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EPISODE13 ラッシュアワー

ドレイクシティ地下鉄を走る一両の電車。


ラッシュアワーのこの時間帯、車内は通勤に向かうワーカーたちでいっぱいだ。


そんな中、本を読んでいる女性がいた。


アマンダ・ジェンキンスだ。


久々にとった休暇を利用し、ショッピングに出かけているところだった。


ジェンキンスが本を読みながら、自らの世界に浸っていると、キョロキョロと周りを見渡す不審な男がふと目についた。


どうやら気分が悪いのか、口に手を当てている。


ジェンキンスは立ち上がって、男に近づき、尋ねた。


「大丈夫ですか?」


「あぁ、ええ... 気にしないでください...」


男はそう言って、ジェンキンスから離れた。


しかし、次の瞬間。


男はバッグに入っていたマスクを着け、サブマシンガンを発砲。


乗客たちはパニックに。


男のマスクは、この前のテロリストが装着していたマスクと同じ物だった。


ラフィングマンは、乗客たちに警告するのだった。


「皆さん、私は救世主です。あなた方を極楽の地へ誘いましょう。」


奴は模倣犯なのか、それとも...


ジェンキンスは、ズボンの裾に手を伸ばし、拳銃を抜き、ラフィングマンに向けた。


「そこまでよ! じきに警察が来るわ!」


「おや?あなたはアマンダ・ジェンキンス刑事ではありませんか? こんな場所でお会いできるとは... 何か運を感じますね...」


ラフィングマンが言いかけたその時。


ジェンキンスは背後から何者かに殴られ、気を失った。


一方、地下鉄の終着駅には、市警が集まっていた。ロドリゲス警部が、ミラーや部下たちに状況を聞く。


「乗客は何名だ?」


「120名です。しかし... ジェンキンスもあの中に...」


「何?彼女も乗っている...? 」


そんな時、ロドリゲス警部の携帯電話が鳴った。


「もしもし...?」


「ロドリゲス警部... 後数分でチェックメイトですよ...」


「何者だ貴様は。」


「おやおや、ご存知ありませんか? ラフィングマンですよ。」


「ラフィングマン... この前のテロリストか!?」


「その通り。こちらでジェンキンス刑事を預かっておりますが。我々のゲームに勝つことができれば解放しましょう。ルールは簡単。余計な手を出さないこと。あなた方の待っている終着駅に到着するまでね。もし、それに違反した場合、この車両を爆破します。」


「我々が貴様らのルールに従えばジェンキンスや乗客を解放するんだな? 望みはそれだけか?」


「おっと、必須条件を忘れていました。ファルコンマンを連れて来てください。この電車が彼の死に場所です。」


「ほう... 随分余裕があるようだな。貴様のようなボンクラに彼が負けるとは思えんが。」


「おやおや、警部。さすが彼の理解者だけあって言うことが違いますね。」


「貴様が彼を始末する未来など無い。」


「楽しみにしておきましょうか。」


ラフィングマンは電話を切った。


ロドリゲス警部はミラーに尋ねる。


「ノーラン産業への連絡は?」


「地上で待機している模様です。」


一方、車内では縛られたジェンキンスがラフィングマンに問いただしていた。


「あなたのようなテロリストが何を考えているかなんて見当がつくわ。」


「おやおや、ジェンキンス刑事。不利な状況でも気だけは強いようですね?」


「数時間後にはあなたたちが警察に逮捕される姿が想像つくし... それに...」


「それに?」


「どうやら勝負はついたみたいだしね...」


ジェンキンスは背後を向くようにラフィングマンに合図した。


振り向くラフィングマンの先には、ファルコンマンが立っていた。


「いつの間に...?」


驚きを隠しきれないラフィングマンに対し、ファルコンマンは冷静に説明する。


「残念だったな。ラフィングマン。お前は俺を待っていたようだが、実際は違う。

俺がお前を待っていたんだ。」


「しかし... 地上で待機しているのは...」


「あの中には俺は最初からいなかったのさ。お前がこの車両に乗る前から待ち伏せしていたからな。どうした、前の奴よりもオツムが足りないようだが? 」


「おのれ... ファルコンマンを射殺しろ!」


ラフィングマンは部下に発砲を命じるが、エレクトリックショットで動きを封じられる。


ジェンキンスがラフィングマンに銃口を向け、警告する。


「動かないで!」


しかし、ラフィングマンは隠し持っていたナイフで切りつけようと襲いかかる。


それに対し発砲するジェンキンス。


銃弾は脚を貫通し、ラフィングマンは苦しむ。


「どうやら、私の考えは浅かったようですね...」


電車の窓から身を投げようとするラフィングマン。


ファルコンマンは間一髪でラフィングマンの腕を掴む。


それに対しラフィングマンは不気味な笑い声をあげながら言った。


「フフフ... 所詮あなたに殺人などできやしない。だが、それは単なる気休めだ...」


ラフィングマンは自分から手を離し、身を投げた。


顔を見合わせるファルコンマンとジェンキンス。


電車は無事に停止、ファルコンマンとしての変身を解いたトビアスは警察の調査が入る地下鉄前でロドリゲス警部と話していた。


「奴は全く謎だった... 最後に意味深なことも...」


「結局奴は顔を出さずか... まだ捜査する必要があるな。 おっ、そうそう、君が活躍すればまた新たな事件が増えたよ。 FBIが捜査中の密輸船だ。ドレイクを中心に運航しているとの噂だ。」


「密輸船か... なんとも違法なヤツだな。わかった。調べておこう。」


トビアスはロドリゲス警部から書類を受け取ると、夜になろうとする街を歩いて行った。




NEXT EPISODE...EPISODE14 血のバレンタイン ドレイクシティで、女性ばかりを狙った殺人事件が多発していた。遺体には刃物で切り裂かれた後があることから警察にリーパーと名付けられたその殺人鬼。顔を鉄仮面で隠し、マントを羽織っているため、素顔を見た者はいないという。同じ頃、メアリーはストーカーにつきまとわれているということでロドリゲス警部に相談するが...

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