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ランプを片手に異世界へ  作者: 烈斗
ゴブリンの群れ編
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第百八十五話・ゴブリンを追え !



グレン、コロナ、クロスの三人は最近凶暴化したゴブリンを討伐するため、例の森に出掛けた。


一方、新生魔王軍(ネオサタン)も次の計画の準備を進めていた。


「レヴィさん、ライナーさん、サイゴさん」


新生魔王軍(ネオサタン)の小さなアジトにて、統率官のミーデは配下である悪魔三銃士(メフィラストリニティ)を呼びつけた。


「何ですの、ミーデ様」

「貴方達はゴブリン達の噂、ご存知ですか ?」


ミーデはニヤリと笑みを浮かべながら三人に問い掛けた。


「ええ……一応……」

「それがどうかしましたの ?」


ミーデは天井を見上げながら話を続けた。


「ゴブリン達が突然異常に凶暴化し、人間や他の魔族を襲い、生態を狂わせています……その原因について、ペルシアさんが調べてくれました……どうやら、ゴブリン達を従えるボスに原因があるようですよ」

「ボス ?」


どの種族の群れにも規律を守り、種族を繁栄させる為にボスの存在は不可欠だ。

ゴブリンの上位互換、ホブゴブリンの更に上を行くのがゴブリンロードと呼ばれる存在だ。

ホブゴブリンより巨大な体を持ち、群れを統率するだけの圧倒的な力を有している。


「小鬼の帝王……それがゴブリンロードです……彼が邪悪な魔力を伝達させ、手下であるゴブリン達を洗脳、凶暴にさせているのでしょう……もし彼が我ら魔王軍に加われば、心強いではありませんか ?」


ミーデの狙いは、ゴブリンロード、そしてゴブリン達を手下に加えることだった。


「俺達だけでは飽き足らず、ゴブリン達も手駒にしたいのか……どこまでも貪欲な男だ……」


混沌(カオス)反逆者(トレイター)」のリーダーにしてミーデの右腕になったトレイギアが話に入ってきた。


「貴方方が入ってくれてだいぶ力を盛り返しましたがまだまだ全盛期には程遠いんですよ、ゴブリンの手も借りたいくらいくらいです」


ミーデは溜め息をつきながら言った。


「というわけで、貴方達に任務を与えます !ゴブリンロードを捕らえ、ここに連れてきて下さい !」


ミーデは三人に指を指した。


「ええ……わ、分かりましたわ……」


三人は渋々頷き、トボトボとこの場を去った。


「あいつらに任せて大丈夫なのか ?」


トレイギアは心配そうにミーデに聞いた。


「あの三人はあれでも中々優秀なんですよ、かの魔王城での戦いでも生き残りましたからね……」


ミーデは何だかんだで悪魔三銃士(メフィラストリニティ)に期待を寄せていた。


「頼みましたよ……皆さん……」


ミーデは懐から水晶を取り出し、邪悪な笑みを浮かべた。




森の中で、早速グレン達はゴブリン達に襲われていた。

本来魔物が現れることが少ないこの森で凶暴化したゴブリンが大量発生していた。


「くそっ !倒しても倒してもキリがない !」


グレンは神器を振り回し、次から次へと湧いてくるゴブリン達を斬り伏せた。


「コロナ、僕の後ろに隠れていろ !」


コロナを下がらせ、クロスは黒い翼を剣のように鋭く研ぎ澄ませ、ゴブリン達を攻撃した。


「キシャアアアア !!!」


ゴブリンは奇声を発し、小柄な体躯でムササビのように飛び掛かった。


鬼火花(オーガスパーク) !」


グレンは剣先に雷の魔力を一点集中させ、襲い来るゴブリン達を凪ぎ払った。


「ギエエエエエエエ !」


ゴブリン達はダメージを負い、ボトボトと落ちていった。


疾風上昇(ウインドーアップ) !」


コロナは風の魔法をクロスにかけ、スピードを強化させた。


「ありがとうコロナ、お陰で体が軽いぞ !」


クロスは人間態から小さなカラスの姿に戻り、全速力で空を切り裂きながら飛び回り、ゴブリン達を鋭い嘴で貫いた。


「「「ぎゃああああ !!!」」」


ゴブリン達は血を流しながら地面を転がった。


「ぎ、ギエエ…… !」


残った一匹のゴブリンは仲間を全員倒されたことで戦意を失い、その場から逃げ出した。


「待て !とどめを刺してやる !」

「グレン、ここは逃げたゴブリンの後をつけて奴等の巣を見つけるんだ !」

「そっか、そうしよう !」


クロスの提案を受け入れ、三人は逃げるゴブリンの後を追った。




ゴブリンは必死に逃げ、ようやく巣への入り口へと繋がる洞穴の前まで辿り着いた。


「ギャバアッ !?」


だが入り口に入る直前でグレンにとどめを刺され、絶命した。


「ふう、ここがゴブリン達の巣への入り口か……」

「ねえ、本当に入るの…… ?」


コロナは不安そうに言った。


「当たり前だろ !ここまで来て食い下がれるかよ !」

「心配するな、いざという時は僕が命を張って君を守る……もしくはグレンを囮にする」

「ておい !」


グレンは冷静におかしなことを言うクロスに突っ込みを入れた。


「ここから先は何が起こるか分からねえ……気を引き締めて行くぜ…… !」

「うん…… !」


グレンは洞穴をマジマジと眺め、息を飲んだ。

コロナは杖にしがみつき、覚悟を決めたようだった。


三人は決心を固め、ゴブリン達が巣食う洞穴に足を踏み入れた。

少年達、ゴブリン族、悪魔三銃士(メフィラストリニティ)……この三つの勢力がぶつかり合い、波乱を巻き起こすこととなる。


To Be Continued

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