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副社長のお仕事

リモート朝礼の

副社長就任の挨拶は

おおむね社員に好評だった。


コロナが明けて

どの企業も

全開モ-ドで動いているが

どの会社も

人材不足に悩まされている。


良い人材には

高額給料のオファーが

舞い込んできており

転職する人間が

後をたたない。


オリファルコンも

例外ではなく

猪木会長が

頭を悩ませていた。


ゲ-ム会社の世界では

ヒット作を作った人間には

ライバル会社から

好条件でスカウトが来て

ヘッドハンティング

されていき


開発チームの大半が

離脱した会社は

新作を出せずに

倒産した会社も

あるくらいだ。


猪木会長から

その悩みを聞いていた立花は

事前に了解を貰って

この件を一任されていた。


社員が会社を辞める

大きな理由が2つある。


一つは給料に対する不満で

もう一つは会社に対しての

不満であった。


この仕事が好き

この会社が好き


そう思えば

多少給料に不満があっても

続けていける。


ウチの会社は

良い会社なんだぜ


どれくらいの

サラリーマンが友人に

そう言えるだろうか?


だから立花は

3つの狙いがあって

副社長就任の朝礼で

第二創世期の話をした。


一つ目は新規事業の話を

持ち出して

オリファルコンが

この先も発展していき

長くいられる会社である事を

社員にアピールする。


これは発表のままなので

社員も理解がし易く

好評に受け入れられた。


ここからは

裏の意図だが


開発に関与していない

社員に新しいゲームを

考えてくれ?と頼むと

変に意識して考えてしまい

良いアイデアが出辛くなる。


だが今回のように

ゲームと関係ないアイデアを

募集した中にも


何か新しいゲームのヒントが

あるかもしれない。


実際、オリファルコンの

ゲームが

ダウンロードランキング

ベスト10の中に3本

入っているが


ランキングに入っていない

ヒットしなかった

ゲームが多数ある。


それは開発から発売まで

多くの金と手間が、かかっており

結果的に赤字を生み出し

失敗となっていた。


同じ開発チームメンバーが

同じ場所で考えたアイデアでは

以前出した作品と

似てしまい

ヒット作は出づらい環境となる。


ゲーム会社が陥る

閉塞感が、それだ。


ゆえに新しいアイデアを

どの会社も

喉から手が出るほど欲しい。


実際に多くの会社が

外部や一般人に募集をかけたが

成功した例は多くない。


それを知っていたので

立花は新規事業と言って

新しいゲームのアイデアを

募集したのであった。


もう一つの意図は

立花の存在を

副社長として

オリファルコンの

社員全員に認めさせる事だった。


これは、朝礼の後に行った

開発チームのミーティグで

立花が新しい制度の発表を

した時に決定的なモノとなる。


『開発チームの方には

著作権ボーナスを支給します』

立花の言った言葉に

参加していた

開発チームの社員は

ポカンとした顔をしている。


そこで立花が笑顔で

『これから説明します』

そう言って解説を始めた。


ゲームで大ヒット作を

生み出しても

儲かるのは

会社だけであった。


徹夜続きで作成した

開発チームの人間や

キャラクターデザインした

デザインチームは

自分が作ったチームと言う

自負があるが


だが実際には

会社だけが儲かり

開発スタッフは

ヒット後に金一封や

ボーナスが少し増えて

終わりだった。


『そこで旧作を含めて

開発チームの方が過去から

自分が携わったゲーム全てで』


『1年間で得た利益の1%を

著作権として

オリファルコン在籍の

期間中は利益を毎年還元します』


それを聞いても

開発チームの人間は

ピンときていなかった。


『開発費や営業経費や

人件費を差し引いた後の

純利益』

『そこから、開発に携わった方に

そのゲームが生み出した

純利益から1%を毎年4月に

会社貢献ボーナスとして

毎年支払い続けます』


『ですから長く会社に在籍されて

ヒット作品を多く作った方は

毎年4月のボーナスが

多くなる計算になります』


『純利益を1億円を出した作品を

2本を生み出した方には

4月に200万円が

支払われます』


ヒット作によっでは

10年くらいランキングしている

息の長いゲームもある


『長く在籍して

会社に貢献した人間が

報われる制度です』


『悪くない制度だと思うのですが

如何でしょうか?』

立花に、そう聞かれた

開発チームの人間達は

大きく頷いてる。


立花の、このアイデアで

後にオリファルコンを辞めて

別の会社に行く人は

大幅に減った。


更にテレビで、この新制度を

報道してから

募集をしてないのに

転職させて欲しい

そんな入社希望者が

殺到したそうだ。


立花が就任して

一週間後


オリファルコン社内で

立花は

尊敬される副社長に

名実ともになっていた。


『副社長が来てから

会社が変わってきたな?』

オリファルコンの社員達の間で

笑顔で、この会話が

多くなってきた。


だが例外もいた。


それはエクシブハンターの

ワールドカップ大会の

企画会議をしていた時だった。


立花がアウトラインを

説明した時に


『お言葉を返すようですが

その考え方は古いと思います』


入社2年目の女子開発社員

永田裕子が


副社長である立花の

プレゼンにケチをつけたのである。


後に小林邦子と同じく

絵色女神から

立花を取り合いする

女子との初対面であった。













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