お話し
無事にランクアップを終わらしたハナは、シズの元を離れ、応接室まで歩いて行くべく進む、道中金剛猫が居たことを思い出し、襲われても面倒なので再びカードにガクを仕舞う。
なぜ応接室に向かうと言うと、ノルウェルにそろそろ人族から猫族の奪還をするべく動くと伝える為だ…。
ずっと考えていた、普通に見ても武闘派集団のサモナーである猫族達が何故人族に簡単に連れ去られてしまうのかについて…初め聞いた時は愛玩動物として連れ去っていたと平和的に思っていたが、もしかしてとの不安が頭を過ったのだ…、龍蛇のカード情報に載っていた、[エンブリオン]…実験大好きなこの人族が関わっていた場合向こうに連れて行かれた猫族がどんな処遇を受けているか想像に難く無い…。
ならいち早く助けてあげないと、と思ったのが今回の動機だ。
まだこの世界に来て2日目でコレを決めたのが、私の性格上夏休みの宿題は早めに終わらすタイプだからだ。
力も付いたしお金もある、言葉が通じるなら大丈夫!
知識は無いけど…、
まぁそんな事を考えてトーニャにノルウェルの場所を聞いてみたが、普段何処にいるのか分からないらしい…何かある時はノルウェル側から何かしらのコンタクトを取ってくるから特に困った事は無かったそうだった。
とりあえず、シズにも伝えたし、金剛猫にも応接室の中で待っている事を伝えた。
一様私の[鳳凰の嘴]で連絡してみるも、
遠い所にいるのか返事がなかった為繋がらず。
もう夜になるのに何処に行ってるのやら…
少しいい材質の椅子に座りながら。
トーニャと時間潰しがてら何か良い話題は無いかと記憶を辿る…あっ!
『私言ってなかった事あったの思い出した!ニャルデルって言う神様にあったよ?』
『それ滅茶苦茶気になってた!私も色々あってすっかり忘れてたし』
色々あったばかりに重要人物の話を忘れていたのだ…少し可笑しくてお互い笑ってしまう。
『で、ニャルデル神様はハナについて何言ってたの?』
ハナはその時起きた経緯を時間いっぱいに使い伝えた。
『成る程ねー、やっぱりここの世界の人じゃなくてその異世界人って分類だったのね?で、ニャルデル神様から、【拾い紋】って凄い力を貰って…、ハナの元の世界に帰るには、7つの種族の神が居る鳥居を潜るのと、大多数の願いを叶えて有名になるってことと、その【異世界転生紋】って[紋]に耐えれる身体を作るって事か…。へー…』
ハナの話を聞いた後、トーニャは静かに何かを考えていた。
『どうしたの?』
『なんかまるで…神様になる為の修行みたいだね』
『え?帰るための[紋]を集めて身体を作るって事なら別に変な事じゃないと思うけどなぁ』
『大多数の願いを叶えるって所がひっかかるんだけど…まっいっか、例えハナが神様になったら今よりいい世界を作ってくれそうだし』
『ふふっ、なにそれ』
またお互い笑い合う、実際に神に会って凄い力を貰い、一番素質のあるハナが神になったらっという馬鹿馬鹿しい夢物語みたいな話が面白かったのだ。
そんな話をしていると、ガチャリと扉が開く音と共に金剛猫が入ってくる。
後ろには珍しく神妙な面持ちのノルウェルがいるのであった。