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一時帰還!

古代遺跡の洞窟より、脱出したハナは、急いで【鳳凰の嘴】を、顕現しトーニャに連絡を取ろうとしたが、

[天音の草原]を[白虎の脚]で駆け回り、ハナをずっと探していたであろう汗だくのトーニャを見つけ声をかけながら降り立つと、まるでビーチフラッグのように勢いよく飛びつき抱きしめられた。



『はぁはぁ…良かった…はぁ…生きてた…』


あんまり怒ってない?

連絡するって言ってこんな時間まで放ったらかしだったけど…まさか許されてるのかな?


『またまたー大袈裟だよ、私がこんな所…『じゃあ何で帰ってこなかったの!?連絡は!?心配したんだよ!??』』


と思ったが現実はそんなに甘くは無かった…


『うう…ごめんなさい…』


『貴女は強いのかも知らないけれどこの世界に来て日が浅いんだからもう少し気を付けないと!そうでなくても肝心な事も言わないでしかも夜にダンジョン1人でなんて…ほんとありえない!一体…』ガミガミガミ…


内容は割愛する…もう、スッゴイ怒られた!

パーカーのフードの中に隠れているガクの紹介もしたいし私も色々積もる話もあるのに、トーニャのこの怒りが治るまで私の話聞いてくれなそう…


《ガクちょっと待ってて…》

《ぎ…御意》


ーーーーーー


ーーーー


ーーー



太陽が夕方に傾いてきた頃、漸くしてトーニャは許してくれるようになったのか、私の身に起きたことを聞いてきた。


一つ一つ細かく話すと時間が掛かるため、だいぶ端折って話していく…。

殺戮兎の事、龍蛇の事、倒した時に得た神紋の事、古代遺跡の宝箱の事…。


あれ?半日で結構物語あったな…。

だいぶ詰め込み過ぎじゃない?


トーニャはそれらを聞くと、驚きの連続で流石に手に負えないのか、頭を抑えながら帰ってからノルウェルに詳しく話して欲しいと良い、マタタビに帰る為、鳥居のある入り口へと向かっていた。


『ハナも大変だったんだね…ごめんね話も聞かずに怒ってしまって…』


『心配してくれたんでしょ?連絡忘れてた私が悪いんだし…』


『じゃ次は私も誘ってね!流石に龍蛇とか…殺戮兎も無理だけど…道案内位なら出来るから!』


『うん!頼りにしてるよ!』


ハナとトーニャはお互い笑い合う、駄目なものは駄目、良いものは良いと、気の合う友達の様に話せるのはとても良いものだ。


初め、トーニャに殺戮兎の話を振った時、

『嘘でしょ?あれを5匹同時に倒したの?夜に訓練がてら素材収集の為にモチッコや小鬼を狩ってた時に初めて出会って、その時戦ったけど強過ぎて一匹から逃げるのが精一杯だったんだけど…』


と、驚いていた。


フードの中に居たガクを話の流れで紹介すると、攻撃してこないか心配してたが、私の眷属になった事と、繋がりのお陰で喋れるから大丈夫と持論を力説すると『眷属は分かったけど、魔物と名前の繋がりがあれば喋れる?流石に意味が分からないよ』と言われた。


え?繋がり関係ないの!?

かなりドヤってガクに考察垂れてたのに…


そのあとトーニャは続け様に『殺戮兎って確か6階層くらいの中層付近に生息するレアな魔物だった筈なんだけど1階層でガクの仲間がそんなに沢山いたなんて…そう考えると珍しいよね』

と言っていた。


話を少し掘り下げてみると[天音の草原]は単なる初心者用の階層でしかなく、深い階層には殺戮兎や他の強い魔物もいるが、上層部に出てこないのが定石という…。だからトーニャが出会った時点で既におかしいらしい。


じゃああの龍蛇は?ってなると思うけどそれは流石に既知の範疇から外れているそう…



『ねぇガクなにか知ってる?』


『いえ我はあの場…ハナ様の仰る古代遺跡より出たことが無いため、中層と言うのは分かりませぬ…お役に立てず面目ない…』


『ハナ…何キュピキュピ言ってるの…?』


『え?そんな言葉言ってた?』


『うん、かなりキュピってた』



きゅぴ…



『恥ずい…誰かいる時は念話にするよ…、所でさっきガクに聞いてみたら昔からこの階層にいたって』


『んー、もしかしたら中層付近で何かあったのかも…暫くは大丈夫だと思うけど、その内ハナにも探索手伝って欲しいかな?』


『いいよー!でも私そのまま中層いけるのかな?』



『シズの所に行って、中層に行くためのランクアップしなきゃだね!ハナなら絶対余裕だよ!!』



『シズさんかー…また怒ってなきゃ良いけど』


『大丈夫!昨日しこたま怒ってきたから!今日は流石に落ち込んでるんじゃない?』


と自慢げにサムズアップを決めるトーニャ


あぁ…あの酒場の時相当荒れてたもんなぁ…

アーチナさんと仲悪いのかな?



後気になった事としては、ガクがマタタビに入れるのかどうかをトーニャに聞いた時、確実に加護で弾かれると言われたが、カードに記されてあった[ニャルデルの加護の効果範囲から外れている]との文言があった事を伝えたら、それならばマタタビの入り口から入っても、特段問題ないんじゃ無い?と教えてもらった。

どうやら加護は、マタタビに魔物を入れない為のもの…意味はどうであれ、その加護の効果範囲から外れるのであれば、ガクはもう魔物では無いという判定でマタタビにも普通に入れるのでは?

とそういう理屈?らしい。


なるほどそういう解釈も出来るのか…

てっきりニャルデルに嫌われたのかと…




そんなこんな話していると、鳥居のある入り口についた。

フードから降りたガクが、意を決してそーっと鳥居を通ってみると特に弾かれるとかそういう事が一切何もなかった。

やっぱりトーニャの推測は正しかったようだ。


鳥居を潜った後、魔物を連れて歩くと知らない猫族達はビックリするので、またフードに入れるか迷っていたが、ガクの『カードの中で宜しいのでは?』の案に乗っかって、ホルダーより取り出したカードをガクに当てた。


『消えた!?』


トーニャは消えたガクがカードに入っていると、見せながら説明すると、えらく食いついた。


『コレがハナが言ってたカードか…魔物の図鑑とか言ってたけど…成る程すっごい出来栄え…

あっコレが説明文!へー…、いいなぁ…

本当にニャルデル神さまの事書いてある…って、なんでハナの前文黒く塗り潰されてるの?』


『ほんと私も聞きたい…』

ハハっと、乾いた笑いを返すハナ



気になってたガクがマタタビ入国問題について、特に問題なく入れたのでホッとする…外に置いてきて間違って討伐されてでもしたらと思うと…タラレバはよしておこう。


一旦帰還できたし良しとするか!

鳥居をくぐり、無事帰還!


ただいま!マタタビ!


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