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ランプを片手に異世界へ  作者: 烈斗
ゴブリンの群れ編
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第百八十六話・共同戦線



グレン、コロナ、クロスの三人はゴブリンの住み処と言われる洞窟に潜入した。

洞窟内は身体中に染み付くような湿気が多く、ジメジメとした嫌な雰囲気に包まれていた。

暗闇に閉ざされ、視界は遮られ、歩くことすら困難を極めた。


「これじゃ前が見えないよ……」

「じゃあ俺が光になって洞窟内を明るくしてやるよ」


グレンは全身にスパークを走らせ、明るい閃光を放った。

青白く輝き、グレンは周辺の暗闇を照らし、視界を広げさせた。


「流石だなグレン……」

「ピッカピカだぁ……」


雷属性の力を操るグレンの意外な特技を前に二人は感心していた。


「さっさと行こうぜ」


だがこのグレンのアイデアが災厄を呼び寄せる結果になるとは誰も知らなかった。

全身を発光させているグレンは目立ち、魔物達までも引き寄せてしまった。


「「「うわぁぁぁぁぁ !!!」」」


魔物に襲われ、三人は未知のエリアをひたすら逃げ回った。

とてもゴブリン所では無かった。




「はぁ……ミーデ様は人使いが荒いですわ~」

「ほんとっすよ……四天王も幹部も居なくなったからって調子に乗りすぎですよ」


一方 悪魔三銃士(メフィラストリニティ)の三人は愚痴を言い合いながら洞窟を歩き回っていた。

彼等の目的はゴブリンの頂点に立つゴブリンロードを確保することだ。


「大体どうやってゴブリンロードを捕まえればいいんですか……」

「作戦なら一応考えてますわよ」


レヴィはどや顔で胸を張りながら語った。


「レヴィさん流石っす !でどんな作戦すか ?」

「まずはサイゴがそのクソデカイ棍棒でゴブリンロードの攻撃を受け止めるんですわ、そしてライナーが包帯でグルグル巻きに縛って私が毒の鞭で神経を麻痺させ、動けなくさせますの……完璧に捕獲出来ますわ」

「オラが一番大変な役割だゾ……」


サイゴは困ったような顔をしていた。


「貴方が一番体も大きくて力も強いんですから頑張って下さいまし !」


レヴィはサイゴの腹を叩きながら言った。


「ま、所詮は下級魔族のゴブリンの親玉ですからね、魔王軍として日夜働いてる俺らの敵じゃありませんよ」


ライナーは楽観的に考えていた。


「そうですわ、速やかに任務を終わらせてさっさと帰還しますわよ、私帰ったら大事に取っておいたチョコレートモンブランを頂きますわ♪」

「あ、ずるいですよレヴィさん !自分だけ !」

「こっそり買ってるなんて……オラ達の分は無いのかゾ ?」

「あるわけありませんわ !欲しかったら自分で買いなさい !」


三人は呑気に雑談をしながら歩いていると、悲鳴が聞こえてきた。


「なんですかね……」

「大方旅人か冒険者の誰かが魔物に襲われているんですわ……」

「でも何か……近付いて来てる……気がするゾ……」


サイゴの悪い予感は的中した。

悲鳴は段々とレヴィ達の方に近くに聞こえてきた。


「ちょちょ、こっちに来ないで下さらないかしら~ !!?」


悲鳴と共に魔物に追い回されながら三人の少年少女が走ってきた。

レヴィ達は彼等の巻き添えを喰らってしまった。


「うわぁぁぁぁ !!!誰か助けてぇぇぇ !ってアンタらは !」

「魔王城の時の侵入者ですわ !?」


魔王城で戦い、決着がつかないままだったグレン達と悪魔三銃士(メフィラストリニティ)は運命の悪戯か、まさかの再会を果たしてしまった。


「アンタら一体何やってんですか !」

「ここであったが百年目 !」

「あの時の決着をつけさせてもらいますわ !」


レヴィ達は戦意を剥き出しにし、武器を構えた。


「丁度良い !一緒に魔物を倒してくれ !数が多過ぎてキリがないんだ !」

「はぁ !?」


グレンの指指す方向を見ると、無数の魔物達が涎を撒き散らしながら近付いてきた。


「ひぃ !キモいですわ ?」


レヴィは青ざめながら身を震わせた。


「ていうかお前がそんなピカピカ全身光らしてるから魔物が寄ってくるんでしょうが !」

「あ、そうか」


ライナーに指摘され、グレンは全身の発光を解いた。


「全く……とんだトバッチリだゾ……」

「だが助かった、今は味方は多い方がいい !」

「お願い…… !力を貸して…… !」


グレン達と悪魔三銃士(メフィラストリニティ)は敵同士だが今はいがみ合ってる場合ではなかった。

気づけば彼等の周囲は魔物に囲まれ、逃げ場を完全に失ってしまった。


「……仕方ありませんわ、ここは一時共闘しますわよ」

「良いんですか ?」


この時レヴィは単に共闘するだけとは考えてなく、既に邪なことを企んでいた。


「さ、ライナーとサイゴもボサっとしてないで協力して差し上げますわよ !」

「「は、はい……」」


レヴィに命じられ、ライナーとサイゴは魔物に視線を集中させ、戦闘の構えを取った。


「三人から六人に増えたぜ……これなら負けねえ !」

「やれやれ……とんだ展開だな……仕方ない、コロナ !」

「うん…… !」


ここに来てグレン、クロス、コロナ、レヴィ、ライナー、サイゴによる新たなチームが誕生した。


To Be Continued

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