人にさせたりして。ルヴィアがナンパ男に絡まれるなんてもう冗談じゃない。これからは2度と離れたりしないよっ」

 ルヴィアを抱きしめハートを飛び散らしつつ怪しい手つきで腰を撫で回した。ルヴィアの額に青筋がピキッと立つ。

「チョット!! アンタが1番キケンなのよッ!!」

 ランディの頬を顔が歪むくらい思いっきりつねった。

「ヒデデデッ!!」

 ランディの目に涙が溢れた。

「あーあ、こんなコトしてないで泳ぎに行こっと」

 馬鹿馬鹿しくなったルヴィアは手を離した。

「じゃーレーシア行ってくるわ。さっきみたいなヤツらにはジューブン気ィつけんのよ」

「え、ええ」

「ちょっと待てよ」

 ランディが片手で頬をさすりながら海に向かおうとしたルヴィアを引き止めた。

「その前にやっておきたいことがあるんだ」

「なによ?」

 ルヴィアが振り向くとランディはナンパ男3人に目を向けていた。その表情はルヴィアに頬をつねられ半泣き状態とは違い真剣だった。

 2人によって男の炎は消されたようだ。

 ランディは3人に歩み寄る。

「おい」

「あ!?」

 振り返った男の胸ぐらをランディは掴む。

「僕のルヴィアによくもあんな真似をしてくれたな」

 なんとランディが男の頬を殴った。

「ぐはッ!」

 男がよろめいた。それを見たルヴィアとレーシアはランディが男を殴った事に愕然とする。

「テメエ、何しやがる!!」

 もう1人がランディに飛びかかり押し倒した。

 ランディにまたがりマウントポジションの体勢を取る。

「ランディッ!!」

「ランディさん!!」

 ルヴィアとレーシアが思わず叫ぶ。

「男を押し倒すのは趣味じゃねぇけど、あいつが殴られて黙ってるわけにゃいかねぇな」

 そう言い両拳でランディの頬を代わる代わる容赦なく殴り始めた。

「キャア――!!! ランディさん!!」

 両手で顔を覆い叫ぶレーシア。

「こらランディッ!! やられっぱなしじゃないのッ!! 情けなさすぎるわよッ!!」

「お姉さま!! ランディさんはこういう事に慣れていないのよ!! 助けて!!」

「ナニ言ってんのッ!! これは男同士の戦いよッ!!」

「助けて!! ランディさんが死んじゃう!!」

 涙目で訴えるレーシアにルヴィアはシブシブ承諾する。

「しかたないわねェー。ジブンからケンカ売っといてやられてんだからあきれちゃうわ」

 ため息をついた。

 ランディを殴り続けている男に歩み寄る。

「邪魔する気か?」

 殴られた男がルヴィアの前に立ちはだかった。

 男をキッと睨みつけルヴィア・キックを男の腹に食らわせた。

「ぐおッ!!」

 男は吹っ飛び倒れ、とうとうノックアウト。

「きゃあすごーい!!」

「いいぞー!! もっとサービスしてくれー!!」

 またもやルヴィア達の周囲には、たまたま海に来ていた野次馬が集まっていた。3人はどこに居ても注目の的だ。男共はルヴィアのセクシーなビキニ姿に目をハートにして釘付けだ。

「アンタッ! いーカゲンにしなさいよ」

 いまだにランディを殴り続けている男の背中をルヴィアが蹴りつけた。

「ッテ! 何しやがる!」

 男が振り向きルヴィアを睨む。

「残りはアンタだけよ」

「何!? ああ!!」

 立ち上がり倒れている仲間に愕然とした。

「お、おまえ女のくせによくも!!」

「女だからナニッ!!? そんなコト言ってあまく見てるとこーなんのよッ!!」

 ルヴィア・パンチを男のあごに繰り出した。

 男は吹っ飛び宙を舞い頭から崩れ落ちた。

「おととい来なさいっての」

 ルヴィアがそう言うと野次馬から拍手が沸き起こる。

 周囲を見回し笑顔でVサインをするルヴィア。

 レーシアはホッと胸を撫で下ろしランディに駆け寄る。

「ランディさん、大丈夫ですか!? しっかりしてください!」

「だ、大丈夫……。このくらい、いつもルヴィアで慣れてるよ」

 両頬が赤く腫れ上がったランディが情けなさそうに笑いながら起き上がった。

 ルヴィアはランディの側にしゃがみ込む。

「あーあ……。ルヴィアにかっこいいところを見せようと思ったのに、結局やられちゃったよ」

「ナニ言ってんだか。アンタがカッコイイとこ見せよーなんてムリな話ね。でもアイツらのひとりに殴りかかったのにはビックリしたわ。ん?」

 何やら一点を見つめているランディにルヴィアが気づいた。

 ランディの視線を辿ってみると、なんとそこはルヴィアの胸の谷間だった。

 ルヴィアの額に青筋がピキピキッと幾つも立つ。

「ランディ〜〜!!! アンタってヤツはいつもいつもッ!!!」

 目くじらを立ててランディにまたがり胸ぐらを掴むと拳で往復ビンタらしからぬ往復殴りを始めた。それを見たレーシアは両頬を押さえる。

「キャ――!!! お姉さまやめて――!!!」


 その様子を野次馬は冷や汗を垂らして見ていたのだった。チャンチャン♪



【TALE4:END】

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