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第7話 よく見えるぞ千里眼



明文(ミンウェン)は座禅を組んで、目を閉じていたが、何も見えていないわけではなかった・・・


遥か遠くを見ていたのだ。


修行の成果が少し出てきたのだ。


彼は不安定ながらも千里眼を使う事が出来るようになった。


今日の千里眼は調子がいい。


都の様子を見てみる事にした。


官人達が見える。


仕事よりも鞠を蹴る事に勤しむ者。


地方から来た村の長から賄賂を受け取る者。


宰相は自分の地位に居座って、下級官人を自身の僕のように扱う。


ただ、真面目に国の為、民草の為に頭を悩ませる皇帝の姿だけは気の毒に思えた。


皇帝は良き帝であったが、忠臣には恵まれなかった・・・


いやいや、今は世俗を捨て、仙人になる道、仙道を進む身。


見る場所を変えた。


大空の向こうを見ようとした。


雲から頭を突き出す険しい山々。


その空に1つ、小さな何かが飛んでいた。


それが何かと気になり、もっと近くで見るように念を込めた。


そのものが、天女の天華(てんほあ)である事がわかった。


優雅に空を美しく舞う、天女の姿。


まさに絵に描かれるような光景である。


しかし、そのようなものに見とれているわけにはいかなかった。


明文(ミンウェン)は修行の身、煩悩は捨てねばならぬ。


だから、別の所を見ようと思ったのだ。


だが、近くで見るように込めた念が止まらない。


どんどん天華(テンホア)の姿が大きく見えて来る。


そして、天華(テンホア)の大きな胸が、その谷間が大きく見えた。


うぶでシャイな明文(ミンウェン)には刺激が強すぎた。


彼は鼻血を拭きだして、そのまま倒れてしまった。


「だれか胸元をじーっと見ている気がしたんだけど・・・なんだったんだろ?」


天華(テンホア)がやってきた。


そして、鼻血を拭きだし倒れている明文(ミンウェン)を見つけた。


「え?まだ何もしてないのに?!」


まさに怪事件であった・・・




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