第1話 仙人にオレはなる!
昔々、険しい山々が続くとある秘境にて・・・
「随分と人気のない高い山にたどり着いた。ここならば、誰にも邪魔されず、仙人になる為の修行に専念できるぞ」
1人の若者が荷物を背負い、山の頂に訪れた。
彼は名を林 明文と言う。
古の仙人に憧れて、修行をする為にこの山にやって来た。
ちょうどいいほら穴もあって、修行するには最適の場所に思えたのだ。
「まずは、精神を鍛える為に、瞑想をするか・・・」
彼は目を閉じ、心を無にする・・・
「もしもーし」
どこからか声がする・・・
「おーい。寝てるのかな?」
何であろうか?邪念であろうか?
「こんな所で寝ると風邪ひいちゃうよ~」
明文は目を開いた。
なんと目の前に、宙に浮く美少女がいたのだ。
「な、なんだお前は!」
美少女は身にまとった羽衣をふよふよと揺らしながら明文に近づいてきた。
「こんな所で何してるの?」
「なんだお前・・・天女か?」
「そうだよ。わたしは天女。天華って言うの。あなたは?」
「オレか?オレは明文。林 明文だ。修行中の身、邪魔しないでもらいたい」
「修行?こんな所で?変なの~」
「笑うんじゃない!ここら辺で一番高いこの山で修行をして、オレは仙人になるんだ!」
「ふ~ん・・・」
「なんだよ・・・オレの事、馬鹿にしているのか?」
「ここら辺で一番高い山って言ったけど~、あっちの山の方が高いよ」
天華が指さす先、霞が少し薄らいで、大きな山が姿を見せた。
「・・・・だ、大事なのは高さじゃない」
「強がっちゃって~。かわいい~」
天華は何か嬉しそうに宙を舞う。
彼女の大きな胸がゆらゆらと動くもんで、明文は彼女の胸に視線が釘付け。
「いいや・・・大事なのは大きさじゃない・・・」
明文は邪念を振り払って、瞑想を再開する。
「ねえ、桃食べる~?」
「うるさい!あっちいけ!」
明文が天華を追い払おうと、手を振った時だった。
ぷにっ
明文の手に、柔らかな感触・・・
「いや~ん」
天華の色っぽい声。
明文の手は、天華の大きな胸を触っていたのだ。
「あ、ご、ごめん!」
「もぅ、積極的なんだから~」
うぶでシャイな明文にとって、これは刺激が強すぎた。
彼は鼻血を拭きだして、その場に倒れてしまったのだ。
果たして、彼は無事、仙人になれるのであろうか・・・
【ぼうけんのしょ】
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