表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

7/29

第7話 施設探索

投稿直前になって編集し直したくなる今日この頃

(これは凄いな。聖剣を振るっていた時以上じゃないか?)


 扉の先へ抜けた俺は、今の爪撃がどのくらいの威力に匹敵していたか考える。


 恐らく、聖剣を用いて魔王と戦ったときのどの攻撃よりも、一撃としては今の攻撃の方が重かっただろう。

 戦闘中にあそこまで大きな溜めを考えると、撃てるタイミングが実際には無かっただろうが、如何せんただの魔力強化なので調整次第で汎用性抜群だ。


 上手く扱えば、今の状態でも本気を出した魔王と戦えるレベルだろう。


(だが、おかしいな。幾ら何でも、これは威力が高すぎる)


 たしかに、予想以上の魔力を込める事ができたが、込めた魔力量はしっかりと把握していた。


 それにも関わらず、この威力は想定に合わない。約2倍近い威力が出ている。


 何が原因だと俺は爪痕に近づくと、その断面を見た。


(これは……浸食? 闇魔力か? …………たしかに闇魔力を持っているな。何故俺に闇魔力が?)


 魔力には属性があり、属性には特性がある。

 闇魔力には浸食の特性があり、扉の断面は黒い魔力跡を残して腐食する様に浸食切断されていた。


 これが、想定外を作り出した原因で問題無いだろう。


 そして、ここで問題となるのはこの闇魔力、魔族や一部のモンスターのみが持っているはずの特殊な魔力なのだ。

 本来、俺は更に希少な光魔力含めた火、水、木、土の5属性のみ魔力を持っていたはずだが、今は闇魔力の反応も体の内から感じる。


 どうやら属性まで意識していなかったので、無意識に闇魔力が魔力強化に混ざってしまったらしい。


(兵器化の過程で魔族関連の魔導具でも使ったのか?)


 その答えは考えてもわからないので、俺は情報を探しに施設内を歩き出す。


 何故、魔法は封印しながらも魔力その物は封印しなかったのか。

 何故、ここまで頑丈な扉を用意しながらそれを簡単に破壊する力を持たせたのか等。

 疑問点がどんどん増えるばかりの為、施設内に残っているかもしれない資料を探した方が速いと判断したのだ。


 あの実験室兼拘束部屋とは違い、まともな資料が僅かでも残っている可能性がある。

 考えるのはそれからの方が良いだろうと、俺は研究施設を探索し始めた。


 ■


 俺は扉を切り裂き、部屋の中へと入った。

 先程の様な頑丈な扉では無く、素の力で切り裂ける程度の扉だ。

 あれの後だと物凄く脆い扉に感じるが、普通はこの程度頑丈であれば十分なのだろう。


 実際に何とか読める資料が、僅かにだが残っていた。

 探索はこの部屋で最後になるだろう。


(ふむ、1番奥の部屋だからもしやとは思ったが……)


 ここは研究施設の1番奥。


 俺は1度施設の出入口付近まで行ってから引き返してこの部屋まで来た。


 ただ調べ残した部屋が無いように考えての行動だったが、最後にこの部屋に来てしまう辺り、運命というのも意外とあるのかもしれないなと考えてしまう。


 まぁ、重要人の部屋と考えれば1番奥にあるのが普通なのかもしれないが。


(ラウネの部屋……か)


 思う所が何もない訳では無い。

 だが、恐らく1番情報が多い場所だろう。


 俺は周囲を隈無く調べていき、扉付近から順に、本棚に残された本等、持った拍子に切り刻まない様に、先程探索中に見つけた鞄へと放り込む。


 そして、最後に大きな机の裏を調べた。


「……!」


 死角となって見えていなかったが、その光景に俺は驚いた。


 余り驚いたりしない性格だと思っていたのだが、今日はよく驚かされる日だ。


 だが、その光景は予期できなければ仕方ないと言えることだろう。


 そこには……、大量の黒くなった血が床と壁に広がっていたのだから。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ