第15話 まるで童話やん
天女の天華が楽し気に森の中を飛び回ると、森の動物達が喜びの歌を歌い始め、枯れ木も潤い花を咲かせ、雲は天女の上から立ち去り、太陽が輝き、そして空は虹を描く。
「豊か過ぎる・・・これでは修行にならぬ・・・」
座禅を組んで瞑想を続けようとする明文は不満げだ。
「こんなに楽しい1日の中で、どうしてあなたはつまらなさそうな顔をして座禅を組んでじっとしているの?」
「これは楽しい楽しくないの話ではない。仙人になる為の修行なのだ」
「つまらない事して仙人になっても、ずっとつまらないままじゃない?」
「そんな事はないぞ。仙人になってから、天を舞い、宇宙から大地を見下ろし、人知を超えた大いなる哲学にふれる・・・これ程すばらしい事はないぞ」
「ふ~ん・・・よくわからないな~・・・」
1匹のリスが明文の肩に乗る。
「なんだ、このリスは・・・」
リスはほおぶくろにしまった木の実を出して、明文に差し出した。
「ほら、リスちゃんが大事な大事な木の実をくれるって~」
「そんな、口から出したものを・・・」
っと、明文は断ろうとしたが、いらないの?いらないの?っと、訴えかけて来るようなうるんだリスの瞳を見て、断る事に罪悪感を感じ、受け取る事にした。
それを見たうさぎ達は、花を持ってきて、明文の前に置く。
小鳥達も歌い始めた。
そして、イノシシが、目に涙を浮かべながら、明文の前に寝っ転がった。
「・・・リスもうさぎも小鳥達も、やりたい事はわかった。だが、このイノシシは何がしたいのだ?」
「食べていいってさ~」
「ぶ、ぶひぃ・・・グスン」
「た、食べねえよ!泣くくらいならやめておけよ!」
イノシシは森に返した。
「おやぁ、私は何も隠して無いよ~モゴモゴモゴ・・・」
リスが天華の口の中に潜り込んで、ほおぶくろに木の実を隠していないか確認していた。
「え?リス、食ってるの?」
「モゴモゴモゴ~(食べて無いよ~)」
あきらめたリスは口から出て来て、天華の胸の谷間に潜り込んだ!
「いや~ん」
「ああ!スケベリス!!」
胸の谷間からリスのしっぽが出て、フルフルと揺れている。
「明文~!取ってぇ~!」
天華はたわわな胸を揺らしながら明文に助けを求め来る。
「あわわっ!む、無理だ~!」
顔を真っ赤にして逃げるうぶでシャイな明文。
果たして彼は、無事に仙人になれるのであろうか・・・