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『桜川、白妙の梨 〜過ぎゆく季節と、止まらぬ流れ〜』第0話:プロローグ

雨の音とともに、止まっていた記憶が動き出します。



 雨が降ると、今でもあの日、病院の冷たい廊下で聞いた沙織さんの泣き声が耳の奥に蘇る。

 白髪の混じり始めた僕の手元には、もうバイオリンはない。けれど、目を閉じれば聞こえてくるのだ。僕の譜面台の隣で、楽しそうに弓を弾いていた絵里子さんの、あの伸びやかな音色が。

「桜は散っても、川は流れるのよ。私たちの人生も、きっと同じね」

 かつて彼女が何気なく口にした言葉は、残酷な予言のように僕たちの運命を押し流していった。  十三年の空白を経て再会した彼女は、あの日と同じ、穏やかな微笑みを浮かべていた。そしてその隣には、彼女によく似た、真っ直ぐな瞳をした娘が立っていた。

 これは、僕が見守った十数年間の、そして彼女たちが命を懸けて駆け抜けた、ある春から始まる物語だ。


過去と現在が交錯する幕開け。俊夫が目にした母娘の姿から、この物語は始まります。

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