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ランプを片手に異世界へ  作者: 烈斗
vs竜族編
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第七十三話・激昂のメデューサ



メデューサに噛まれた者は皆石になる……。

エルサ、リトが石にされ、頼みの武器も無力化された……。私は全身を拘束され、何も抗う術は無くなった。

髪の締め付けはじわじわと私を苦しめる。


「くっ……んんっ…… !」


コロナ、ミライも私を助けようにも助けられない状態にあった。


「ワカバお姉ちゃんを離して !」


コロナは必死に叫んだ。


「ふん、ララを倒したからって調子に乗るんじゃないわよ小娘共 !所詮アンタ達は無力な存在……この女が殺される様を黙ってみてれば良いわ !」

「あああっ…… !」


締め付けがきつくなり、私は涎を垂らしながら呻き声を上げた。


「そうだ……アンタを殺した後、あの小娘共も殺して、まとめて石にしてあげるわ、記念に竜の里でオブジェとして飾ってあげるの……名案でしょ ?」


メリッサはゲスな笑みを浮かべた。

もしそうなれば、最悪の結末になる……。

何とかしてこの状況を打破しなければ……皆全滅してしまう……。


「どうしよ~このままじゃワカバちゃんが~……」

「だが迂闊に近づけば即絞め殺されるぞ……それにあの髪……下手をすれば僕達も石にされる……」


ミライ達はどうすることも出来ず、立ちすくんでいた。


ドオオオオオオオン !


その時、もの凄い物音が響いた。


「何だ !」


ヴェルザードとラゴンが激しく戦っていたのだ。




「どうした吸血鬼(ヴァンパイア)さんよぉ !お前の力はこんなもんじゃないはずだぜ !」

「てめえこそ、まだ力を隠してるな、勿体振りやがって」


ヴェルザードとラゴンの殴り合いは周辺を巻き込む程激しいものだった。

躍動する度に地面が抉れ、岩が崩れ、砂埃が舞った。




「ラゴン……」


メリッサは戦っているラゴンの勇姿に見とれている様子だった。

彼女の集中力が途切れ、僅かだが髪の締め付けが緩みかけた。


「今だ !」


ブチィッ


私は残された力を振り絞り、力ずくで髪を引きちぎった。


「ギャアアアア !」


髪を引きちぎられ、メリッサは悲鳴をあげながら悶絶した。

私は髪の拘束から逃れ、ゴホゴホと咳き込んだ。


「この小娘がぁぁぁぁ !乙女の髪になんてことするのよぉぉぉぉぉ !!!」


メリッサは髪をおさえながら、涙目で私を睨み付けた。


「ワカバちゃ~ん !」


ミライ、コロナ、クロスが私の元へ駆けつけた。


「ワカバお姉ちゃん……大丈夫 ?」


コロナは心配そうに私の背中をさすった。


「うん……大丈夫よ……」


まだ身体中が痛いが私は精一杯笑顔を作った。


「でもごめんなさい……私のせいでエルサさんが……」


私は悔し涙を浮かべながら石になったエルサを見つめた……。


「しょうがないよ~ワカバちゃんのせいじゃないから~……」


ミライは翼を広げ、私の肩を抱き締めた。


「でも、二度と戻らないわけじゃないよね……」

「あぁ……あの蛇女を倒せば、石化を解くことは出来るはずだ」


コロナにたずねられ、クロスは髪をおさえているメリッサを見つめながら答えた。


「こうなったら、皆で力を合わせて、あいつをぶっ倒そう~ !」

「うん……」


ミライに励まされ、私は静かに頷いた。


これで4対1……。まだ安心は出来ないが形成逆転した。


「おのれ……全員まとめて石にして、粉々にぶっ壊してやるわ !!!」


メリッサはちぎられた髪を伸ばすと激昂した。

全員に緊張が走る……。




一方、ヴェルザードとラゴンの戦いはまだ続いていた。

お互い肉弾戦のみで魔力を解放していなかった。


「はぁ……はぁ……」


二人は一旦距離を取り、呼吸を整えた……。


「成る程……生身だけでこれだけの力……お前ならヒュウを倒してもおかしくない」

「そりゃどうも」


ヴェルザードは素っ気なく返事をした。


「だが俺の力はそれ以上だぜ !」

「なら解放しろよ、お互いウォーミングアップは終わりにして、本気でやろう」


ヴェルザードは指で挑発した。


「良いぜ ?俺が本気を出すなんて滅多にねえからな ?うぉぉぉぉぉぉぉ !!!」


ラゴンは腰を屈め、拳を握ると力を溜めた。

彼の背中から巨大な翼が、尻から長い

尻尾が、頭から2本の鋭い角が生えた。

身体中に竜の鱗が剥き出しになった。


「俺はドラゴニュートのラゴン !竜族最強にして、この世界の支配者となる男だ !」


ラゴンはドンと胸を張り、高らかに叫んだ。


「ちっ……感じるぜ……鳥肌が立つくらい強力な魔力が……」


ラゴンの放つ魔力は大気をピリピリとうねらせた。

ヴェルザードの頬を汗がつたう。


「確かに、全力のヒュウ以上かも知れねえな……だが俺も、吸血鬼(ヴァンパイア)の血が流れているんだ !」


ヴェルザードは背中から蝙蝠のように黒い翼を生やした。


「おお !お前も飛べるのか !」


ラゴンはヴェルザードの翼を見て歓喜した。


「今までの戦いを経て、俺の中に眠る吸血鬼(ヴァンパイア)の力が目覚めたみてえだな……蝙蝠の翼……翼型(ウイングタイプ)ってとこか……」


ヴェルザードは翼を広げた。


「さあ、始めようぜ」

「ああ !上等だ !」


ラゴンもゴツゴツした翼を大きく広げ、羽ばたかせた。

ヴェルザードとラゴンは空を飛び、空中で戦い始めた。


「うおおおおおおおおおお !!!」


ヴェルザードとラゴン……二人の強者が空でぶつかる。


To Be Continued

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