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【始まりのフロンティア編】第1話「新しい世界への旅路」

プロローグです。

本作はとてつもなく不器用な主人公と、訳あり五人姉弟の子供達が異世界を舞台に旅をし、平穏で暮らせる方法を探す物語です!

どうぞよろしくお願いします!


 人は死んだ後、天国に行くか地獄に行くか決めるらしい。

 本当にそんなもんがあるのか。

 その真実はわからねぇ……ただ、本当に天国と地獄ってもんがあるのだとすれば、俺がどっちに行くのかは決まってる。


「――あなたはその生涯に幕を下ろしました。そしてここは死後の行先を決める選定の場所です」


 人間離れした美貌を持つ女は、目を覚ました俺にそんなことを言ってきた。


「……あら。もしかして自分に何が起きて、今がどんな状況か理解できていませんか? それでは、映像と共に詳しく説明を――」


 その必要はねぇと心で思うと、その女はそれすらも察するように話すのを止めた。


「その様子ですとちゃんと覚えているみたいですね。あなたのこれまでの人生と、その最期を」


 なんとも掴みどころのねぇ女だ。浮世絵離れした雰囲気を纏ってる割には、話すとどこか親しみ易い。そういった手前は腹の内がわかったもんじゃねぇが……。

 女が言う通り、ちゃんと覚えている。

 自身の生きてきたどうしようもねぇ人生と、その末路を。


「……鬼嶋隆一(きじまりゅういち)さん。あなたは多くの失敗を重ね、間違い続けました。そうして25歳という若さで生涯を終えました。今、なにを考えますか」


「――てめぇのツケがてめぇに回ってきたってだけだ」


 そこでようやく声を出した。


「……不思議ですね。取り乱すことなく、私が何者なのかを問うわけでもない。冷静なのか自棄になっているのか……」


「この期に及んで生き急ぐことはしねぇ。それに、自分が死ぬ瞬間を覚えてんだ」


 取り乱すことなどない。至極、簡単な話だ。

 ――俺は地獄に行く。そんなこと、殺される前から分かり切っていたことだ。

 極道の世界に足を踏み込んだ時点で、覚悟は出来ていた。


「……ふむ、あなたはこの場所に来ることを待ち望んでいたのですか?」


「決まってたことだ。問答は時間の無駄だぜ――さっさと俺を地獄に落とせ」


 豪華絢爛な椅子や机、まるで雲の上にいるかのように周りは綺麗な青空で包まれている。


 ――その大きな椅子に腰かける女は、苦笑いを浮かべて人差し指を俺の前にあるもう一つの椅子に向けた。


「そんな急ぐことないじゃないですか。さぁそこに掛けて私とお話ししましょ?」

「だから、時間の無駄だと」

「――それを決めるのはあなたではないのです」


 ……自称神の圧力で、俺は言われた通りに椅子に腰かけた。

 ……最後の時間だ。女の興に乗っても、少しは許されるだろ。


「それでは、あなたの人生を振り返りましょうか、鬼嶋隆一(きじまりゅういち)さん」


「……好きにしろ」


 どちらにせよ、俺には拒否権がない。

 俺の発言に、女は特に表情を変えることなく話し続けた。


「さてさて、あなたの人生は……壮絶ですね。生まれてすぐに親は育児放棄。家庭内暴力当たり前。そんな劣悪な家庭環境の中で育ってしまえば、やんちゃになるのは仕方ないですねー」


 ――女の言う通りだ。俺の親は子供に暴力を振るう畜生だった。


 ギャンブルと酒に溺れ、仕事もせずに借金まみれ。


 親同士はお互いを愛していたが、子供など二の次だったな。

 そんな中で育った俺が普通のはずがない。

 その頃から他人を信用することは出来ず、常に周りを警戒して、身を守ることに必死だった。


「ただ、あなたには一人だけ大切な人がいた。そうですね?」

「あぁ、たしかにいたな。昔のことすぎて、忘れちまってたよ」

「またまた、ご冗談を――片時も忘れたことはなかったでしょ? あれだけ大切にしてた妹さんを」

「ちっ……。あぁ、そうだ。確かに俺には妹が()()


 ――女は悪そびれもなくその話題を出した。

 ……女の言う通り、俺には妹がいた。年の離れた妹で、親の代わりに面倒を見ていた。


 美虎(みこ)、俺と違っていつも幸せそうに笑う奴だった。


 最初はあの親が世話を押し付けてきたっけか。

 最初は面倒で、何度か世話をしなかったこともあった。でも初めてあいつが俺の前で泣いた時に思った。


 ――あぁ、こいつには今、俺しか頼れる相手がいないんだって。それから少しずつ慣れねぇ世話を焼き始めたっけか。


「貴方を唯一愛し、そして貴方が唯一愛していた。だから貴方は、妹を守るために万引きを何度もした。何も与えない親から妹を守るためには、そうするしかなかったんですね」


「なんだ、俺を憐れんでいるのか?」


「――もちろん。でも万引きは犯罪です。……ただ、子供であった貴方にどうにかすることはできない問題でしたね」


 ……金を稼ぐ方法なんてその時はなかったからな。


「貴方が家族を守りたいという気持ちに間違いはなかった。それは美しい家族愛です! ……そんな貴方の人生が本当の意味で狂ったのは」

「――中坊の時か。そのころだったな」

「……貴方が15歳の時、当時7歳であった妹さんは突然失踪しました。何の手がかりも見つからず、妹さんは神隠しのようにどこかに消えました」


 当時の俺は妹をどうにかして見つけようとした。柄にもなく焦り、警察にも相談した。


 だが警察は俺の親を見て取り合おうともせず、逆に俺を疑う。何度も警察に世話になっていたからか、捜査さえされなかった。


 個人で調べられることには限界があった。時間も情報も足りない。

 だからこそ俺が、選べる道は一つしかなかった。


「貴方は極道の世界の住人になりました。裏世界の情報網ならば、妹さんの足取りを掴むことが出来ると。ですが現実はそう甘くなかった」


「……あん時は人生で一番絶望したぜ。なんせ美虎(みこ)を見つけるためだけにヤクザになったのに、何も手がかりがなかったんだからな」


 そして一度入っちまったあの世界から、抜け出すことはできなかった。


「……あなたは抜け出そうとは思わなかったんですか?」


「――思わなかったな。俺にはよ、もう何もなかったんだ」


 美虎(みこ)がいなくなって、俺の人生は何もなくなった。

 親を見限って半殺しにして、その上であいつまでいなくなっちまったんだ。


 なまじ腕っぷしだけあったから、組織の連中は俺を異様に気に入られ、極道としてはある意味で出世はした。


 そうやってどっぷりと、極道の世界に浸かっていった。


 ――俺のどうしようもない半生を振り返って何になる。


「……埋まらなぇ穴を紛らわすために誰かを蹴り飛ばして、血反吐を吐かせた。どんだけの人間の人生を奪ってきたか知ってんだろ? ――今更振り返る必要なんてねぇ。地獄に行くのが真っ当だ。そうじゃねぇと道理に合わない」


「そうですね。貴方は人間の中でも悪人に分類されますよ――でもね、貴方には信念があったはずです」


「……信念だと?」


「そうです。鬼嶋隆一(きじまりゅういち)は、一度たりとも表の人々――カタギの人間には手を出さなかった。表の人々を裏で守っていたでしょ?」


 ……守っていた、なんてきれいな言葉を使うなよ。

 裏のいざこざに表の人間に被害が被ることが仁義に反している。

 ただそこで真っ当に生きてる奴らに関わらないことは、裏の世界の役目だ。


 それができねぇのは極道の者じゃねぇ、単なるチンピラだ。


「貴方は本当は、誰も傷つけたくなかったんです。それが貴方という人間の本質じゃないですか?」


「……だから何だ? 俺が間違えつづけた事実は変わらねぇ。こんな押し問答に付き合っていられるか」


 俺は立ち上がり、今すぐにでも地獄に行く素振りを見せる。


 この女は何が言いたいんだ。

 そもそも俺には地獄に行く以外の道は許されないんだよ。


 ――それなのに女は、それを許さなかった。


「――逃げるないで、鬼嶋隆一。貴方の仰る地獄に落ちるのは、逃げですよ」


「……逃げだと?」


 その言葉を聞いて、俺はまた女に視線を向ける。


「何度だって言います、あなたは自分の間違いに向き合おうとしてない」


「自分のケツは自分で拭く。地獄に行くことは道理だろうが」


「地獄の業火に身を焼かれ、永遠に続く痛みに耐えることが贖罪だと、本当にそう思ってるんですか?」


「――それ以外に何があるって言うんだよ……ッ!」


 ……その煮え切らない態度に腹がたち、俺は女の胸ぐらを掴んだ。


「償えるような優しいもんじゃねぇんだ。俺がこの足で、どれだけの人間を傷つけてきたか、知ってんだろ!」


「――本当はそんなことをしたくなかったことを、私は知ってますよ」


 ――女は俺を抱きしめた。


「私は知っています。あなたはずっと抗っていた。極道の世界で、救える命をあなたはいくつも救ってきた」


「――」


「親の借金のせいで売られた子供を救ったこともあったでしょう。裏の世界の騒動に巻き込まれた人々を、いつも命をかけて解決していたでしょう」


 ……こいつには全てお見通しだ。俺の何もかもを知って、その上で言ってるんだ。


「自分の後悔から、逃げないで」


「――俺が後悔してるってか」


 ああ、後悔してる。しねぇはずがない。

 本当なら15歳の夏、美虎(みこ)を連れて家を出て、二人で静かに暮らすはずだったんだ。


 極道の世界も早い段階で抜けていれば、まだもう少しマシな未来があったかもしれねぇ。


 ――こんな俺を、美虎(みこ)が見たら絶対に泣いちまう。自分のせいでこうなったって。

 あいつを泣かせるような人間に、俺はなりたくなかった。


 俺は……、


「俺は――善人(カタギ)で、いたかったんだ……っ」


 そう言うと、女は俺を離して微笑んだ。


「その願いを、叶えることはできます」


 女は、目を瞑り、懐から拳大の大きさのガラス玉を二つ、俺に渡した。

 その一つは赤く、もう一つは白い。


「――あなたの思う限りない善を尽くすのです」


「……俺の思う、善を尽くす?」


「はい。あなたが後悔をしない選択をするのです。人を傷つけてきたのなら、人を想い、そして正しいと思うことをしてください」


「そんなことが、俺に許されるのか」


「許すとか許さないとかじゃないです――もうこれ以上、後悔をして欲しくない。……自分がどうしたいのかをちゃんと考えて、道を決めて欲しいんです」


 女は俺の手にあるガラス玉を指差した。


「赤いガラスは地獄への片道切符――白いガラスは酷く険しい世界への()()()()。危険が隣り合わせの世界で、あなたは限りない善を尽くすでしょう」


「……どちらかを、俺に選べっていうのか」


 女は頷いた。

 ――後者。限りない善を尽くして、苦しく危険な試練が待つ、か。

 善を尽くすって言葉が俺には似合わなさすぎる。


「……俺がその世界に行く、意味はあるのか」


「その世界で貴方に出来ることが必ずあります」


 不意に、俺は女にそう投げかけた。


「あなたでなければ、なんて大袈裟なことは言いません――それでも私はあなたに、この道を進んで欲しいのです」


 ――屈託のねぇ笑顔と、強い意志。決して捻じ曲がらない信念の上で、女はそう言った。


 だからこそ、俺の答えは決まって……腹の立つことに、それも全てお見通しなんだろう。


「もし後者を選ぶなら貴方に危険と隣り合わせの世界に転移させます。そしてあなたにその世界で生きるための特別な力をお渡しします」


 ――地獄に行くのは簡単だ。待ち受ける苦しみに永遠に受け身でいれば良いから。だけど、こいつはそれを許してはくれない。


「さぁ、選んでください」


 こいつには何か考えがあるのだろう。じゃなければこんな提案はしない。

 だが……思惑の裏を読めるような頭はない。


 その世界に何があってとか、損得勘定は分からない。そもそも損得なんてもん、俺には不釣り合いだ。


 ――だからこそ、俺は直感で決めた。


「何もいらねぇよ。お前からの施しは受けない」


 俺は考え、そしてそう答えた。


「金も力も知恵もいらねぇ。全部自分の身一つでどうにかする」

「……本当に良いのですか。力を持たずにこの世界に行くことは、限りなく危険で無力です」


 死に急いでるとでも思えば良い。

 唐突な邂逅、唐突な選択肢、唐突な転移。何もかもが性急すぎて考えがついていかねぇ。

 それで新しい世界で善を尽くせ、だ。


 だが、それが俺には丁度いい。最悪野垂れ死ぬ。上等だ。

 だからこそこいつからの施しは甘えだ。甘えは俺には必要ない。


「どうせ一度死んだ命だ。どう使おうが、てめぇには関係ねぇだろ」

「……内罰的ですね、貴方は――では一つ、予言してあげましょう」


 察したように細く笑う……見透かされたような一動作がどうにも腹が立つ。

 女は白いガラス玉を手にとって、それを自身の胸元に持っていく……その瞬間――この世と思えない綺麗な光が、俺の目に映った。


「貴方が求めるものは、今から行く世界に必ずあります。きっとあなたは後悔のしない選択をすることができる」


「……まるで見たきたように言うな」


「神パワーですよ。まあただの勘なんですが」


 女はそう言うと、手元にある光を俺の周りに纏わせる。

 蛇のようにとぐろを巻くその光は、俺の脳裏に一つの光景を映した。


 ――いくつかの小さな影。その影は何かから逃げていた。

 逃げて逃げて、逃げた先で一際大きな影に辿り着く。

 その大きな影は、その小さな影を守るように数多のなにかの前に立ち塞がり、戦っていた。


「……今のは、お前の仕業か?」


「さぁ、それはどうでしょうか?」


 女は含ませる言い方をして、胡散臭い笑みを浮かべた。

 ……今の光景はなんだ。何か意味を持つのか、それとも――それもこの先でわかるか。


「……なんでもない――どうすればその世界とやらに行ける?」

「まぁまぁ、そんなに急ぐこともないでしょう。少しくらい私の世間話に付き合ってくださいません?」

「おい、そんな時間もったいない」

「――命令です、付き合いなさい♪」


 ……最初から付き合うことは決まっていたと言いたげな顔だ。


 俺に拒否権がないことも理解して言っていると思うと、ふわふわしているように見えて、食えない野郎だ。





 ……………………。


 ――時間は忘れた。どれだけ話したのか時計がないから分かりはしないが、少なくとも数時間という時間ではない。


 どこが少しだ。俺が現役なら、確実にこいつを蹴り飛ばしている。


「……あ、そういえば先ほどの質問の返答を忘れていましたね」

「先ほど? 冗談だろ。何で俺の身の上話からお前の恋愛話なぞ聞かないといけないんだ。何十時間話せば気が済む」

「乙女はお話が好きなんです~。それに付きあってくださるところは、実は甘ちゃんですね?」


 ……その一言に少し睨むと、視線を外して苦笑いを浮かべる。


「何故かすごく強いドラゴンに睨まれた時と同じ感覚になりました。眼力が凄すぎです、リュウさん」


「……なら、早く教えろ」


「――分かりました。新しい世界の行き方ですね。それは簡単です。目を瞑り、この雲の上から落ちれば良い。少し長い間眠りにつき、その間にたくさんの夢を見ます」


 俺はその空間の端の方に歩いていくと、女の言う通り、そこには雲があった。


「その夢は決して忘れてはいけません。覚えていてください」

「……必要だからか?」

「――覚えてくれないと、悲しいからです」


 ……何が悲しいとは言わない。だが、その表情からこいつの悲壮感だけは伝わった。

 ――きっと優しい神様なんだろう。地獄に行くと決めていた俺を諭して、わざわざ別の選択を取らせた。

 根本のこいつはお人好しも良い所だ。


 ……少なくとも、腹を割って話した義理がある。だからその義理を破っては俺の仁義に反する。


「……わかった」


「良かった――せめてもの贈り物として、貴方が今から行く世界の名前をお教えします」


「……その世界の名前は?」


「――イルソーレです」


 ……それを聞いて、俺は目を瞑る。そして雲へと向かって、そして――


「太陽と祝福の世界。そこであなたはやり直すことがきっと出来るはず――あなたでいうところの、カタギとして」


 その声と共に、目の前は真っ暗になり、意識は完全に途切れた。



 ◎・・・◎



 次に彼が目を覚ました時、そこには荒野が広がっていた。


「長い夢、見た気がすんな」


 起きる直前まで見ていた夢だが、あまりに断片的なもので思い出すことはできない。


 ……ただまぁ、懐かしい夢であったことは間違いなかった。

 ――白のワイシャツに黒革のズボン。死ぬ直前に着ていた服をまとっていて、持ち物はそれだけだ。


 辺りを見渡すが、そこにあるのは寂れた荒野だけだ。


 不自然に干からびた大地を踏みしめるように、俺は歩く。


 自分で臨んだとはいえ、今の俺には身体一つと、この世界の名前しか知らない。

 何をするにもまずは水と食料の調達が必須だった。


「……何もねぇな」


 見渡す限りの青空と荒野。大きな岩が地面から生えるように刺さっており、人の歩く道でもない。


 少し先に木々が見え、まずそっちに向かう。植物が育つということは水があるのか。


 学のない俺が捻って考え出した答えだ。


「……さて、どうしたもんか」


 俺をこの世界へと送った張本人との会話を思い出しす。

 あの何もかもを見透かしたような神は、この世界で俺にできる事があると言った。


 別にその言葉を信じたわけではない。


「……何すりゃいいのかわからねぇ――それも歩けば分かるか」


 それすら自分で考えろと突き放したとも思える。まあ当然か、そもそもそれを望んだのは俺だ。


「野垂れ死ぬか、何ができるか――できるかなんて、らしくねぇな」


 その時――ドンっ、と俺の足元に衝撃が走る。

 弱々しい衝撃だ。ふと足元に目をやると、そこには小さな生き物が張り付いていた。


 それも一つではない。

 5人ほどの小さな子供は、人の姿とは少し違う容姿をしている。

 ふわふわな癖のある髪に、ツノのようなものを生やしている。

 一番大きな子供でも、中坊にも満たない。全員が痩せ細っていて、身体は震えていた。


 そして、一番大きな子供が、顔を上げた。そして弱々しくも鬼気迫る様子で、


「――たすけてっ」


 涙を浮かべて、俺にそう願った――……



 そうして、俺――リュウと天羊族(ペコラ)の子供たちは何もねぇ荒野の真ん中で出会った。


 この出会いがこれからどれだけ俺の人生を変えるかも、この時の俺には知る由もなかった。


本作は全9章構成からなる物語です。

この作品を読んでくださった読者様、一人でも多く楽しめる作品にしますので、どうかこれからよろしくお願いします!

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