夢①
「じーーーー」
「なんだ」
「べーつーにー?」
さっきからずっとこちらを見ているロザノ、私にもよく人を見るくせはあったが本当になんなんだ。言いたいことがあるなら言えばいい話だろう
今までのあらすじ…(感覚的に)お腹がすいたというので食事処に寄ることにしたのだ。
「…料理が冷めるぞ」
「ん?…あぁ、忘れてた」
「おい、お前が言い出したことだろう」
そう言って食べ始めるロザノ、考えながら食べているせいか時々手が止まる
「…またあの夢の話か?」
「…セーザには関係ないでしょ」
「いや、関係ある。話せ」
「嫌です」
…あぁ、そうだな、効かないか。ロザノの眼中には私が映ってないもんな。そりゃあ効くわけがない。だが今ので私の能力がバレたと仮定すべきだろう。もう少し警戒しなければな
《セーザの畏怖掌握の妨害に成功しました。解析完了、畏怖掌握の効果は》
畏怖掌握:能力所有者を畏怖している場合、その者を能力所有者の意のままに操る
…どこの魔王だよ!?というかそれってオーラに耐えきれない者を意のままに操るってことでは?…凶悪すぎるなこれ、封印させたいところだがオーラとは違い無理そうだ。
そして勘でしかないけどオーラを押さえつけてる空間もやろうと思えば跳ね除けそうな気がしてきた。
…おっと話が大分ズレた、油断大敵だな。いつ能力が来るか分かったもんじゃない
そしてそんなことを考えていたらいつの間にか食べ終わっていた。そして二人向き合うように相手の出方を伺っている
暫くの沈黙が続いた後
「あの夢なら私も見たぞ」
「あの夢?何のこと?私は夢なんか見てませんけど?」
「お前が死ぬ夢」
「…!違うでしょう、セーザが死ぬ夢よ」
「…見てるじゃないか、詳しく聞かせてもらおうか?」
しまった、と思う頃にはもう遅い。したり顔でセーザはスキルを発動させる。慌てて口を塞ごうとするが身体がいうことを効かない
「何故か怒り狂ったセーザが魔王軍幹部のシーベルトとか言う男に為す術もなく殺された…」
「…そうか」
「私が喋ったんだからあんたも喋って」
「断る」
「待ってよ」
そう言って早足で立ち去るセーザを引き止めてこっちを向かせる
「…放っておいてくれ、1人になりたい」
「…セーザ」
そこには涙を流しているセーザがいた、不意に手を離してしまう。掛ける言葉も無くセーザを逃してしまう。急いで追いかけようとした、しかし
(私が追いかけて出来ることなんてないでしょ)
なんて考えが過ってしまった。
…それでも、セーザを追いかけなきゃ
決意を決め店をあとにした
まだ続きそうだなぁ
ロザノチョロい。