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第3話 研究施設と再開

書きたい所まで書いてそのまま話数当てはめているだけだから文字数の差が酷い。

今回長いです。

 牢に入れられて数日後、俺は研究所とやらに連れてこられた。


 城の地下に、こんな施設が広がっていたのかと周囲を見回していると、ある一室で『入れ』と言われて背中を押される。


 俺は白い白衣を着た研究所の人間と見張りの騎士団に引き渡され、ここまで歩いて来たのだが、その部屋に居た人物は驚きの相手だった。


「やぁ、久しぶりだね。勇者様?」


「……ラウネ」


 その人物は、つい数日前まで一緒に旅をしていた仲間、緑髪の少女ラウネだった。


「中々災難だったみたいだね?」


 彼女は旅をしてきた時と変わらない、軽い態度で俺に話しかけてくる。


 数日前、俺を捕まえにきた時に見せた態度はまるで何かの間違いだったんじゃないのかと思えてしまう程だ。


「ああ、おかげさまでな」


「元気そうで何よりだよ」


 そう言ってラウネはにこやかに笑う。

 本当にあの日の事は何かの間違いだったのでは無いかと、俺が疑い始めた頃……ラウネは続く言葉を表情を歪めて言い放った。


「……ところでその魔道具、凄いでしょ? それ、全部僕が考案した魔道具なんだ。君レベルに効果があるかは半信半疑だったけれど、無事に効果があった様で良かったよ」


 ラウネは俺に着けられた魔導具を見ながら、そう言う。


 わかってはいたが、どうやら先日の出来事は間違いではなかったようだ。


 彼女は魔法関連の知識なら右に出る者が居ないと周りから言われる程、凄い奴らしい。

 俺は魔導具にはそこまで詳しく無いが、たしかにここまで効力の強い魔導具は見た事も聞いた事も無かった。


 だからこそ、彼女が作ったというなら納得できた。


「君が魔王を倒してくれたおかげで僕の功績も認められ、この研究所を任されることになったんだ。君には本当に感謝してるよ」


「そうか、それなら俺を自由にしてくれないか? 何でこうなったかは知らないが、冤罪で捕まった。動きづらいからさっさと外して欲しい」


 彼女の知識と頭の良さには、旅の途中でも助けられた。


 何かの誤解があったとしても、その誤解を解ければ彼女なら助けてくれるかもしれない。


「そうだね。僕は……僕達は君の事を知ってる、よーく知ってるよ。その性格も、君がどんな人間なのかも全て。でも、その相談は聞けないかな」


「……何故だ?」


 研究所を任される程の立場も有り、ましてやこの魔導具の制作者だという。


 それなら、この枷を外すくらい簡単に出来ると思ったのだが……。


 そう考えていると、ラウネが驚きの言葉を口にする。


「だって、――そもそも君を犯罪者(そういう風)にしたのは僕達だもん」


「何……?」


 俺がこんな目にあっている元凶がラウネだと?


「僕なら誤解を解けば助けてくれるかもと思ったのかな? 残念だけれど、今回の事はフレンとマリスとも共犯でやったことだよ。僕達3人で君を犯罪者に仕立て上げたのさ」


 流石に予想外の事で声も出ない。


 精々王国からの捕縛命令が下って従っていたとか、そういった可能性を考えていたのだ。


 どうやら、その関係は逆でラウネだけで無く、3人全員の仕業だったみたいだ。


「何故そんな事をしたんだ?」


「理由かー、そうだね……。君は、自分の力をどう思っているんだい?」


「どうって……力は力じゃないのか? それ以上でもそれ以下でも無いと思うが……」


 俺がその行動に至った理由を聞くと、ラウネに自身の力がどう思っているか問われるが、いまいち質問の意図が掴めない。


「……質問が悪かったね。君の力が、どの程度の強さだと認識しているかということさ」


 満足できる回答を得られなかったからか、ラウネは自分の質問に補足を加える。


「結論から言えば、その君の力は異常にすぎる。魔王をほぼ1人で倒すなんて芸当、歴代の勇者と魔王のおとぎ話でも聞いた事が無い」


 それの何が問題なのだろうか?


 たしかに、旅の途中で聞かされた先代の魔王と勇者の戦いでもパーティ4人が力を合わせて魔王を討ったとされていたが、1人で倒せるのならそれで何も問題は無いだろう。

 その方がリスクは少なく、時間もかからない。


 魔王を倒すという結果が変わらないのであれば、後はどうでも良いことだろう。


 それに――


「俺は1人で戦っていない、お前達も一緒に戦ってくれただろう?」


 聖女マリスの言葉を思い出し、ラウネに問う。


 あの時、ラウネ達はたしかに四天王達を抑えてくれていた。

 魔王との戦いに横やりを入れられていればその分、時間がかかってしまっただろう。


 道中でも、『それぞれの役割を果たす事で僕達は協力してるんだ』と、それに同調したのは他ならぬラウネだ。


「一緒に戦う? ふふっ、おかしいね? 道中も、四天王ですらも全部1人で全部瀕死にさせといて、アレの何処が一緒に戦ってたんだい? あんなのは自身が何も出来ていない事から目を逸らす、都合の良い言い訳さ!」


俺の言葉に、ラウネは力強く俺の目を見て憎しみ、叫び笑うように返事を返してきた。


 その姿を前に俺は何も言えなくなってしまう。

 そんな俺に、ラウネは1つため息を吐いてから続けた。


「結局、世界を救ったのは君1人の力なのさ。皆それを本当はわかっている。……話を戻すけれど、そんな君は国1つの軍事力を遙かに凌駕してるんだ。そんな力は強く、恐ろし過ぎて危険なのはわかるかい?」


 俺とラウネは立って向かい合う姿勢で話して居たのだが、彼女は後ろへ振り返り、机の方を向いて言葉を繋ぐ。


「いつ牙を向けるかもわからない国1つ滅ぼせるだけの力を、管理もできずに近くに置いておくなんてのはとても怖いってことさ」


「それが理由なのか? 俺は別にそんな事をするつもりは無いんだが」


 要するに、俺を魔王と同じくらい脅威と見なし、この行動に及んだと言っているのはわかった。


 だが、そんな事はそもそもしない。

 理由も無いのに、何故わざわざそんなことをしなければいけないのか?


「………………でも、だからと言って失うには非常に惜しい力だ。だから、君には兵器化改造実験を受けてもらう。僕達の手足となって動いて貰う為にね。ふふふっ、感謝してくれよ? 君を処分する方に動かそうとする貴族達も居たのに、こういう対応におちつけたんだからさ? ……ああ、実験についても心配は要らない。僕は失敗しないし、意識はそのまま残してあげる。悪い様にはしないよ? ただ、制御化に置かせて貰うだけだからね」


 ラウネは俺の疑問には答えず、そのまま長々と話を続けた。


 答える気がないのなら、これ以上は聞いても無駄だろう。

 俺の処遇についても説明を受けたので、俺は返事を返す。


「……そうか」


「……君の性格はよくわかっているつもりだけれど、少しは抵抗したらどうだい?」


「……? もう決まっている事何だろう? 無駄な抵抗をした所でそれこそ無駄だ」


 ラウネも変な事を言う。

 ここまで拘束されてしまったんだ。

 納得出来ないことは多々あるが、他に抜け出す手段も無いし、言われる通りにするほか無いだろう。


 それとも、ここで懇願でもすれば今言った事を辞めてくれたりでもするのだろうか。


「はぁー……――もういっそこの際だから言うけれど、君のそういう所、本当に大嫌いだよ」


「そうか」


 どうやら、俺は彼女に相当嫌われていたらしい。


 ここまでの所業をするのにも納得だな。


「……もういいよ。明日には手術を受けて貰うから、騎士団と研究員に連れられた部屋で大人しく待っているといい」


「わかった」


 俺はその言葉を最後に、ラウネがいる部屋から出て行き、外で待機していた人間に連れられて一室に放り込まれる。


 ラウネは姿が見えなくなる最後までこちらを振り返らなかった。

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