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ランプを片手に異世界へ  作者: 烈斗
オーガの里編
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第八十一話・悪魔達の企み

新章突入です、是非読んでください!



ここは人間の住む世界から遠く離れた場所にある魔界。

数多くの魔族達が生息しており、巨大な力を持つ魔王が支配している異郷の地である。




魔界にそびえ立つ禍々しく巨大な城……

その玉座には黒い闇のオーラを纏った剣が飾られていた。

剣に装飾された宝石のような球体が妖しく輝いていた。


「魔王様、報告がございます」


ミーデが現れ、玉座の前で膝をついた。


「ミーデか……申してみよ」


剣から低い男の声が聞こえ、宮殿に響き渡った。

どうやらこの立派な剣には魔王の魂が宿っているようだ。


「はい……あの魔人イフリートが、竜族との戦いで闇の力を覚醒させました」

「そうか……あやつめ……度重なる実体化(リアライズ)を経て、そこまで力を取り戻したか……」


剣の中の魔王はどこか嬉しそうな様子だった。


「いずれ本来の力を取り戻すのも時間の問題だろう……そうなれば世界は再び混沌の渦に巻き込まれる……楽しみだな……ミーデよ、引き続き監視を任せるぞ、後、神器の回収も怠るなよ」

「かしこまりました、魔王様」


ミーデは返事をし、その場を去った。


「魔王様、宜しいですか」


入れ違うように杖をつきながらら、白髪の老人が現れた。


「デビッドか……何だ、申してみよ」


魔導師デビッドはミーデの師であり、数千年前から魔王に仕えている古株である。

よって魔王からの信頼は厚い。


「以前オーガの里に我々の軍門に下るよう呼び掛けたのですが、一蹴されてしまいました……我々魔王軍の下につく気は無いと……」


デビッドは玉座の前で膝をつくと残念そうに報告した。


「オーガの里か……愚かなやつらだ……この我の誘いを無下にするとはな……」


剣の中の魔王は不機嫌そうにした。


「よし、オーガの里を滅ぼせ !我々に逆らったらどうなるのか……思い知らせてやる……かつてのエルフの村のようにな」

「ではその役目、このデビッドにお任せください」


デビッドが静かに申し出た。


「ほう、何故だ ?」

「特別な理由は御座いません、ただ、ここ最近運動不足でして……私も歳です……なにもしなければ腐ってしまいます」

「そうか……今お前に居なくなられては我も困るからな……適度な運動は健康に良い……この件はお前に任せるぞ」

「はっ !」


デビッドは頭を深く下げた。


「あ、そうだ」


魔王は何かを思い出したようだ。


「確かオーガの里にはオーガの選ばれし者にしか扱えぬ伝説の神器が隠されていたはず……里を滅ぼす前に、その神器の回収を忘れるなよ」

「かしこまりました」


デビッドはニヤリと不敵な笑みを浮かべ、その場を足早に去った。


その様子をこっそり覗いている人物がいた……。




「皆さん聞きました !?デビッド様がオーガの里に攻め込むらしいですわよ !」


とある部屋にて、一人のツインテールの小柄な少女が二人の男を呼び出し、興奮気味に語っていた。


彼女の名は「レヴィ」

小さな黒い翼と尻尾と角を持つ小柄な悪魔族の亜種「レッサーデビル」である。


「へぇ~デビッド様直々にですか……珍しいですね」


全身を白い包帯に覆われた若い青年が答えた。

彼は「ミイラ男」のライナー。

元々人間だったが死んだ後アンデッドとして甦った。

身体中が腐っており、包帯で身を隠しているのだ。


「で、それがどうかしたの ?」


呑気にレヴィに聞いてきた男は「サイクロプス」のサイゴ。

一本角と真珠のように大きい一つ目が特徴の大男だ。


三人はチーム「悪魔三銃士(メフィラストリニティ)」を組んでいる。魔王軍の中でも下っぱの部類である。


「私達もオーガの里に乗り込むのですわ !」

「ええ !?」


レヴィの提案に二人は絶句した。


「無茶言わないでくださいよ、オーガと言えば、短気で凶暴な戦闘種族です、僕ら下っぱが勝てるわけないじゃないですか」

「そうだゾ、オラも怖いのいやだゾ……」


二人は乗り気では無かった。


「何弱気なこと言っていますの !それでも魔王軍の部類ですか !それに別にオーガ達と戦うつもりはありませんわ !」


レヴィは情けない二人に呆れていた。


「じゃあ何にしに行くんですか ?」

「ふふふ、私こっそり聞いてしまいましたの……オーガの里には伝説の神器が隠されていると……」

「神器?」


サイゴは目を丸くしていた。


「何でも選ばれたオーガにしか扱えない代物らしいですわよ、デビッド様がオーガ達を滅ぼしている隙に私達がその神器を頂き、魔王様に献上するのですわ !そうすれば幹部に昇進間違いありませんわ !」


レヴィは目を輝かせながら二人に力説した。


「確かにそれは美味しい話だとは思いますが……」

「バレたら処刑されない ?」


二人は期待よりも不安の方が強かった。


「そんなことで悩んでたら魔王軍なんて務まりませんわ !さ、善は急げですわよ、二人とも、30秒で支度を終えなさい !」

「「は、はーい」」


二人はレヴィに振り回され、本当に30秒で身支度を終えた。


「さ、神器が私達を呼んでいますわ !皆さん行きますわよ !」

「はぁ……どうなっても知らないですよ……」


ライナーは呆れ気味につぶやいた。


「でも何か楽しみになってきたゾ」


対照的にサイゴは胸を踊らせていた。


「全く、お前は呑気なんだから……」


三人はオーガの神器を手に入れるため、オーガの里を目指し、歩きだした。


こうして魔導師デビッドと「悪魔三銃士(メフィラストリニティ)」が動き出した。

新たな波乱の幕開けである。


To Be Continued

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