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⬛︎の中身は何だろな

再会を願う宴はまだまだ始まったばかり…

初めて見た猫族が圧倒的に多いこの場所はハナにとってはアウェイな空間であったが…ある一匹の耳の垂れた黄色の毛並みの小さな猫族から握手をせがまれた事をきっかけに、次々とハナに期待と無事を願う握手をする為長蛇の列となっていた。


『頑張れよ!』

『頑張るね!』


『あんな凄い魔物を仲間にするんだ、おまえさんならきっとやれる!!頑張ってこいよ!』

『ありがとう!期待に応えてみせるよ!』


『早く帰ってきてね!』

『皆んなを連れて早く帰るよ!』


等等色んな励ましの言葉の受け答えをしたり、何処から持ってきたのか綺麗な花の冠を小さな猫族達に付けてもらったりしていた。


本当この国はあったかいなぁ…

この人達の期待に応えれるよう頑張らないと!


そう改めて決意したハナであった…。




あと、猫族達の興味はハナだけでは無く、ガクとセキも勿論その対象だったようだ。


ある程度握手の人数を捌き終わった後、

ハナが[角にんじん]をガクとセキに上げているのを小さい猫族達が見ていて、それを渡してみたいと言われたので、動物園の餌やりみたいに[角にんじん]を渡していく…。


ガクも子供達の為に張り切って食べていたが、やはりセキの炎を使った食べ方は子供達…いや、大人達にもウケていて[角にんじん]をもらう量もガクより遥かに多かった。

セキも満更ではないようだったが、対するガクは…セキの見物客が多くなるにつれて少し劣等感を抱いてそうだった。


それを見かねたハナはガクの頭を撫でて(ろう)(ねぎら)う…、木陰から遠目で見ていた先程握手の先陣を切っていた黄色の猫族が歩いて近寄ると私も頭を撫でていい?と聞かれたので、ハナは笑顔で頷いた後そのまま横にズレてスペースを譲ってあげた。



なでなで…



『うわぁーふかふかー!』


『ふふっそうだねぇ…ガクも喜んでるよ』


『この子ガクって名前なんだ!ふかふかだしかっこいいねー!』




自分の毛並みよりふかふかだったようで歓喜の声を更にあげていた。



なでなで

なでなでなでなで…



《ハナ様ハナ様!》


《どうしたのガク?》


《我はいつまで撫でられれば良いのですか?》


《あの子が満足するまでかなぁ…ガクも嫌じゃないでしょ?)


《は、はぁ…分かりました…》



そんなに照れなくても良いのに…




そんな事をしていると追加の[再会の錦]が来たので、まだまだ食べるつもりのハナは、トーニャの居るテーブルに戻った。



『ふー、ここの人達皆んなあったかいね…活力が湧いてくるよ』


『うん…本当に良い国だよ、私もこの国の為に出来る事を頑張らないと!』



『あっ、そうだ!昼に言ってた回復薬置いていくね!』


そういうと早速鞄から出したのはアーチナから貰った薬を取り出していく…。

[兎角の丸薬]

[兎角の粉塵]

それらを机の上に小さな山のように並べていく…。


整列が終わった後、コッソリと手渡しで、

[兎槍の粉塵]

[幻槍角の霊薬]

も全てトーニャに渡した。


『嘘っ…こんなに沢山…!

お昼に言ってた回復薬ってもしかして…!』


『そう、この四種類…最後のは[幻槍角の霊薬]って言って、死んでも生き返らせる事が出来るらしいよ』


『…ありがとう…ここまで私達に与えてくれるのは嬉しい…



…だけど、特にその霊薬…それは流石に受け取れないわ』



そう言うと皆に見られないよう…ハナの鞄に霊薬をそっと戻す。





『え!?戦いが起きるなら持ってた方が…』


『戦争で戦って死ぬなら私達は本望よ…国を守る為の戦いだもの…ただこの数だと持っているだけで、使う人を決めないといけなくなる…つまり、私がその人の生死を握る事になるの…』


トーニャは一呼吸置いた後、ハナの目を見据えて続け様に言う…。


『それなら私が持っていない方が無駄な争いも起きないし皆も諦めが着くからマシなの』




あっ、そうか…私は死んでいく誰かを救えるならあまり考えずに使ってしまいそうになってしまう…だけどこの世界は戦いで死ぬ事など良くある話の世界なんだ…、

そしてトーニャは猫族をまとめ上げる責任ある立場にいて、最終的に生き返らせる者を選択する…、

つまり死んで行く者を決めないといけないっていう事は辛いし厳しいものがあるよね…。


『うん…なんとなくだけど分かった…、コレは私が使う事にするよ。後はどう?』


『ありがとうわかってくれて…。

んーっと、正直言って全部喉から手が出るほど魅力的だし欲しいんだけど、ハナが先に何個か選んで持っていって欲しいな!向こうでハナが戦いになってしまった時とか…後、助けた私達の仲間も必要になるかもしれないしね!』


『成程!そう言うことね!

よし!じゃあ何個か選んで持っていくよ!』


ハナは鞄に再度薬を詰めていく…特に数の事は気にしていなかったし、自分よりもこっちの方が大変だろうと思い必要最小限に留めるつもりだった…が、トーニャの言う通り助ける猫族の事も考え少し多めに持って行く事にした。


@@@@@

[異空間の鞄 無制限]

追加分


[兎角の丸薬] 10個

[兎角の粉塵] 10個

[兎槍の粉塵] 3個

[幻槍角の霊薬]3個


@@@@@




『あれ?それだけでいいの?まだまだ薬あるのに…』



『結構多めにしたんだけどなぁ…まぁコレだけあればきっと大丈夫だよ!』



『じゃあ私達の分はコレね!本当にありがとう!!ハナの回復薬のお陰で今回の戦いは問題なく終わると思う!!』



トーニャはハナの手を握って感謝を伝えた後、

椅子の上に乗り、手を叩き視線を集める。


『皆さん!!ハナより有事の際に使う肉体の怪我を直す丸薬と粉塵を大量に頂戴した!コレで敵を屠る事に専念する事が出来る!!私達の戦いには勝利の女神が付いている!!恐れる事は何一つ無い!!!




そう!!我らの女神ハナに乾杯!!!』




『ええぇ!そんな!女神だなんて!盛りすg

『『『『乾杯!!!』』』』


ハナの否定の声は皆の声によって掻き消されるのであった…。




ーーーーーー




称号変更依頼


否決


⬛︎⬛︎ハナ → 女神ハナ

上記の変更は信仰心の不足により失敗しました。



猫族のマタタビより一定の信仰心が産まれた事により名声値の上昇を確認。

これに伴い称号の設定変更可能領域内に達しましたが、高位の称号変更依頼は信仰心不足の為失敗しました。



達成率

人族  -5%

猫族  33%

犬族  0%

鳥族  0%

森人族 0%

矮人(わいじん)族 0%

漁人(いさりびと)族 20%




ーーーーー


何…コレ……?


脳裏に焼き付くように急に新しい情報が文章の様に飛び込んでくる…。

周りは時が止まったかのように、音も匂いも無く光すらも全てセピア色の薄い色合いになってしまい、ハナはそこに取り残された感じがした。



うーん…、表示した文字の読み上げの声が、ニャルデルと同じだ…こういう不思議な空間系はニャルデルが担当と言う事なのかな?


それより…⬛︎⬛︎ハナって目隠しされてたのは、女神ハナって名前の伏線だったって事?でも失敗してるし…

あと信仰心って…神様みたいになりつつある状態なのかな?トーニャが前言ってた事…あながち間違いじゃないかも…。


この脳内文章をみる限り、猫族達の達成率と言われる%が上がった理由はさっきの影響と何となく分かるけど…人族は何故下がっているの?会ってもいないしまだ何もしてないんだけども…、

そして何故か漁人(いさりびと)族はかなり上がってるし…本当に意味分かんない…。



とりあえず脳内のコレは少し意識を現実世界側へずらすと、なんだか元に戻りそうな気がしたので、集中を解くように意識をずらす。




グーーーン…



そう言う音が聞こえそうなほど、周りの音と、匂い、光さえも知覚できるようになり、ハナは時間の進んでいる普通の世界に意識が戻って来たんだと安堵した…。





『…ナ…ハナ!大丈夫!?』


『えっ!?私どうしてた!?』


『なんか寄り目で口を開けてボーッとしてた…

正直ちょっと怖かった…』


『いやぁ…私もそれは怖いわ…』


その表情をキープすればまたあのグラフが見えるとか?人目の着く所は恥ずかしくて無理だけど、部屋であとで試してみようかな…。




『そんな事より、ハナから皆んなに何かかける言葉無い?聞きたがってるよ?』



猫族の皆んなが何かを期待してこちらをじっと見つめていた。


かなりの数の視線が集まる…。



『おほんっ!…私は…女神とかそんな大それた者じゃないけど、この国の人達皆が幸せになれたらなって思ってる…きっと私が無事にあなた達の家族を連れて帰って見せるから!だから皆んなでこの危機を乗り切る為に頑張ろうー!!!』



『『『『おぉぉぉ!!!!』』』』


おっ…!

ちょっと…なんか乗ってくれるの楽しい。

ライブとかやってるミュージシャンもこんな感じなのかな?




『残り2日!私達の国の為、尽力を尽くすぞ!!』


『『『『おぉおお!!!!!!』』』』




やはりトーニャは人を操るのが上手い…

私より圧倒的に一番大きい雄叫びを一身に浴びているのであった。



ーーーーーーー

ーーーー



『やっと終わったですぞ…』


『あっガク、お疲れ様!』


ガクの毛並みが逆毛になっていたりへんな癖が付いていた…かなりの時間身体を自由にさせてあげていたみたいで、トーニャと料理を食べながら談話している中、しょぼくれた表情でトボトボと歩いてきた。


『ガクも優しいねぇ…子猫ちゃんもすっかりガクの事気に入ってるみたいだよ?…あっほら来た』


再びガクを追いかけトテテっと駆け寄ってくる黄色子猫族…、但しガクはぷるぷると震え私の座ってる席の後ろに隠れていた。


『あれー?ガクちゃんは?』


『ガクちゃんはちょっと疲れちゃったみたい、また今度遊んであげてね?』


『うん!わかったー!』


そう元気良く返事をすると、小さな黄色い身体はセキの居る群衆へ向かって行くのであった。



『ふぅ…助かりもうした…』


『子供と遊ぶのはなかなかハードのようだね』


とハナはガクに話すとカラカラと笑った。



『ハナはよくガクと喋ってるよねぇ…きゅぴきゅぴと楽しそうで何よりだよ』


『あぁあまたやっちゃった!!』


近くで聞いてきたトーニャはクスクスと笑い、ハナはあーっもう!またか!っと心の中で恥ずかしがり頭を掻きむしる仕草をする…。


その時チラッと見えた腕に赤い宝石が編み込まれた紐が目に入った。



『あっ、そのアクセサリーって……』


『あっこれ?[力のストリング]って言って、【紋】を使っていない時に力が1.5倍になる紐らしいよ?便利だし可愛いでしょ?』


『うん!ハナが着けてたらどんなでも可愛いよ!…って…あれ?それって効果ちゃんと出てるのかな?確か【神紋】って言う凄い力は自動でずっと出てるんじゃ無かった?』


『あっ!!!』



そうだ…【神紋】の【龍蛇】は自動で常に展開している状態のハズ…って事は、あの初めにネネの店で付けた時の力が上がった感じなのはただのプラシーボ効果だったって事!?


『えぇ…金貨7枚もしたのに…効果が無いなんて…』


そう言いながら目線を上げると、コチラを心配そうに見ていたトーニャと目があった…



そうだ、私が使えなくても…


『あっ、トーニャなら使えるんじゃない?』



そう提案したが、トーニャは首を横に振る…。


『例え効果が無くてもその綺麗な赤色はおしゃれだし、普段使いのアクセサリーとしてハナに似合ってると思うよ?』


『いやいや!力が上がるなら戦いでも有利に使えるかも!!

やっぱりトーニャが持ってた方が良い気がする!!私が持ってると宝の持ち腐れみたいになっちゃうし…』


『そう言われるとそうかも…私の【紋】も温存して戦う必要があるかも知れないしね…じゃあ貰うんじゃなく少しの間借りておくって事で!』


そういうとトーニャへ私の[力のストリング]を手渡した。


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