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北海道到着

北海道旅行の全てを

立花に任せていた女神は

現地に到着してからの

予定を知らされていなかった。


『新千歳に着いたら

どうするんですか?』

女神がそう尋ねると


『今日は札幌のホテルに

泊まって』

『明日の朝、10時くらいに

女神の実家に行くよ』と

立花が説明する。


『ホテルって何処ですか?』

『一緒の、お部屋ですか?』

『お風呂は露天風呂ですか?』と

マシンガンのように

女神の質問が続く。


『待て、待て』

『俺もホテルは頼んでいて

詳しくは分からないんだ』と

事情を説明し始めた。


女神との北海道旅行を

猪木会長に話した際に


今回の旅行を新作ゲ-ムの

取材兼調査として

経費で落としてくれると

申し出があったのだ。


22時過ぎの新千歳空港に

立花と女神が到着すると


『長旅お疲れ様でした』と

1人の男性が2人に近づいてくる。


『オリファルコン札幌支店の

馳です』と名乗って

立花と女神を空港の

外へと案内すると

ワンボックスカ-に

2人の荷物を乗せて走り出した。


『馳さん、すいません』

『こんなに遅く、個人的な

旅行のアテンドをして頂き』と

立花が申し訳なさそうに

話すと


『全然、気にしないで下さい』

『むしろGOD&ビ-ナスに

直接会えるなんて

すごい興奮しています』と

鼻息荒く言った後に


『エクシブハンターの

世界大会は惜しかったですね?』と

本当にファン目線で

色々と話して


『北海道にいる間は

副社長と奥様の

全ての、お世話を

させて頂きますから』と

自分の務めを説明する。


『ちょっと待って下さい』

『奥様って、俺たちは

まだ入籍してないですから』と

立花が慌て訂正すると


『そうなんですか?』

『会長からの指示には

副社長と奥様の新婚旅行と

視察旅行を兼ねているから』


『粗相のないように

よろしく頼むよ、と

ありましたが』と

説明を受けたが


『会長、酔っ払っていたんですよ』と

馳さんには言ったが


東京に帰ったら

会長と2人きりで

じっくりと話す必要があると

立花は心に誓った。


すると立花の横に

座っていた女神が

モジモジとしながら

『奥様って言われちゃった』と

立花の袖を引っ張りながら

嬉しそうに話し掛けてくる。


『はい、はい』と

女神の頭を撫でて

落ち着かせた立花は

今回の行動スケジュールを

再度、馳さんに伝えて

情報共有をした。


車はやがて札幌市内に入ると

女神は窓の外を眺めて

『セイコ-マ-トだ』

『焼き鳥弁当あるかな?』と

はしゃいでいる。


セイコ-マ-トは

北海道を代表するコンビニで

道内の店舗数は

セブンやファミマを

抑え北海道No.1で


店内で出来たて弁当を

提供する

北海道民に愛されている

店であった。


『寄って行きますか?』

『ホテルでルームサ-ビスも

頼めますけど?』と

馳さんが

聞いてくれたので


『どうする?女神の好きな方で

俺は良いよ?』と

遅くなったディナーの

選択権を女神に委ねると


『う〜ん』と悩んだ後に


『セコマが良いです』と

嬉しそうにお願いをしてきた。


それを聞いた馳さんが

『次にセイコ-マ-トが

会ったら止めますね?』と

言ってくれたので


『なら、変装しないと』と

女神は野球キャップに

マスク、メガネの

準備をし始める。


やがてセイコ-マ-トが見つかり

変装した女神と

ス-ツ姿の立花が

車を降りた。


立花の背広姿は

仕事終わりで羽田空港に

着いたから、だけではない。


北海道に滞在中は

女神のマネージャ-に

扮装する事にしていたのだ。


万が一、女神本人だとバレた時に

隣にいる男性が背広姿なら

一般人はマネージャ-だと

思うだろう。


背広姿の男性は仕事中


そんな日本人の固定観念を

逆手に取った立花の

作戦であった。


変装をした安心感と

地元に帰って来た嬉しさで

女神が先陣を切って

店内に入って行く。


大手のコンビニでは

外部の工場で作られた

おにぎりや弁当を

販売しているが


この店では工場で

作られた弁当の他に

店内で作りたての

弁当を販売しており


女神はホットシェフと

書かれているエリアに行き

弁当を吟味している。


『豚丼にしようかな?』

『カツ丼にしようかな?』


雑貨屋さんで

アクセサリーを選ぶように

目をキラキラさせている彼女は


『セコマはお店によっては

お寿司も売っているんですよ』と


立花に色々と

レクチャーしている

女神は楽しそうだ。


そして弁当と飲み物を選んだ

2人だがレジに行く前に


立花が女神の耳元で

『ゴムは買っておくか?』と

囁くと


女神は下を向いて

『はい』と小さく返事をした。


そして買い物を終えた2人は

ワンボックスに乗り込み

今晩宿泊するホテルへと

向かって行ったのである。






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