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ランプを片手に異世界へ  作者: 烈斗
鳥人の娘編
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第三十三話・もっと高く

挿絵(By みてみん)


私とミライはリトを探しに森の中を探索していた。

森は広い上に魔物や盗賊が潜んでいる。決して油断は出来ない。


「こんな時にヴェルやエルサさんやマルクさんが居てくれたらなぁ……」

「誰なの~ ?その人達~」


ミライは興味津々に聞いてきた。


「あぁ、私の仲間です。吸血鬼(ヴァンパイア)、エルフ、半魚人(マーマン)と個性豊かな人達なんです」

「へぇ~よくわかんないけどすっごーい」


ミライは目をキラキラさせた。


「皆私なんかより断然強い人達ですよ」

「ワカバちゃんも強いよ~。だって私のこと助けてくれたも~ん」


ちょっと嬉しかった。


それにしてもランプを奪った盗賊はどこに逃げたんだろうか……。手がかりは全く無く、このままでは時間だけが過ぎてしまう……。

そもそも盗賊団を見つけたからって正面から戦って勝てるわけがない。いくら強くなったと言っても新人に毛が生えたレベル。先行きが不安だ……。

無理せず応援を要請した方が良いのだろうか……。


「そうだ~探しても見つからないなら~、向こうが見つけてくれればいいんだよ~」


ミライは何か策を思い付いたようだ。


「ミライちゃん、何をする気ですか ?」

「へっへっへ~、まあ見てて~」


ミライは口を大きく開けるとお腹が膨らむほど深く息を吸った。

そして、綺麗な声で歌を歌い出したのだ。


ミライの歌声は森中に響き渡った。

木々がざわつき、リスや小鳥などの小動物達が綺麗な歌声に惹かれ、集まってきた。

ミライの歌は森全体を優しく包み込んだ。


「やっぱり綺麗……。」


私は聴き入っていた。何というか気持ちが暖かくなった。

普段の天然なミライとはまるで別人のよう……。まさに歌姫だ。


「やけに上手い歌が聞こえると思ったら~、お前か~鳥人(ハーピー)~ !」


ミライの歌を聞きつけ、ローヴが現れた。

後ろからゾロゾロと手下達もやって来る。


「貴方達…… !リトを返してください !」


私は盗賊達に向かって叫んだ。


「リト~ ?もしかしてこれのことか~ ?」


ローヴはゲスな笑みを浮かべながらランプ懐からランプを取り出した。


「主 !やはり来てくれましたか !」

「リト !」


盗賊達は私とミライを囲んだ。

私とミライは互いに背中合わせになった。


「悪いがこいつは渡せねぇよ~ん ♪そしてお前らもまとめて俺達に捕まるんだぜ~」


私は緊迫した状況の中、動悸が早くなりながらも剣を構えた。


「無駄無駄~ ♪見習い剣士ごときが盗賊団に勝てるわけがないじゃ~ん ?」

「それはどうでしょうか……やってみないとわからないと思いますけど……」


私は柄を握りしめた。


「強がりはよしてくれよ~声が震えてるぜ~ ?」


ジリジリと近づいてくる盗賊達。

ローヴは鉄の鎖をブンブン振り回して威圧してくる。


(メタル)抱擁(チェーン)でてめえらをがんじがらめにしてやるよ……」


ローヴは低い声で呟くと鎖を投げる構えをとった。


「お前らやっちまえぇぇぇぇ !」


盗賊達はローヴの掛け声とともに一斉に襲いかかってきた。


しかしミライは寸での所で翼を広げ、私の両肩を脚の爪で持ち上げ、空へ飛んだ。

盗賊達は標的にかわされ、雪崩れ込むようにバタバタと倒れた。


「何やってんだてめえらぁ !」


ローヴは呆れ、地団駄を踏んだ。


「す、すごい……私を簡単に持ち上げるなんて……」

「えっへん、鳥人(ハーピー)は普段から足腰鍛えてるからね~」


私は空中を浮遊しながらすっかり感心していた。


「逃がすかよ!(メタル)抱擁(チェーン) !!!」


ローヴは鎖を縄のように投げ、私とミライを捕まえようとした。


「しまった !」


鎖は私の腕に絡み付いた。

だがミライは意外にも冷静だった。


「慌てないで~任せて~」


そういうとミライは更に高く飛び、森を抜けた。

ミライの強靭な脚力は並大抵のものではなく、逆にローヴを鎖ごと引っ張り、持ち上げてしまった。


「何~ !?この俺が負けてるだと~ !?」


流石のローヴも自分の今の状況に驚いていた。


「まだまだ止まらないよ~」


ミライは更に上昇した。ローヴは恐怖し、鼻水を垂らしながら鎖にしがみついていた。


「お、降ろしてくれぇぇぇぇぇ !!!」


地上からだいぶ離れ、森も見えなくなった。だいぶ高いところまで飛んだな……。

ミライは一定まで飛ぶと翼を羽ばたかせ、空中で停止した。


「さぁて、地上に戻るよ~、ワカバちゃん、ちょっと怖いだろうけど我慢してね~」


ミライは満面の笑みを浮かべた。


「ま、まさか……」


ローヴは悪寒が走った。

嫌な予感がする。


ミライはとてつもない勢いで急降下をした。

まるで隕石のようだ。


「ぎゃああああああ、もうやってられねぇぇぇぇ !」


恐怖に耐えかねたローヴは持っていた短剣で鎖を切り裂いた。


「助かった……って助かってねぇぇぇぇ !」


鎖から切り離されたローヴはまっ逆さまに落ちていった。


「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ !!!」


ローヴの悲鳴がどこまでも響き渡っていった。


「えへへ~やったね~」

「そ、そうですね……所でこれ、止まるんですか…… ?」

「ごめ~ん、止まらな~い」

「え……」


一度急降下したら地面に落ちるまで止まらないらしい……。


「きゃあああああああ !!!」


To Be Continued

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