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ランプを片手に異世界へ  作者: 烈斗
エルフの騎士編
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第十六話・解毒草を探せ



エルサは三人組を庇って魔獣の放った毒針喰らい、倒れた。魔獣は雄叫びを上げ、振り向くと倒れたエルサと三人組に狙いを定めた。


「やべぇ…… !どうするよリーダー…… !」

「ちっ……こうなりゃヤケだ…… !」


リーダーはエルサの肩を支えながら、折れた剣を魔獣に向けた。魔獣は鼻で笑うかのようにジリジリと近づいていった。


「どうしよう……エルサさんが…… !」


私はどうすることも出来ず狼狽えていた。


「ここは私の出番ですね」


リトはそういうと、ランプから赤いオーラが放出された。


赤色放射(レッドオーラ) !!!」


赤いオーラは瞬く間に魔獣の巨体をも越え、魔獣を威圧し、見下ろした。

魔獣は恐れをなし、一時撤退した。


「はぁ……はぁ……」


オーラが消えると、リトは息切れをした。相当魔力を消費したようだ……。


「はぁ……はぁ……一刻も早く戦闘を終了する必要がありましたからね……さ、早くエルサさんを安全な所へ運びましょう」


「わ、分かりました……」


私はすぐに倒れたエルサの元に駆けつけ、ボロボロの三人組と共にこの場から離れた。




私達は魔物が近寄らない木陰に身を潜めた。

私は四人の負傷者の手当てをした。

三人組は応急薬を飲んだのもあってか命に別状はなかった。


「痛くないですか……?」


私はリーダーの男に声をかけた。


「ああ……だいぶ楽になったぜ……」

「何か、さっきはすまんかったな……」


男達は申し訳なさそうにしていた。


「気にしないで下さい。今はゆっくり寝ていてください」


ミーデと違い、根は悪くなさそうだった。


男達は体を癒すため、スヤスヤと寝始めた。


「さて……問題は……」


エルサは片腕に毒を受け、苦しそうに唸っていた。腕は紫色の痣が出来て痛々しかった。


「エルサさん……」

「無様だな……魔獣を倒すと誓っておいて……この私が……」


エルサは悔しそうに自嘲した。


「このまま全身に毒が回れば、長命のエルフといえど……死に至るでしょうね……」


リトが残酷な事実を告げた。


「そんな……何とかならないんですか…… ?」

「主、この辺に解毒薬用の素材である植物が生えているはずです。それさえあれば、エルサさんは助かるかもしれません」

「分かりました……エルサさん、暫く待っていてください。すぐに戻ってきますから」


私はすぐに取りに行こうと立ち上がった。

だがエルサは私を呼び止めた。


「待て……一人で行くのは危険だ……。それに、頼みのリトも魔力を消耗している……。みすみす死ににいくようなものだ……」

「でもこのままじゃエルサさんが…… !大丈夫です。私、魔物に見つかっても頑張って逃げ切りますから」


私はエルサに心配をかけさせぬようと気丈に振る舞った。


「それじゃ !」


私に出来ることはこれくらいしかない。

手遅れになる前に私は一目散に駆け出した。


「ま……待て……!行くな…… !ワカ……バ……」


エルサは私の後ろ姿に手を伸ばし、そのまま気を失った。




私はリトのアドバイスを頼りに、辺りを警戒しながら解毒草を探し回っていた。


「急いで見つけないと……でもどんな形なんだろう……」

「心配無用です、私にはすぐ見分けがつきます」


だだっ広い森の中で解毒草を見つけるのは簡単なことではなかった。砂浜で砂粒を探すようなものだ。


そして、探し回って数分……。


「主、見つけました。あの青紫色の花、あれこそが解毒草です !」

「本当ですか !?」


私は青紫の花を摘み取った。


「でもこれ本当に解毒草なんですか ?」

「私の目に狂いはありません。これさえあれば、彼女はきっと治ります !」


何故リトが植物について詳しいのか……私は懐疑的だったがリトの力強い言葉を信じることにした。


「と……とにかく、早く戻らないと !」

「ええ、急ぎましょう主 !」


私が振り返ったその時、突如頭上から巨大な魔獣が襲来した。

何てタイミングの悪さだ。


「ま、魔獣 !?……こんな時に…… !!!」


実体化(リアライズ)出来る程リトの魔力は回復し切っていない。そんな絶体絶命の状況に私は立たされていた。


To Be Continued

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