転生
語彙力?無理です。
窓から差し込む朝日が眩しくて目が覚める
身体を起こそうとするが起こせないことに疑問を持つ、いつもなら痛がりながらも起こせたからだ
そして徐々に痛みが広がっていき思考することもできなくなっていく
そしてしばらくして身体を跳ねさせ目を静かに閉じた
私は死んだのだろうか?ここは暗いな
ーそれはそうだろう、死んだのだから目なんかあるはずがない
本当、馬鹿みたいな死に方だ…笑えない
ーお前の運動不足のせいだろ、自業自得だ
…さっきから馬鹿にしてくるお前は誰だ
「誰って目の前にいるやつだが?」
(え?ちょっと待って?目の前…って私生きてる?)
「うん、生きてる」
(目も開けれる?)
「そりゃあ自分の目だしな」
(…ってさっき目がないって)
「そんなことより目を開けて私を確認したらどうだ?」
(…うん、さっきのは忘れよう、うん)
そう思ってから恐る恐る目を開ける
そしてその姿を見て驚く、そりゃあそうだろう…
目の前にいたのは私なのだからーついでに言うとマウントを取られていた
「やっと起きたか、とりあえず…死ぬか?」
「いやいやいや、ドッペルゲンガーじゃあるまいし」
「瓜二つの私がいるんだからお互いが殺し合うのが当たり前でしょ?」
満面の笑みで短剣を首元に向けてくる私
「こっちは武器持ってないしマウント取られてるからね!?」
「拳が武器でしょう?」
もうやだこの私殺る気満々じゃあないですか…
「てのは冗談で」
「冗談にしては本気だったよ!?」
「まぁまぁ、そんなことは置いといてどうする?」
そう言うと私は短剣をしまって立ち上がる、そして今の状況を確認する
周りは本棚で囲まれている迷路のようなーつまりは図書館にいた
何故図書館?普通は洞窟とか神殿とかそこらじゃないの?と思ったがまぁ、そういうのは人外とかの転生先だろう
「…というか色々聞きたいことが山ほどあるんだけど」
「いいよ、探索ついでに教えてあげる。お前が死んだら私がどうなるか知らないし」
そして本を読み漁ってる間、解明したことがこちら
・情報は共有される
・思考が似ることもあるがほぼ異なる
・互いの思考を読むことも可能
・忘れることがない
・身体能力は同一…ではなく殺意が凄い方が断然的に高い
・基本的なことは第三者が教えてくれた
…って
「誰だお前!?」
誰もいない図書館に二人の声が響く、そりゃ驚くよ、この二人しかいないこの場所で声が聞こえたのだから
《貴方のスキルです》
ふーん…ってえ?
「なぁなぁ、偽物の私、スキルって持ってる?」
「一応な、要らないけど」
え、マジで?そういうのある世界なの?
…うん、もうなんでもありな世界だな、うん、そういうことにしておこう
「よし、じゃあ知識も大体手に入れたし行くか」
「行くって何処に?」
「図書館の外だろ?」
「え、あるの?」
「当たり前だろ?何?それとも物語ここではい終了…ってするつもりだったのか?」
「うん」
「おい…とにかく行くぞ」
「痛い痛い…って痛くない?」
「そりゃ私だし」
「そこも共有されるのか…」
そんなことを言い合いながら偽物が私の耳を引っ張って連れていく
「当てあるの?」
「ない」
「…終わったなこれ」
耳を離させ行き先を聞く、このままでは迷子になって始まらないのでスキルに聞いてみる
《図書館のマップ作成…成功しました、こちらがその地図です》
ふむふむ、なるほど……ってわかるか!私地図苦手なんだけど!?
私の空間把握力がここまでダメだったとは…
《ナビを開始することも出来ますがどうしますか?》
なんか呆れられた気がしますがとりあえずナビがなければ出れないのでここは依頼しておく
そうすると視覚上部に矢印のようなものが浮び上がる
これがナビかな?勿論偽物にも見えてるだろう
「これ追ってけばつくらしいよー」
「…まぁ、私も自分の迷子の才能は認めてるしいいか」
「素直じゃないなぁ…」
24歳、就活で失敗しそこからずるずる引きこもり生活、運動不足で死亡し転生してもう1人の私とスキルを手に何を巻き起こすのか、その冒険譚が今始まる