第3話 仙人になれる薬だぞ!?
明文はすり鉢で薬草やら何やら煎じていた。
手元にある古い竹簡、竹の素材でできた巻物を読みつつ、熱心に調合を続ける。
「この手があった・・・この薬が完成すれば、オレは仙人になれる!」
「でも、この竹簡、所々文字が読めなくなってるけど~」
気が付けば天女の天華が側にいた。
「むむむっ・・・お前、文字が読めるのか?」
「まあ、一応ね~」
「そうか、お前みたいなやつでも学問を身に着ける、それはいい事であるが、近くに寄り過ぎだ・・・」
天華は彼の隣にぴったりとくっついて、その胸が彼の肩にあたっているのだ。
「いいじゃん。私にも何やってるのか見せてよ~」
天華は無邪気にも明文にぐいぐいと密着する。
彼女の胸のやわからい感触で、彼の半身は暖かくなってゆく・・・
「離れろ!作業がしずらい!」
天華はしぶしぶ明文から離れた。
あのやわからい感触が名残惜しい気もしただろうが、彼はよこしまな考えを振り払って、調合を進めた。
「よし、後はこれに熱をかければ完成だ!」
「結局、それはなんなのさ?」
「よくぞ聞いてくれた・・・これこそ、仙人になれる薬、金丹だ!」
「え?〇んたま?」
「バカ!おなごがそのような事言うな!金丹だ!き・ん・た・ん!」
明文は焚火にかけた鍋を用意する。
「見てろ。オレは今日、仙人になって、永遠の命を手に入れるぞ!」
意気揚々と熱した鍋に調合した薬を入れた瞬間
ドカーーーン!!!
薬は大爆発。
明文は真っ黒こげ。
「ありゃりゃ、永遠の命って、死後の話し?」
ケフッと煙を吐く明文。
「長生きする為に死にかける・・・失敗だ。笑ってくれ・・・」
そう、これが火薬のはじまりである。