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ランプを片手に異世界へ  作者: 烈斗
不死鳥の涙編
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第百九十三話・ピンチ、爬虫の騎士団

皆さんこんにちわ、烈斗です!

新章「不死鳥の涙編」スタートです!

久しぶりの長編になるかと思います!

宜しくお願いします!



灰色に渇き、木も草も枯れ、砂漠のように広がり、冷たい風が吹き荒れる荒野にて、とある二つの勢力が激闘を繰り広げていた。


一つは爬虫(レプティル)騎士団(ナイツ)

もう一つは黒ずくめに覆われた謎の五人の集団だった。


「おいおい、いきなり喧嘩をふっかけてくるとは、面白いじゃねえか !」


ラゴンは胸を踊らせながら謎の青年と交戦をしていた。

どうやらラゴン達は任務の最中に謎の集団の襲撃を受けたようだ。


爬虫(レプティル)騎士団(ナイツ)……君達には僕らの訓練相手になってもらう」


ラゴンと戦っていた青年は不敵な笑みを浮かべた。

謎の青年による手馴れた体術に、ラゴンは翻弄されていた。

最も強い者と戦うのが本懐なラゴンはこの状況すら楽しんでいた。


「俺達は竜族、簡単にはやられねえぜ ?」

「無論、承知している」


ラゴンも謎の青年も、余裕の表情だった。


一方元魔界四天王の一人、ガーゴイルのゴルゴも黒いフードを被ったヤンチャそうな青年と戦っていた。

ゴルゴは元四天王だけあって実力も高いのだが、意外にも苦戦を強いられていた。

ゴルゴは頑丈な肉体に何度も殴打を喰らい、腹にダメージを受け、苦痛に顔を歪めた。


「くっ……この宝石よりも硬い俺にダメージを与えられるとは…… !」

「悪いな、俺は鉄を自在に操れるんだぜ」


ヤンチャな青年は手を翳すと砂鉄が吸い寄せられ、片腕を包み込んだ。

青年の腕は銀色に染まり、光沢が輝いていた。


「ふん……そんなもの……俺には効かんぞ !」


ゴルゴは瞬く間に黒き怪物の姿・ガーゴイルに変身した。

石像に命を吹き込まれることによって誕生したこの姿は並の攻撃ではヒビすら入らない。


「試してみようか !?」


ドゴォッ


ヤンチャな青年は拳を握り、ゴルゴの腹にパンチを一発めり込ませた。


「うっ……がはっ !」


ゴルゴは白目を向き、泡を吹きながらたった一発で崩れ落ちた。


「おっさん……四天王だか何だか知らないけど、時代遅れってやつだよ」


ヤンチャな青年は得意気に鼻を擦った。


その頃、メリッサとララは飄々とした不気味な雰囲気の男相手に翻弄されていた。

どれだけ攻撃しようと、男は透明になったかのように消えて全て避けてしまうのだ。


「お嬢さん方、そんな鈍い攻撃、俺には当たらないよ」


飄々とした青年は不気味に口角をつり上げた。


「調子に乗ってんじゃないよ !ララ !」

「はい、姐さん !」


ララは尻尾を豪快に振り回し、砂埃を撒き散らした。


「うっ……」


飄々とした青年は思わず腕で顔を覆った。


「今よ !」


メリッサは髪を触手のように伸ばし、飄々とした青年を縛り上げた。


「……!」

「フフフ、アンタはもう逃げられないよ、ララ !」


ララは尻尾をバネにしてジャンプし、空中で一回転し、勢いをつけた。


「はぁぁぁぁぁぁぁ !」


ララは長く巨大な尻尾を振り下ろし、縛られて動けない青年の脳天に叩き付けた。

衝撃で大地は揺れ、砂埃が舞った。


「はぁ……はぁ……やったの…… ?」

「さあ、手応えはありましたけど……」


だが飄々とした青年の姿は影も形も無かった。

二人は焦りを見せながら辺りを見回した。


ドゴッ ドゴォッ


飄々とした青年はいつの間にか彼女の死角に立ち、メリッサ、ララのみぞおちにパンチを入れた。

二人は何が起こったか理解出来ないまま、無念にも気を失った。


「俺は元殺し屋……ターゲットの隙を突いて仕留めるのはわけないのさ……」


飄々とした青年はフードを深く被り、倒れている二人を放って何処かへ行ってしまった。


次々と仲間がやられる中、ザルドとヒュウは小柄な少女と紳士的な青年と戦っていた。


「竜族達による騎士団とはどれ程のものか、期待していたが、大したことはなかったようだ」


紳士的な青年は辛辣な言葉を投げつけた。


「言ってくれるじゃねえか…… !いつまでもその紳士的な態度が続くと思うなよ !」


激昂したザルドはリザードマンの姿になり、大地を蹴り、口を大きく開け、紳士的な青年に襲い掛かった。

鋭く生え並んだ牙が青年を噛み砕こうとした。


「おっと !アタシが居ることを忘れんじゃねえ !」


ザルドの前に小柄で生意気そうな少女が立ち塞がった。


「邪魔すんじゃねえガキが !」

「誰がガキだゴラァ !」


ザルドの恐喝に小柄な少女は逆上し、暴言を吐いた。


「あの紳士は俺の獲物だ」


いがみ合うザルドと小柄な少女を他所にヒュウは風を切りながら走り、紳士の青年に向かっていった。


「お前の相手は俺だ……俺達の騎士団に喧嘩を売って、ただで済むと思うなよ ?」


ヒュウは走りながら徐々に変貌し、複数の首を持つ大蛇(ヒュドラ)に変身した。


大蛇(ヒュドラ)とは……神話の怪物と戦えるなんて光栄だ !」


紳士の男は感激して拍手をした。


「ぐっ……ぐおおっ !」


ザルドは小柄な少女の操る虫達に苦しめられていた。

有象無象の虫達がザルドに覆い被さる。


「俺の虫達は狙った獲物を絶対に逃さねえんだ !」


小柄な少女は勝ち誇ったようにニヤリと笑った。


「じ、冗談じゃねえ !こんなものぉ !」


ザルドは長く鋭い爪で襲い来る虫達を振り払った。


「無駄無駄ぁ……ほい ?」


小柄な少女は杖を振ると虫達は密集し、巨大な蜂のような姿に変貌し、ザルドを威圧した。


「なっ…… !」

「さあ、やっちまえ !」


巨大な虫は凄まじい勢いでザルドに襲い掛かった。

ザルドは恐怖で立ちすくみ、抵抗出来なかった。


「うわぁぁぁぁぁぁぁ !!!」


ザルドの悲鳴が荒野全体に響き渡った。


「ザルド !くっ !」

「ホラホラどうした ?手が止まってるぞ 」


紳士な男は植物を自在に操っていた。

無数の蔦がヒュウの行く手を阻み、容易に近付けさせなかった。


「めんどくせえな……一気に焼き払ってやるぜ !」


ヒュウは蛇の口から灼熱の炎を吐き散らした。


「野蛮だなぁ……だが無意味 !」


紳士の男の操る植物は炎を敢えて受け止めた。

普通の植物なら焼けて灰になる所だが彼の操る植物は次元が違った。

まるで光合成をするかのように炎を吸収し、逆に養分にして成長したのだ。


「馬鹿な……俺の技を…… !」


普段は冷静なヒュウもこの光景には目を疑った。


「よし、お返しだよ」


植物は巨大な花を開花させ、花弁から破壊光線を放った。


「くっ……ぐわぁぁぁぁぁぁぁ !」


ヒュウは破壊光線を浴び、盛大に吹っ飛ばされた。


恐ろしい光景だ……。

誇り高き竜族の騎士団……爬虫(レプティル)騎士団(ナイツ)はラゴンを残して全滅した。

ラゴンと謎の青年は互角の戦いを繰り広げていた。


「お仲間は全員やられた、まだ続けるか ?」

「当たり前だろ、ピンチの時こそ燃えるもんだ !」


戦闘中に煽る謎の青年。

ラゴンは内心焦りはしたものの、取り乱さず冷静に振る舞った。

最後に一人残ったのはこれが初めてでは無い。

それに自分だけで五人の集団を片付ければ良いと前向きに考えていた。


「だが遊んでる暇はねえ……一気に終わらすぞ」


そう言うとラゴンは竜族本来の力を引き出し、ドラゴニュートに変身した。


「これが俺の本気だぜ」


ラゴンは不敵な笑みを浮かべ、舌で唇を舐めた。


「ほう……中々の魔力を感じるぞ……」


ラゴンと戦っていた青年は薄ら笑いを止やめ、真剣な顔つきになった。


「おーい、ウエンツ、手伝うかー ?」


ヤンチャそうな青年が気の抜けた声で呼び掛けた。


「いや、僕が倒す……良いウォーミングアップになりそうだ」


青年は真剣な目でラゴンを睨みつけた。

彼の名前はウエンツ……。この謎多き集団のリーダーにして一番の実力者のようだ。


「威勢が良いな、楽しませてくれよ !」


ラゴンは翼を広げ、戦闘体勢に入った。

絶体絶命、四面楚歌の中、ラゴンはたった一人で立ち向かう。


To Be Continued

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