悪魔はすぐ側に
騎士は泣きじゃくるあたしの背中をさすりずっと抱き締めてくれた。
「辛かったな…メロディー…。」
「騎士…」
騎士の唇が優しくおでこに触れた。
「ふぇ…!騎士…?」
「ずっと…好きだったんだぜ。相変わらず綺麗だな。でもお前の横にはいつも琉ちゃろがいた。俺は遠くで見てるだけだった…。メロディー、俺はお前が好きだ…!これからは俺がお前を支えるから!」
騎士の告白はあたしの心を激しく揺さぶった。
ケド、騎士の事は友達としてしか見れない。
「騎士の気持ち…嬉しいよ…。でもあたしはまだ琉ちゃろの事が…」
「俺が忘れさせてやる」
騎士はそう言って強引にあたしの唇を奪いそのまま抱いた…。
騎士は童貞だったのでぎこちなかったがそこも可愛く思えた。
「メロディー、まだ足りねぇよ…」
そう言って騎士は朝まで何度も射精した。
そして、最後発射された精子に虹が架かった。
汗だくのあたし達。
こんなに求められたのは久々だった。
疲れて眠る騎士の髪を撫でる。
騎士結構いいかも♪
率直にそう思った。
それからは毎日やりまくりだった。
どんどん上達する騎士のテクニックに溺れていった。
琉ちゃろの事はすっかり忘れていた。
騎士と関係を持って数ヵ月。
ある異変に気付いた。
あたし、生理きてない…?
いてもたってもいられずドラッグストアに向かい検査薬を万引きした。
近くのパチンコ屋のトイレに入りすぐ検査した。
結果は【陽性】
あたしは妊娠していた。
「あの野郎…」
騎士は童貞だったのでゴムの付け方が分からずいつも生でしていたのだ。
「クソ童貞が…」
すぐに騎士にLINEで妊娠を伝えた。
「マジ…?ピル飲んどけよビッチが!とりま金かき集めても2万くらいしかないから残りの堕ろす金はなんとかしてくんない?」
コイツ最低…。
こんな父親ならいない方がいいよね。
あたしは空を見上げ、
ひとりで産む決意をした。
空を見てると一台のヘリコプターがこちらに向かって飛んできた。
つづく。