聖女召喚をしたら異星人(男)が来た。
なにも かんがえず ぽちぽち打つと こうなる。
異世界転生を経験するだなんて思いもしなかった。
前世を思い出したのが3歳の時で、高熱にうなされた後だった。
それから17年が経つ。今はさすがに前世の記憶は薄れてきている。
前世の記憶には死んでこちらに来た記憶も感覚もない。
仕事帰りいつもの帰路を歩いていると浮遊する感覚があった…と思う。
この辺りは前世を思い出してから思い返したことがあるのだけれど、何度思い返してもぼんやりとしていた。
この世界での私の身分は孤児。
極貧ではないが余裕もない孤児院では民間療法で対応していて、下手すると私は前世を思い出す前に死んでいたかもしれないし、死にかけたからこそ思い出したのかもしれない。
前世の名はミオだった。この身体も偶然にもミオだった。
なので名に対して違和感はない。あと3歳の時に今の人格になった。以前の自分はよく思い出せない。3歳だったからだろうか?
そのせいか、どうも自分の人生が他人事に思える。
しかし生きていかなくてはならない。
前世の記憶と『転生者特典』でなんとか生活できそうかな?なんて緩く考えていたら5歳の時に魔力検査というものを受けさせられた。
国の取り決めらしい。貴族だから魔力が多いなどない世界なんだなと当時そう思った記憶がある。
検査結果、魔力容量が大人よりも大きい、ということで騒ぎになった。孤児院の先生方が騒いでただけだと思う。
測定するお役人様方は真面目な顔のままだった。
軍人に育てられるのかしら、と不安に思っていたがとある男爵家の養女となった。
そこで教養と礼儀作法を学んで宮廷魔導士になれればいいといった感じだったのだ。
私が子供だからとふんわりとした説明をされただけなので、まぁあくまで宮廷魔導士は最高ランクの目標なのだろうなぁ、と思った。
なれなければどこぞの家に嫁がされる。
なんだかこの国、実力主義と世襲制の部分が混ざり合っててそこはかとなく不安である。
だいたい孤児って下働き担当であるからして。
先行き不安だなぁと思いつつ日々学び暮らし…今の自分が可愛らしい美少女だったということに気づいた。
ピンクのふわふわわたあめ頭、潤んで輝いているエメラルド色の瞳…この唇はアヒル口というやつでは?
戦慄である。
人形のようにかわいい孤児は当て馬かヒロインか問題児ではなかろうか?私が望まずともそう仕立て上げられるような存在だったらどうしよう。
当時の私はそう考え不安から逃れるため勉強漬けになり『転生者特典』を思いっきり利用した。
これはよくある『自動翻訳』だ。これは強い。いろんな言語が解る、そう色んな…古代の魔術書も読める。
もちろん読めることは隠して、辞書や資料を積んでそれっぽく時間をかけた。
この国は…いやこの大陸全土の話になるが『瘴気』というものに悩まされていて聖女を召喚し浄化させたり(そういうのあるんだぁ…と思った)聖女がいないときは魔導士が結界を張ったり騎士が魔物を倒したりしているらしい。
らしい、というのはまだこのころは屋敷から出なかったので見たことなかったからだ。
のちに学園で寮生活になるが。
当時の私の目標は宮廷魔導士になることである。
この世界を蝕む『瘴気』とは何なのか。解らない。
そもそもどこから発生しているのか、大地から瘴気が発生しているのか?魔物がいるからか瘴気が発生しているのか?『鶏と卵』のような気がしてくる。
学園で色々とストレスを与えられながらも(付け焼刃の身分と忌々しい外見のせいである)古代のことを調べた。
瘴気とは恐らく高濃度の魔素なのだろう。
人間も酸素は必要だが高濃度の酸素は身体に悪い。高濃度酸素治療などがあるが、今は健康で正常な身体に対しての話だ。
この世界の人間も魔力(魔素)は必要である、血液に含まれているから。
高濃度になると血が暴走して爆発するようだ。魔物は爆発しなかった先の変化であろう。
こわいよこの世界。
乙女ゲームの世界であって欲しかった。実際そうでリアルにするとこうなったとかだったら何も言えないが。
話を戻して、古代人の対処は聖女に頼らず上手くやっていたようなのだ。
空気清浄機のようなものがあったのかもしれない、今は結界で密閉方式になってしまっているが。
まずその方法を探した。
しかし学園の図書館では限界があった。対処方法より召喚方法の話が多かったのだ。
とあるバカなやつが聖女召喚をやってみせて一気に瘴気を吹き飛ばさせたそう。
政治アピールの、なにかがあったのかもしれない。
流行のような…エコのために自然破壊してソーラーパネルがいっぱいみたいなやつ。ちょっと違うな。
流行らせたやつも聖女もカリスマを持っていたんだろうと思われる。
私の望みのものがなかったので次は王宮での書物を漁らせてもらうしかない。
成績もよく魔導士としてやっていける実力も手に入れた、宮廷魔導士になれることだろう。
同年代の王子がクッソウザかったが、王宮にいっても顔を合わせることがあるんだよなぁ。
どうも私はヒロインだったのかもしれない。
テンプレ的な王子(次男)の馴れあい、婚約者の侯爵令嬢(公爵令嬢は血が濃すぎるそう)に目の敵にされ…つつもまぁ、あまりにも私が無関心というか顔に表情が出なさ過ぎて王子が独りで舞い上がってるだけ、で終わった。
人形のような可愛い顔でも無表情って怖いらしい。
ちゃんと令嬢の微笑みをしているつもりだけど。憂鬱すぎる。
ともあれ、晴れて宮廷魔導士になれ仕事をしながら禁書も読めて嬉しい限りである。
空気清浄機を作らなくては。無理ならそれに代わるものを見つけなければ。
なぜ『私』がこの世界にいるのか解らないが、理由を求めればおそらくこの『瘴気』をどうにかしてみせろよという神?上位存在?からの挑戦なのだろうと。
この国では17年前に聖女召喚を行ったが失敗したそうだ。
17年前だったのだなぁ、前世を思い出したのと同じ時期で妙な感覚である。
私が聖女として立っていたかもしれない、なんていう感覚だ。
でも実際は立っていない、私は元孤児の男爵家養女であり宮廷魔導士。
この身分で戦えということだろうし、戦えるはずだと思う。聖女一人に左右される世界というものは変だから。
私は魔導士のためにも古代の方法に戻したい。戻さなくてはならない。
次の聖女召喚が行われたら私たちが行わなくてはならないからだ。
宮廷魔導士団は過去の聖女召喚で魔導士がすり潰されたせいもあってか現在はアットホームな職場である。いい意味で。
この職場の同僚たちを失いたくはない。だからこそ。
と、決意を抱き研究をしつつ下っ端宮廷魔導士ながらも同僚たちと共に切磋琢磨していた。
しかし無常にもあっちから駆け足ダッシュタックルしてきたわけだ、聖女召喚が。
2番目のクソ王子の命令で聖女召喚である。クソッタレである。
聖女召喚とはとてつもない魔力を使って行われる。
だから前回の召喚を行った魔導士はみんな死んだ。死んだのだ。すり潰された。
国が全国民に魔力検査をしてかき集めているのはこういうときのためなのだ。マジさぁ…。
召喚の間で自分語りをしている王子はどうも聖女を召喚して妾にし王になりたいそう。
王命であることも添えている。どうやって王を誑かせて許可を得たんだ。口だけは達者だ。
しかし聖女で王位継承権変わらないと思う。…変わるのか?だから過去から召喚が流行ったのか?政治は解らぬ。そんな単純でいいのか?
ともあれ浄化のことを考えていない。歴代聖女のデータをみて能力差というものはやっぱりあるわけで。
SSRを引くまで回し続ける気がするこのクソッタレ。
宮廷魔導士のみんなでバックレるのもいいだろう、でも結界の管理や瘴気対策してるの私たちなんだよね。
逃げればそれを放棄してしまうことになる。そうなるとそこまでで終わり。
この召喚を乗り越えれば、続きがある。
みんなを死なせたくはない。がんばろう、私の魔力はでっかいのだから。
王子もそれをアテにしている気がする。クソッタレ死ねばいいのに。
言い寄ってこられたときにキンのたまを粉砕しとけばよかった。そうすりゃ王位継承権なくなるでしょ。
ああ、おじさんのキンのたまは売れるのにクソッタレはなんの価値もないんだよね…。おじさんのキンのたまのほうが価値があるんだよ…。
がんばろう、みんなで生き残ろう。
召喚の間は床と天井に対となる魔法陣が描かれている。私たちは膝を突き両手を魔法陣に触れさせ魔力を流し込み始めた。
詠唱はない、必要なのはとにかく魔力なのだ。
みんなほどほどでいいぞーと思ったのもつかの間、この魔法陣勝手に吸い上げてくる。
マジさぁ…!ふざけんなよこれ考えたやつ!!!
腕がズタズタになって痛い。魔力の流れは血液に乗る―――魔法陣の吸う力が血液まで引き寄せているのだ。最悪だ。
もうしんどくなってきた、倒れはじめる同僚たち。
私も疲れてきて床に倒れてしまった。
が、意識はある。血で濡れた床が肌に不快だった。身体は動かぬが目は動かせる、視線を動かす。
魔法陣から溢れていた強烈な光が収束していき人の形になっていく―――
それは背の高い―――ん?
流れる様なしなやかな髪は腰まであって緑色である―――ん?
顔は美人というより垂れ目気味のイケメ―――ン?
男だ、これ男だな。―――男だわこれ!―――暑いのか見せつけているのか開いた胸元は立派な胸筋だ―――おっぱいじゃない。雄っぱいだ!―――
召喚されてしまった可哀想な男は美しいスカイブルー色の瞳をキョロっと動かし両手を上げて降参のポーズを取った。
「えーっと?俺は医務室にいたはずなんだけどォ?」
「なんだお前は!聖女をどこにやった!?!?」
「………」
困惑する男に叫び上がりながら食って掛かる王子。だめだ、―――カルシウム不足じゃない?―――
男は刺激しないほうが良いと判断したのか黙り込んで王子から視線を何故かこちらに向けてきた。
目が合う。ちょっと怖いが。どこを見ているんだ、私を見ているようで遠くを見ている目だ。
おそらくこの男、私と同じで他人に興味がないのだろうな―――そうだ、みんなを助けなくちゃ。
私の魔力は先ほどまで枯渇していたが急速に回復してきているので出来る。
血を介して魔力を流す。
魔法陣に吸われることはもうない、召喚が終わったから。
治癒とまではいかないまでも私の魔力で少しでも持つはずだ。みんなの息はまだある。良かった、ああ、本当に良かった…。
「近衛!こいつを始末しろ!もう一度だ!魔導士どももう一度やれ!」
やっぱり無限ガチャするつもりか。石という我々はもうないに等しいので無理ですね…課金してね。神様とかに。
王子と目が合う。やっば―――
「ミオラーヴァ!!お前の魔力は底なしだろう、寝たふりをやめて俺の―――」
荒い足音を立てながら歩み寄った王子の手が私の肩を掴みかけ、そこで召喚された男がふわりと私の隣に立って私を王子から引き離した。
「怪我してるお嬢さんになにしてんの?俺は魔導医だから治すからな?」
後半は私にも言い聞かせたのだろう、男の手から緩やかな温かい光が流れ込んで来て腕の傷が塞がっていく。
それが終わると男は私を床に座らせ治療のために同僚たちのもとを周り始めた。
今のは生命力を流し込まれたかのような、奇妙な感覚だった。
これが異世界の治癒魔法というもの?
不意に王子の視線に気づいて目が合ってしまう。
「第二王子殿下、私一人での召喚はさすがに無理です。今度は両腕が裂けるだけで終わらず全身が裂けるでしょう」
静かに私は王子に告げる。
「お前がこんなに役立たずだったなんて…お前が聖女であったなら!外見だけの孤児め!」
うーん、こういう男だったなぁ。
私も自分のことを孤児認識ではあるけれど、現状男爵令嬢という貴族籍に入れてもらっているので孤児じゃないのだが。
とまぁ、それを言ったとてうるさいだけなのだ。
「さて、治療が終わったので医者として落ち着いた」
血で汚れた手を魔術(小声で詠唱をしていた)で呼び出した水球で洗い流した男は王子を見て、微笑む。
「ここは連邦政府保護宙域か未開拓宙域か判断がつかないため軍の規定により俺の名を伏せるが俺は銀河連邦軍某部隊に所属している。階級は准尉だ。
君たちは何某を召喚しようとして意図せず俺をここに呼び出してしまった…でいいな?」
乙女ゲーじゃなくて宇宙ものだったのかな?
いや別のゲームのキャラを呼び出してしまった可能性なんて、ないだろうか?さすがにないか…?
「…ッそうだ、こいつらが失敗したんだ!お前はいらない、消えろ!」
「それはないんじゃないか?んー、俺が傷ついたらこの星、連邦軍の保護下に置かれると思うけど…」
「わけのわからないことを!」
「王子殿下!!この方は偉い身分の方だと思います!」
「!? ミオラーヴァ?」
王子が何か驚愕の顔で私を見るが、小鳥のような口から大きな声を出したからビックリしたのか。
勢いだ、とりあえず勢いで盛って盛りまくって意味のない殺しを止めなくては。
「銀河連邦軍というのは王国騎士団のようなもので、准尉というのは…副騎士団長のような立場なのでは!?」
男が苦笑している。解っている。准尉ってエリート一歩手前のエリートみたいなもんだろう?違う?国によるので何とも…?
私の前世の知識はふわふわしてるので勘弁してほしい。
一番偉くはないけどほどほどに偉い、に該当しそうなのがこれしか思いつかなかったのだ。
「俺は王子だぞ、俺の方が立場が上だろうが!」
「ですが他国の騎士、それも上の者を誘拐してそのうえで口封じに殺すというのは相手に知られれば戦争になります!
あの方の魔法を見ましたか?一瞬で傷を癒しました。魔導士としても能力が高いです。
何かしら連絡手段を持っていると考えたほうが良いです」
「そーだね、救難信号は一応打ち上げたけど」
「いつのまに!?来ますか、戦艦!」
「あはは、こないこない。目立たないようにちっこいので来るんじゃね?」
思わず戦艦と言ってしまったが男…准尉さんは笑って答えて、笑ってない目でじっとり私を見てくる。
ああ、失敗した。警戒されたかもしれない。
ちょっと興奮してしまった、SFなんてロマンだろう。
「ミオラーヴァを見るな!」
王子が私の前に立つ。
なにかまた怒鳴り散らかしそうな気配がしたが魔導士団長が起き上がってきて准尉さんを背にして王子を見る。
「この方は我々で保護致します。次の召喚も魔力が回復次第行いますから、それでよろしいでしょう?
王子殿下は聖女を求められているのですから。それ以外は周りの者にお任せください」
「……」
王子は団長と私を睨みつけて近衛とともに召喚の間を出て行った。
団長は床に座り込んで長く息を吐く。
「えーと、ギンガ…なんちゃらの方、すみません意識が朦朧としてたので最初から介入できず…。」
「いいよ。なんだか大変そーだし。あの娘がアレを抑えてくれてたし」
「ミオラーヴァ、ありがとう。魔力を流してくれて助かったのも礼を言わせてくれ」
安堵の表情を浮かべている団長に私は頷いた。
あとは団長にお任せすればいい。私は下っ端なので。
准尉さんは、貴賓室は用意できないが魔導士団の寮の空き部屋に一時的に待機してもらうことになった。
「こーゆー時って牢屋にブチこまれたりするのがテンプレだよね。はは。」
「てんぷ…?」
「気にしないでくれ」
「はぁ、食事はどうしますか?寮の食堂を使っていただいてもいいですが、運びましょうか?」
「ああ、あまり人の目につかない方がいいので部屋で。彼女に頼んでもいいですか?」
団長と准尉さんの視線が私に向く。
彼を知るものが少ないほうがいいのならば私が運んだ方が良いだろう。
私は頷く。
「このあと彼女に時間があるならこの惑星…国のことを伺ってもいいですか?」
「いいでしょう、ミオラーヴァも良いか?」
「はい」
事情をきちんと話さないといけないだろう。
団長は他の後始末もあるので部屋を出ていき、私は残ってまず召喚の理由とこの世界の事情を伝えた。
私の話を聞きながら彼は目を細めて考え込んでいるようだった。
無骨な指で顎を撫でてる。格闘をしているのかと思える手だ。軍人さんだもんな。でも軍医とも言っていたが軍医って格闘ってするもの?
すごくガタいがいい人なので普通に軍人を名乗っても通用しそうだ。
「話を聞く限り、俺はとても運悪く召喚されてしまったようだな。ものすごい確率で引き当てられてしまったわけだ。
航行中だったんだぜ?あぶねーよ本当。」
確かに。これ、車を運転中だったら無人自動車暴走という見出しでニュースになるやつでは?
「聖女の能力で高純度の魔素である『瘴気』を『浄化』して消し去る、というのは変だなと思うが君はどう考えてる?」
「もしかして、それは不可能なのですか?
魔素を無に帰す方法をずっと探していました。古代の資料だと消し去っているように書かれていて…」
「魔素というものは名を変えながら宇宙全体にあるからな。宇宙空間には巨大な魔力溜まりもある。君のいるこういう星がそれになっていくんだが、そーだなー」
准尉さんは歯切れ悪く言葉を切る。
言葉を選んでいるのかもしれない、銀河連邦軍としては介入してはいけない…ということなのかも。
しかし個人的に介入したい、そんな感じだ。
態度はフレンドリーであるけれど、視線から伝わってくる熱はやっぱり平坦で興味なさげではあるが。
原住民と仲良くしてはいけないのもあるだろうし、これが普通であろう。
私のこの外見だからフレンドリーにしている、ということではないだけでもありがたい。
「魔法陣が対で2枚あったな。あの仕組みは召喚のためだけに生まれたものじゃないだろう、他にもある―――と、思った。勘、そう個人的な勘」
「なるほど…」
ヒントをくれた。
魔法陣が対で働く仕組み、当時は一般的だったとしたら…。しかしあの大きさだ、シンプルな動きのはず。
「君って前世の記憶とかあるタイプ?」
「え?前世?」
急になんだ。
「やっぱり。今こっちの通訳機能切って俺の地元の言語で喋ってんだけど聞き取れてるな?」
「え?え?」
「一人だけ変だし。俺の発言の中の単語に反応して浮いてたから気を付けなよ。無表情なのに急にころころ笑うんだもん。」
「気をつけます…。この顔はそういう癖があるようで…自覚はないのですが。
前世の記憶はこの星の記憶ではなくて地球って惑星、解りますか?そこの記憶があるんです」
「……んー。保護宙域かな。たぶん、観測されてるとは思う」
地球、銀河連邦では別称かもしれないため覚えてる限りの科学の具合を教えたが、宇宙ロケットを飛ばし始めても介入できない未開惑星扱いになるそう。
宇宙に進出しかけてもそれで力尽きて文明が後退するところもあるそうで、その前に介入すると歪なことになるそうだ。ロマンだな。
准尉さんの通訳機能は左手首に巻いているブレスレットでこれで自分のバイタルチェック、通訳機能や連絡を取り合ったり救難信号を送ったり色々できるそうだ。
科学と魔術の詰まったもので、通訳機能は魔術の技術になるそう。
教えてくれるのは私が理解できるかららしい。まぁ高性能なアッ〇ルウォッチみたいな認識をしたが。
「これは俺の独り言なんだけど、『転生者特典』って俺らの使ってる通訳機能の魔術と似たようなもんだと思うんだよね。
君がここに来た時、魂に魔術を書き込まれたんだと思う。17年前の聖女召喚は半分成功で半分失敗したんだ。
魔力が足りなかったのかもしれないし魔法陣の機能が壊れていたのかもしれない。」
ゾっと悪寒が走った。
「俺が何も特典なく召喚されるだけで終わったのをみるに、魔法陣が壊れてる可能性が高い。」
これは、やってきたのが准尉さんだからよかったのかもしれない。
何の能力もない、言葉も解らない異世界(異星)の人間だったら王子に処分され私たちは次の召喚をやらされていただろう。
あと准尉さんが完全に科学寄りの世界ではなく魔法や魔術もある世界の住人だったことも幸運だ。
綱渡りのような召喚だったことに鳥肌が立つ。
「もし、17年前の召喚が成功していたら?」
「君は魂から肉体まで魔術で書き換えられた聖女として立っていただろうね、たぶん。
聖女として『浄化』を進めるよう思考誘導もされていたはず。これは今の君にも影響がでてるんじゃないか?
『浄化』に対して執着してないか?」
している。
なるほど、前世の影響かと思ったが、そうか、そうなのかもしれない。
「17年前、君の魂は中途半端に書き換えられて器の肉体は書き換えられることなく消失、奇跡的にその娘の身体に憑依したから今日まで生きてこれたんだろうな。
君の中にその娘もいるはずだよ。たまに言動がブレたりしたことは?」
ある…。魔力を使う時、もう一人の自分がいるような感覚に陥る。しかし、しかしだ。
「思考が急に切り替わるような感覚はあります。でも自我は私のままです」
私は私である。
「そうか。二人で支え合ってるのかもしれないな」
その言葉に私の中で納得したかのように何かが埋まったような感覚があった。
前世の私がミオを押しのけて憑りついた可能性があるのに。
私は彼女に支えられていたのかと思うと、心が穏やかな感覚に満ちる。
「お互い死にかけていたわけだしどちらかの自我が強まってもお互いそれを自分自身だと認識してるんだろう、それならまぁ問題はないか。
心配だったんだよ、一目見た時からなんか魔力がブレてるなーって思ったから。
あれ?これむしろ俺が危なかったんじゃないか?肉体の構築機能が死んでる魔法陣だったんだろ?本当に奇跡では?
こんなところで運を使い果たしたくない」
ご愁傷様である。
私は聖女として書き換えられる素材として、召喚されたのだな。そう認識するとしっくりくるところがある。
前世の記憶が曖昧なのも書き換えを加えられかけたからなのかもしれない。
聖女の能力に差があるのは素材の質によるものか。
召喚で行われていたであろうことは、全ての人類と言葉を交わせるための通訳魔術(これは魔法陣が他国にもあるため必要な処置だったのだろう)と『浄化』の能力を魂に書き加えること。
そして聖女としてあれという書き換えを肉体込みで行うといったところだろうか。
魔法陣を調べれば見えてくるかもしれない。
邪悪すぎる、人権無視すぎる。…いや、王家ってそもそも人のこと考えてないしな…こういうこともするか。
その後、夕食も准尉さんと団長との三人でとった。
意見のすり合わせと今後のことの話し合いもあるためだ。
准尉さんは迎えが来るまで引き続きこの部屋で待機、私と団長は魔法陣の点検という名で構成を洗い出すことにした。
今まで『浄化』方法ばかり見ていて何故こちらを見てこなかったのだろう、おそらく思考誘導によって目を逸らされていたのかもしれない。
団長は私が既に調べ終わっているものだと思い込んでいたらしい。
それは悪いことをしてしまったな…と反省である。
「ミオラーヴァはジュンイさんみたいな人がタイプ?」
部屋に戻る途中で団長が妙なことを聞いてきた。
団長と言っても私と同い年の20歳だ、若い。
侯爵令息で婚約者もいる立派な貴族サマである。
「すっごくキラキラした笑顔で話してたからさぁ、ビックリしちゃって」
そっちか。
「私が好意を覚えるタイプは解りません。准尉さんとは話が合うのです。合わせてくれているのかも。
戦艦というものは浪漫のある話だったのです。ここだと、そうですね…世界の浄化が解決したら海に大きな鉄の船を浮かべましょう、それが戦艦です」
「はぇぇ…ミオラーヴァって変な子だね。船を浮かべて楽しいの?」
「楽しいです」
恐らく私の想像している船と団長の考えている船のイメージが違う。きっと。おそらく。
私のイメージは大和である。うむ、かっこいいな。
准尉さんが乗っている戦艦はまったく別のデザインだろう。大和だったらこっちが困る。
私の中のミオも私のイメージを通じて楽しそうに思っていると思う。
この国、一応海に接する領地もあるが『瘴気』のせいで海は魔物の魔境になっており、船は川や湖に浮かべるぐらいしかない。
人口も少ないしなぁ、色々と足りていないのは土地が限られているから。だから永続的な『浄化』が必要だ。
翌日私たちは魔法陣の点検を始めた。
血だらけだった床は綺麗に掃除されていて魔法陣がよく見える。
「しっかりと『魔力吸引』の魔法陣」
私は古代の書物からかき集めた資料の中から魔法陣の図形を引っ張り出し見比べる。
上を見る。同じ大きさの魔法陣。
資料の魔法陣と同じ魔法陣を探し、きちんと聖女召喚の魔法陣であることを確認する。
「欠けたところはないようですね…。」
「魔力不足だったのか?ミオラーヴァの魔力で補えているはずなんだが。」
じっとりとした汗が浮かんでくるのを感じる。
誤作動の原因は何なのか…中途半端に私が召喚されたからではないか?
私は魔力の回復が早い。異常に早い。そういう『転生者特典』なのかと思っていた。おそらく、それはそうなのだろう。
聖女の『浄化』とは『吸引』なのではないか?
おそらく限度なく吸えてしまえるのだ。吸引力に個体差があるだけで。
私が魔力を吸うから召喚が上手く発動しなかったのではないだろうか。
私が魔法陣に魔力を流しこんだ後、急速に吸引を始めるから召喚途中で狂ったのでは。
17年前はただ本当の魔力不足で不完全な私が生まれ、今回は私が原因で正常に動かなかった。
これを団長に話すべきなのだろうか。解らない。
いや、いま話すかどうかは考えないことにしよう。
「…『浄化』が『吸引』なら、魔法陣の場合吸引した後の『瘴気』はどうするの?」
地中に返す…なんて意味のないことをするワケないだろう。
私は見つめていた資料から天井の魔法陣へ視線を戻す。
空だ。宇宙と書いて「ソラ」と読むかもしれない。
「ミオラーヴァ?」
「団長、床の魔法陣は『吸引』の魔法陣です。そして天井の魔法陣で聖女を降臨させていましたよね。
上の魔法陣は吐き出すためのものだとしたら『吸引』の魔法陣と対の魔法陣が『放出』で、その放出先が空よりずっとずっと上だったら『瘴気』はこの地から消えますね」
「それは雨と一緒に戻ってこないか?」
「雲よりずっとずっと上です。聖女召喚でどこにいたかもわからない人間をここへ呼び込むんですよ?
逆もいけると思いませんか?」
「できるか?」
「昔はやっていたと思います。」
資料を捲り続けて目当ての魔法陣を見つける。
天井の魔法陣と少しだけ似ている。逆だ、この魔法陣が元であり天井に書かれている魔法陣が魔改造されたものだ。
それを団長に渡す。
「書き換えましょう、団長。昔やっていた方法に戻すだけです」
「ああ、皆を呼んで取り掛かろう」
召喚の間を出ようと踵を返したとき、急に扉が開いて王子が入ってきた。
「書き換える?どういうことだ?」
地獄耳か?
私と団長は足を止め、団長が前へ一歩出た。
「王子殿下、このまま召喚を行っても結果が出せないと判断しました。
なのでミオラーヴァが取り組んでいた古代の対処方法を実現させます。これで『瘴気』の問題が解決する。
発案も実行も王子殿下の名で行ったということにすれば王子殿下が聖女を娶らなくても良いのではないですか?」
「そんなに、そんなにお前たちは俺からミオラーヴァを取り上げたいのか!」
何を言ってるんだこの男は?
いつの間にか私が王子のものになっている?どういう頭の構造をしているんだ?
「いつもミオラーヴァの横に立って!恋人気取りか!?」
何を言ってるんだこの男は!お前がそんなんだから私は団長の婚約者に誤解されて苦労したんだぞ!
今だに結婚もされていないのは宮廷魔導士団を立て直すのに忙しいからで!結婚できないぐらいに忙しいのだ!
お前たちが足を引っ張っているのだ!
恐らく私と王子は同時に頭に血が昇った。
王子が踏み込みながら剣を鞘から抜いて振るうのと私が団長を押しのけて庇ったのは同じタイミングだった。
肩から大きく切り裂かれる、強い痛みと熱さを感じながら視界が暗転した。
暗転は一瞬だったと思う。
目を開くと准尉さんの顔があった。
汗を流して少し険しい表情だ。
身体の痛みはなく准尉さんに抱かれながら回復魔法を流し込まれている。
ここは准尉さんの部屋。
「私、どれだけ寝ていましたか?」
「数分だ、斬られたお前をすぐ捕まえてここに転移した。」
団長が咄嗟の判断で私と共にあそこから脱出したのか。
「ザックリといかれたところは繋がった、あとは自力で治すかアンタが治癒してやってくれ」
准尉さんは私を抱きしめたまま言う。
「俺の回復魔法って、腕も生やせるほどだけど生命力使うんだよね。普段はいつ倒れてもいいようにできてるんだがここでは体力は温存したい」
「その治療方法は准尉さんの寿命が短くなるとかでは、ない?」
「ああ、そこは大丈夫。」
私は自分で治りかけの傷に治癒魔法をかけていく。
そんな状態の私を准尉さんはお姫様だっこで持ち上げた。
廊下が騒がしい、王子がきたのだろうとこの場の三人は解った。
ピー、と高音質な音が部屋に響く。
「このタイミングで迎えかよ」
『准尉先生、なにかやらかしたんですか?幼女に手を出したのなら死刑でもいいと思いますけど』
「なにもしてない」
ブレスレットから響く揶揄う様なふざけている様な感情が乗っている声に准尉さんはうんざりした顔で答える。
「お前が迎えか…どうりで早い」
『マーク先生からのお使いとして引き受けました。すぐに動けないのも困りものですよねぇ、軍って。では外に出てください』
「どっちみち窓から出ようと思っていたし、みんなでいったん外に出るか」
「了解した」
窓を開けた団長が外へ出る。
寮は2階建てだが高さはある、そこで浮遊の魔法でふわりと降り立つのだ。
准尉さんはなんだか器用な降り方をした。
魔力の盾のようなものを足元に生み出してトントントンと階段を踏むように降りていく。
実際の音はトントンではなくキンキンと高音質な音だった。
どういう仕組みなのか聞けば教えてくれるだろうが時間はなさそうだ。
王子が私の名を呼ぶ声が外まで聞こえた。
窓の外は寮の裏庭でそれなりの広さがある、魔法を試し打ちするための空間でもある。
晴れ渡る空からキラリと光るものが見えて―――ロボットだぁ!――――
白銀の人型ロボットが静かに、しかし空気を揺らしながら着地する。
白銀のロボットがもう一体ロボットを持っていて、それは乱雑に置かれたが。あれが准尉さんの乗る機体だろう。青と黒の2カラーだ。
『あは。良い『エーテル』に満ちておりますね、僕大好きですよこういうの』
白銀のロボは大きく腕を広げて中のパイロットさんがそういう。
エーテル…というのは『瘴気』のことだろうか?
『准尉先生、僕って銀河連邦軍に所属しておりませんから、干渉しても怒られないんですよねぇ』
「保護下だから怒られるに決まってるだろ」
『んふ。バレなきゃいいんですよ犯罪は』
だいぶヤバい人なのではないだろうか?
『別に星を食べてしまうわけではないんですよ、ええ、加減しますとも。本当なら原住民を皆殺しですよ?
僕は大人しくしているのです。んふふ』
「頭痛くなってくる」
准尉さんも大変そうだ。問題児を送ってくる准尉さんのところの部隊?って相当ヤバいんじゃなかろうか?
白銀ロボは少し浮かび上がり、生み出した黒いエフェクトの3対の翼を発光させてしまう。
空気が風となって荒れ狂い始める。吹き飛ばされそうなほどのものではないけれど、『瘴気』が白銀ロボへ集い始めているのがわかる。
そして魔導士たちが生み出し封じ込めている結界が砕けるのも解った。
一気に『瘴気』の濃度が上がるがすべて白銀ロボが吸収していっているようで我々に影響は出てこない。
聖女の『浄化』もこういう感じなのかもしれない。黒い翼は出さないと思うが。
『ごちそうさまです。では帰りますか准尉先生』
「ああ、そうだな…。じゃ、そういうことで。世話になったな」
准尉先生は私を地に降ろす。
「はい、ありがとうございます准尉さん」
「こいつが地上の『瘴気』をすべて吸ったがまた沸いてくるはずだ。
時間の猶予ができてよかったな」
准尉さんはそう言って機体へ向かい、乗り込む。
別れを惜しむこともなく、白銀ロボは准尉機を再び掴むとある程度上空に浮かび足元から黒い魔法陣を出現させて消えた。
「ミオラーヴァ…」
王子が後ろに立っていた。血濡れの剣を持ったままなので怖すぎるが。私の血を付けたまま歩いてたのかこいつ。
「死んだ、かと思った…」
「死んでましたよ。心臓は止まってました」
団長が答える。そうなのか。すぐに准尉さんの元に行けたから蘇生できたのだな。
ということは准尉さんがあんなにしんどそうだったのは、蘇生させたから?
もっと感謝を伝えておけばよかった…。
王子は膝をつき、緩んだ手から剣が地に落ちる。
なんだか終わった気がした。色々と。
そのあとは王に経緯と状況の説明をさせられた。
あの白銀ロボは王城からもよく見えていただろう。白銀のパイロットは連邦の人に怒られればいいよ。
みんなあれを巨人の一種だと思っているようでそれはそれで面白い。
これは連邦の人が説明するのめんどくさく思って干渉不可を選ぶわなぁと思った。
ともあれ、あれは『瘴気』を好む種族でたまたまこの地の『瘴気』を吸って消えたが『瘴気』がなければ人を食べていただろうと伝えた。
ここに来たのは間違って召喚された人物が偉い人で迎えに来たのだ、と。
魔道が発展している国の住人だと。とにかく設定を盛りに盛りまくった。
団長が若干引いていた。
なんでだ。
魔法陣の改良…というか、元に戻す、というべきか…『放出』の魔法陣への書き換えの許可を得た。
宇宙へ放出し続けていればあの巨人はここに来ることはないと言い切ってやったのだ。
そしてこれはこの国だけの話ではない、他国の召喚魔法陣も弄らなくてはならない。
がんばるぞー、と気合を入れていると団長が申し訳なさそうな顔をしてくる。
「君を各国に向かわせる代表にしてしまって申し訳ない」
「そりゃあ私が適役でしょう。身分は足りてないでしょうけど、団長たちは魔物の駆除がありますし」
結界が全て砕けてしまった今、『瘴気』の恐れはないものの魔物の恐れは格段に上がった。
そして私の魔力容量は徐々に下がっていっている、吸える『瘴気』が現在ないためだ。
しばらくすれば『瘴気』が増えてくるだろうけれど、それより早く魔法陣の問題を解決してしまいたい。
「団長の結婚式のときには必ず戻りますから早い目にご連絡くださいね」
「ああ、うん。解った」
ミオラーヴァから見えていなかった部分の補足説明
ミオラーヴァ・ローゼオ男爵令嬢
ふわふわピンクの髪をした色白のお人形系。小柄。
元孤児。魔力容量が桁違いだと発覚してローゼオ男爵家の養女となる。男爵の皆様方とは普通の関係。お互い距離感を持って接していた。
聖女召喚された前世の魂はサクライ・ミオさん。一般社会人。ロボが好きな普通の女性で口調も普通の女性。
脳内が硬い口調なのは聖女召喚のせいで人格や感情を書き換え損ねられて削られたから。
孤児のミオと記憶がまじりあったおかげでなんとかなっている。3歳児ミオの情緒のまま大人になっているともいう。
感情が高ぶると3歳児が出てくる。
学園生活は第二王子に言い寄られ逃げまくっていた。王子の側近たちもミオを追うので周りの女子生徒たちが怒った怒った。
なんやかんやで時間が経つにつれて王子がおかしくないか?と落ち着いてきたという。
ちなみに17年前の聖女召喚に成功していれば孤児ミオは孤児のまま下町で働き、社会人ミオは銀髪で紫水晶の瞳を持つ美女聖女として降臨し第一王子(第二王子ではなく第一王子)とともに世界の浄化をしてハッピーエンドになっていた。ハッピーなのだろうか…。
カシアン・ドールスト第二王子
ヤンデレ気質のお花畑王子。ちゃんとイケメン。
ミオラーヴァに一目ぼれして人生が狂いまくった。
ミオと接触しない世界線だと普通の可もなく不可もなくな第一王子のスペアで終わっている。
ミオを斬ったショックで引きこもってしまう。一生引き籠っていようね…。
第一王子
お花畑王子。第二王子の恋路を応援していた。
ミオを斬ったことに対しては「そこまで追い込まれていたのか…」と弟に同情してるので彼もやべぇ。
王様
お花畑のボス。第二王子のことは同級生の多い魔導士団と共に『浄化』に対して政策を奮闘しているという風に見えていた。
実際は恋のために奮闘していたのだなぁ、と知り涙。感動してんじゃないよ。
エルリック・ファウエル魔導士団長
ミオと同級生、元第二王子の側近の一人。
ミオが気になって追いかけ回していた一人だがミオの魔法に興味があって追いかけてた変人。
婚約者ともその行動で喧嘩をしてしまったが恋愛ではなくただ探求心で追いかけていたことで蟠りが解けてなんとかなった。
女の子を追い回すのは良くない。
今はミオの方からやってきてくれるので団長になってよかったと思っている。
17年経ってもロクな人材が育っていなかった(みんな聖女召喚で犠牲になるのを嫌がって魔導士団に入るのを避けていた)魔導士団の内情を知ってその立て直しはキツいものがあったけど。
(ミオがいるから聖女召喚があっても大丈夫だなとかちょっと思ってた。)
准尉さん
銀河連邦軍第9番遊撃艦隊所属軍医カルロ・スターニ准尉。
もう一つの身分は地元の惑星の物でバール連邦共和国軍上級曹長。
呪術や奴隷にする魔道具を回避するため名前は明かさない方針だったので今回のような感じに。
聖女召喚の改造に影響がなかったのは彼自身の特殊な魂(既に悪魔に手を加えられている)と装備品(オリハルコニウム素材の白衣や靴)のおかげ。
垂れ目ぎみのイケメンで鍛えているので体つきもいい。
実家は男爵家で元拷問官の家系。設定が盛りに盛られている。
安全な場所でしか眠れない体質なので早急な回収が行われた。5徹まで耐えれる。
彼の乗った機体は連邦軍の制式ロボなんですがマーク先生の魔改造が入っている。
迎えに来た白銀ロボのパイロット。
黒髪オカッパ切れ長の目に黄金の瞳を持つバイスくん(肉体年齢20歳)。
白銀ロボは「霊子機魄体 A-カヴァリエ」といいます。こちら純粋にはロボではない。
人間の負に染まった魂を集めているイケメンだったので今回は『瘴気』があって助かりましたね…。
マーク先生のお願いを聞いてしまう子。
マーク先生
銀河連邦軍第9番遊撃艦隊所属軍医マルク・レーニ准尉。
赤髪黄金の瞳を持つ優男風イケメン。
准尉さんの同僚。部隊の中でただ一人、彼だけが准尉さんを心配していた。
なので焦ってバイスくんにお迎えをお願いしてしまった。
あとで艦長にしこたま怒られた。ちなみに制式ロボを私物化して魔改造したときも怒られました。




